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NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE
Title
木材切削工具の切れ味測定と切れ味評価(XXX) : 木材切削における
工具すくい面の切削応力分布および摩擦係数の変化に及ぼす工具逃
げ面の摩擦の影響(1)
Author(s)
杉山, 滋
Citation
長崎大学教育学部紀要. 自然科学. vol.73, p.41-45; 2005
Issue Date
2005-06-30
URL
http://hdl.handle.net/10069/6149
Right
This document is downloaded at: 2015-01-31T21:23:34Z
http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp
長 崎 大学教 育学部紀 要
一 自然科 学 -
N0.
73,41- 45 (2005.6)
木 材 切 削 工 具 の 切 れ 味 測 定 と切 れ 味 評 価 (
ⅩⅩⅩ)*
木材切削における工具す くい面の切削応力分布および摩擦係数の
1)
変化 に及 ぼす工具逃 げ面の摩擦の影響 (
杉
山
滋
長崎大学教育学部技術教育教室
7年 3月 1
5日受理)
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1.緒
呂
分割 工具 に よる切 削実験 に よ り得 られ た工具す くい面 と切屑 との接触境界面 に働 く切
削応力 分布 は,工具刃先先端部 ,お よび逃 げ面 と被 削材 との接触 による影響 が相殺 され
。 しか しなが ら,工具逃 げ面
るか ら,単 に,工具す くい面 のみ を考 えることがで きたl)∼5)
と被 削材 (
被 削母材 の切 削加 工面) との接触 は極 めて小 さいが, その影響 は無視す るこ
とがで きず , とくに, その接触 の程度 が切 削現象 に影響 を及 ぼす, とされ てい る6
)
。 しか
も,切 削工具 は,切 削開始後 ま もな くその切 れ刃す くい面 と同時 に,逃 げ面 も微細 な摩
耗 を起 こし, そのため,逃 げ面 と被 削材 との接触 の程度 が増加 す る。 したがって,逃 げ
本研究 は ,研究課題 [
木材切削工具の切れ味評価法 (
感覚切れ味 と機械切れ味の定量化)に関す る研究]の続報 であるQなお ,本研究
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学校教育における木材加工 (
木工 ・工作 を含む)学習指導のための技術的基礎研究 (
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V.
」 とす るO
3報)お よび標記 の研究 (
XXI
X)紘 ,長崎大学教育学部紀要 一自然科学 - 第 73号
上記の研究 (
第3
3
5- 4
0(20
0
5.6)に掲載O
4
2
杉
山
滋
面 と被 削材 との 間 に は,必 然 的 に何 らか の力 が作 用 し, この力 は, 工具 に加 わ る切 削抵
抗 な らび にす くい面 の切 削応 力 や す くい面 の摩 擦 に も影 響 を及 ぼ し, そ の結果 ,母材 加
工面 お よび切屑 の性状 に影響 を及 ぼす , と推 察 され る。
実用 の切 削工具 は,す べ て,程 度 の差 は あ って も, そ の逃 げ面 が被 削材 と接 触 し, し
か も逃 げ面 か らの刃先摩 耗 も加 わ るか ら,逃 げ面 の接 触 が どの程 度 の影 響 を及 ぼす か を
知 る こ とは,切 削機 構 や 切 削抵 抗 の解 析 を行 う うえで も, な らび に逃 げ面 刃先摩 耗 の諸
問題 を検 討す る うえで も,必 要 で重 要 な課題 のひ とつ にな ってい る。
そ こで この研 究 で は,逃 げ面 と被 削材 との接 触 を人 為 的 に拘 束 させ た工具 (
いわ ゆ る
逃 げ面接 触 面積 拘 束 工具 ) を用 い,切 削現 象 の変化 お よびす くい面 の切 削応 力 や摩 擦 な
どに及 ぼす逃 げ面摩 擦接触 の影響 を究 明 しよ うと試 み た。
2.実 験 方 法
この研 究 で は,す くい面切 削応力 分布 の測 定 に際 して検 討 した分割 工具 1
ト
5
)を用 い て,
同工具 を構 成 す る ℃ナ イ フの逃 げ面 を,被 削材 に人 為 的 に接触 させ て切 削実験 を行 い,
そ の ときのす くい面 上 の切 削応 力 分布 を実測 しよ うとす る もの で あ る (
実 験 の詳 細 を脚
注 *1 に示 した)。
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分割工具 による切 削実験 を,Fi
g.1に示す実験装置 によって行 ったo同装置 に固定 され た分割工具① は,Tl
お よび T=
ナイ フに よ り構成
i
g.2に示す よ うに特異 な形状 をしてい るo即 ち,す くい面切 削応力分布 を測定す るために,す くい面
され,切れ刃 とな る T2
ナイ フは,F
長 さP
Lが切屑接触長 さ Pkの範囲内で種 々異な り,また,す くい面切 削応力分布 に及 ぼす逃 げ面接触 の影響 を究 明す るために,逃 げ面接触
2
ナイ フを種 々交換 して分割工具 を構成 させ,同工具 を用 いて切削実験 を行 っ
長 さ1
;が 0を基準 として,種 々異 なってい るOこの よ うな T
た。 この よ うな実験 によ り,T
=
ナイフに加 わ る切 削抵抗 の摩擦 力 F,垂直力 N を,それ ぞれ測定 したOまた, これ ら F,N の測定 と同
時 に,上記 の よ うな P
L
,r
cをもつ TZ
お よび T
.
の両ナイ フによって被 削材 に加 え られ る切 削力の水平分力 Fl
.
I
.
,
,垂直分力 Fl
.
I
.を F
i
g.1に
F,N お よび 」㌦ 、, F vll,
,の測定方法 は既報 1)・2日 と同様 とした)O この よ うな種 々
示す八角形弾性 リング荷重装置④ によって測定 した (
,I
Iをもつ T
2
ナイ フによる切 削実験 では,刃先の鋭利性 ,刃先角 β,刃先の剛性 お よび T
上
,T。両ナイ フのセ ッテ ィングな どを一定 に
のc
c
.
,
,
,
,Fv
",の検定 によって一定の測定精度 とみな し得
保 って切 削実験 を行 うことは極 めて難 しい。 この研究 で も,既報 1L 3).5)と同様 に,F.
L
J
L
,
,Fl
,
(
l
L
や それ ぞれ求 め,データ として採用 した 。なお,後記 の よ うに,この研究の切 削条件 が既報 u2
のそれ と比較
る F,N お よび F.
的類似 してい るため,F または N の大 きさも既報 の F,N と大差 ない と考 え られ るか ら,Tl
,T2
両ナイ フの間隔 W お よび T
2
のT
l
ナイ フ
に対す る突出量 J
tを本実験 の全般 にわ たってu)-6
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0
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L
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0F
L
m の範囲 に保 って,切 削実験 を行 ったD
本実験 に用 いた Tl
,T2ナイ フは,兼房 刃物工業㈱製 の高速度工具鋼 S
KH2で,切れ刃 となる T2ナイ フの刃先角 βは 2
5
0一定 となるよ う
T,
の刃先角 は 1
5
0であ るが,Tl
,T
3のセ ッ ト時 には,Tl
は T2と同様 の切 削角 0となるよ うに分割工具本体 に固定 され る)D さ
に研磨 した (
-2
5
0の TZ
の逃 げ面 に,切れ刃線 に平行 に 0
- 831mmの範囲 で z
Iを設 けた。したがって,T
l
,
ナイ フはその研 ぎ面がす くい面 と逃
らに, β
げ面の両刃ナイ フであ り,I
;を設 けることによ りT2
の βを 3
5
0±l
oとした。なお,ccは 01
9- 82
2mmの範囲で変化 させ たが,後記の よ
うに,す くい面応力 分布 を求 める際 には Pkに相 当す る L
?
Lの範囲 を F,N の変化 か ら求 め, この Gkの範囲内で応力 分布 を求めた.
この よ うな P(,r
Lをもつ T,
ナイ フを用 い,0
-3
5
0となるよ うに分割工具 を構成 させ,プ レッシャバー を作用 させ ないで二次元低速切
削実験 (
試験片の送 り速度 1
44.
9m
m/ml
n
) を行 ったO切込量 Jは 2,3,4お よび 6m
mの 4段階 とした。
Fi
g.2において,/
;を設 けた T=(β-3
5
0)を 0-3
5
0で分割 工具 を構成 させれ ば,T,
の第 1逃 げ角 (
逃 げ面 が 2段 になってい る場合,
第 1逃 げ角 に対 し,刃先 か ら離れ た逃 げ面 と切 削加 工面 とのなす角)
刃先 に近 い逃 げ面 と切 削加 工面 とのなす角) はOo,第 2逃 げ角 α (
c-Om
mの場合 は,T
2
の刃先角 β は 2
5
0,逃 げ角 αは 1
00とな る。この よ うな Z
;をもつ T
,
の切 削条件 は,実用 の切 削工
は1
00を意味す るor
具 では存在 しないが,逃 げ面 と被 削材 との接触 の影響 を的確 に把握す るための一方法 として, これ らの条件 を設定 したO
(
M ERR
た
の
切
49,
月間水 中に浸潰 し,水 中に沈 んだ状態)に調整 したのち,供試 したOなお,切 削方 向は,切 削面が板 目面 (
木表側) となる横切 削 とした。
1
供
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材
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二
方
柾
木
取
り
角
材
を
採
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の
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,
気
乾
状
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重
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水
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木材切削工具の切れ味測定 と切れ味評価
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3.実 験 結 果 お よ び 考 察
分割 工具 の ℃ナ イ フ に
加 わ る切 削抵 抗 の測 定結
果 (
次報 ) を述 べ るに先
だ ち, 工 具 逃 げ面 と被 削
材 との接触長 さ r
cの変化
に伴 う切 削力 の変化 につ
い て述 べ る。 八角 形 弾性
リン グ荷 重 装 置 か ら測 定
され る被 削材 に加 わ る切
削力 の水 平 分 力
直分布
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分 力 の測 定 結 果 の一例 で
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c
)
X
-〟
.
4
0
3
6
r
c(
mm)
9
0
3
6
0.
1
9
r
c(
mm)
Fi
g13よ り明 らかな よ う Fi
g13・Ane
xa
mpl
eofva
r
f
a
t
i
onofc
ut
t
i
ngf
or
c
ec
ompone
nt
s(
F ・Fv.,L,,F (rl,
に,飽 水 材 , 気 乾材 いず
a
ndNrc
,
)a
ndf
r
i
c
t
l
Ona
lc
oe
f
r
l
C
i
e
nt(p)wi
t
hr
e
l
i
e
ff
a
c
el
e
ng
t
h(
r
c
)
・
H(
,
L
,
れ の場 合 にお い て も r
cの
増加 に伴 い F
F'l(,L,,Fv( ・F ,J ,
∼
,i,
,
i
)
a
n
dI r
e
f
e
rt
oFi
g
・2;L
LC
a
l
c
ul
a
t
e
dv
a
l
u
ef
r
o
mEq・(
2)
,は増加 ,A ,
(
,
(
,は現象 の傾 向 を, それ ぞれ示 した。 また, (1)
式 よ り求 め ら
.
.
,
C
L
,は減少 の傾 向 を, それ ぞれ示 し, その結
れ るFl
L
,は,r
cの増加 に伴 い,増加 の傾 向 を,NI
果 , (2)式 よ り求 め られ る 〝は,増加 の傾 向 を示 した。 なお, これ らの結果 は,いずれ の
4
4
杉
切 込 量 Jお よび い ず れ の
山
滋
r
c=0(mm)
c
cの T
2ナ イ フ に よ る切
t=4(mm)
wat
er
-s
at
ur
at
e
d
r
c-3(mm)
削 にお い て も, 同様 の結
果 が得 られ た。 この よ う
な 1C
:の変化 に伴 う切 削力
の変化 につ い て, つ ぎの
よ うに説 明 し得 る。
Fi
g.2に 図 解 し た よ う
c- 0m
mの 工 具 に
に,r
よ って加 え られ る切 削力
(
FH.Lc=O-, Fv,
C
=.
,
) と比較 した
3
場 合 に ,1
cを もつ 工 具 で
T
6
.
c
c(mm)
の ほか,
は, F YI(,(=0,, Fv,C=.,
cを もつ 逃
第 1逃 げ面 (r
げ面 )に は , 切 削 方 向 と
∫′
V′が , そ れ ぞ
に垂 直 力 J
れ働 く, と考 え られ る。
した が っ て, r
cを もつ 工
9.
0
(L
uu
J
/Bn N
が , 同方 向 と直 角 な方 向
2
1
平 行 な方 向 に摩 擦 力
具 で は,上 記 の よ うな力
が複 合 され て, F
rI
.
L
c,,
F v(,C,
として それ ぞれ測 定 され
と比
るか ら, F l(Lc=0,,Fv,e=。,
較 す れ ば,r
cの増加 に伴
い , Ff
l
,
,
C
,
は F′だ け 増 加
v
.
T
.
,は
し,F
N′だ け減 少
0
3
6
,
cc (mm)
9
0
3
6
.
c
c (mm )
g,4.Ane
xa
mpl
eofva
r
i
a
t
i
onoff
r
i
c
t
i
ona
lf
or
c
e(
F)a
ndnor
ma
lf
or
c
e(
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す る と考 え られ る。 この Fi
a
c
t
i
ngonT2
一k
ni
f
ewi
t
hr
a
kef
a
c
el
e
ngt
h(
Pc
)
.
よ うな考 え に基 づ け ば, 在 )
,
∼,
J,Ia
n
dTc:r
e
f
e
rt
oFi
g
1
2,r 二
C
O
r
r
e
l
a
t
i
o
nc
o
e
f
f
i
c
i
e
n
t
.
F,
" 凡 は, (1)式 を用 い
る と,次式 で表 し得 る。
F,
e
)- F(,C=O
,
+F'cosa+N′si
n0
,-Ne=O
,
+F'si
n0
-N'coso
N
(
3)
J
(
した が って, 0の大 き さか ら考 えれ ば, r
cの増加 に伴 い FL
c
,は増加 の傾 向 ,Nl
c
,は減 少 の
傾 向 を, それ ぞれ示す こ ととな る。
(
2)
式 の 〃は,切 削加 工 にお け る クー ロン法則 に よ る摩 擦 係 数 と呼 ばれ る もの で あ る
が,既 に,木 材切 削 にお け る 〃の性 格 につ い て は,既報 7),8)で検 討 を重 ね て きた。横切 削
を主 とす る この研 究 において も,次報 で, F
Lの性格 を r
e との関連 で,詳細 に検 討す る.
cの変 化 に伴 う変 動 を Fi
g.4に示
つ ぎ に, T2ナ イ フ に加 わ る摩 擦 力 F ,垂 直 力 N の c
木材切 削工具 の切れ味測定 と切れ 味 評価 (
XXX)
歪芸貰製法墓誌定差祭
す。 同図は, r
c-0,あるい は r
c
- 3m
m一定 とした場合 の
cc
主諾
諜
窟 (
諾
4
5
の変化 に伴 う F, Nの測定結
果 の一例 で あ るが,いずれ の r
cにおいて も, また,飽水材 ,気乾材 いずれ の場合 におい
て も, i?
Cの増加 に伴 い F , N は指数 関数 的 な増加傾 向 を示 した。 同図 には,八角形弾性
リング荷 重 装置 か ら測 定 され た
にお け るF lc)あ るい は
耽
,N ,
をも, F , N と比較 す るた め に,示 した (
各c
c
凡
,
I
,
には, それ ぞれ有意差 が ない こ とを確 か め, 図 中には, それ ら
F,
I
,あ るいはN,
i
,
の平均値 で示 した), 同図か ら明 らかな よ うに, c
cが増加す るに伴 い, F
はF,
e
)
に,Nは N,
C
,に, それ ぞれ漸近す る。 FとF,
J,あるい は N とN,
(
,がほぼ一致 してい
る, とみな し得 る cc の位置 がおお よその切屑接触長 さPk, と考 え られ る。図か らPkを求
め る と,いずれ の r
cにおいて も, また,飽水材 ,気乾材 いずれ の場合 において も, P k は
5.
5-7.
5m
mの範 囲で, 七の変化 お よび被 削材 の状態 には無 関係 の よ うであ る。 この よ う
k(
-
に して求 めた C
cc)
の範囲内で,F,N とB
cとの関係 を,それ ぞれ に求 めた. その結
kgfhl
m),N (
kg
f/
m) を P
c(
m
m)の指数 関数 として,次式 の よ うに表 し得 るこ とが
果 ,F (
判 明 した。
(
4)
ここで, (
4) 式 の係数 αF(
kgf・mm 1β
F
), αN(
kgf・mm-i-β
N
) は, c
c- 1m
mの ときの F,N
を, それ ぞれ表 し,べ き指数 β F , β N は, c
cの変化 に伴 うF,N の増減 の程度 を, それ ぞ
れ表す (
諸係数 は,次報 で詳解)0
4.結
論
工具す くい面 に働 く切 削応力 分布 お よびす くい面 の摩擦 な どに及 ぼす工具逃 げ面 と被
削材 との摩 擦接触 の影響 を究 明す るため,逃 げ面接触 面積 を拘束 させ た分割 工具 を用 い
て, タ ンギール材 の横切 削実験 を行 った。得 られ た逃 げ面摩擦接触 の影響 に関す る結果
を要約すれ ば,つ ぎの とお りである。
(
1) 工具逃 げ面 と被 削材 との接触長 さ 長の増加 に伴 い,被 削材 に加 わ る切 削力 の水平
,
は増加 の傾 向 を,垂直分力 F
v
L
,
(
,
は減少 の傾 向 を, それぞれ示 した (
Fi
g・3)0
(
2) す くい面 に働 く摩擦力 ∫,垂直力 J
Vは, (
4)式 の実験式 の よ うに表 され,tの変
分力
E H.
,
C
Fi
g.
4)。
化 に伴 う F, N の変化 の傾 向が明 らか となった (
文
1)杉 山 滋 木材学会誌,2
3,472 (
1
9
77).
2)杉 山 滋 ●木材学会誌 ,2
3,480 (
1
977).
3)杉 山 滋 ・木材学会誌 ,2
3,53
4(
1
977).
4)杉 山 滋 :木材学会誌 ,2
4,1
9(
1
9
78).
5)杉山 滋,徳 山祐治 :木材学会誌 ,2
4,61
2(
1
97
8).
7
9(
1
962),
6)林 大九郎 ●東京教育大学農学部紀要,8,1
4,6
98 (
1
97
8).
7)杉 山 滋,菅 都子 :木材学会誌 ,2
8)杉 山 滋, 中島明子 .
'材料 ,2
8,5
97 (
1
97
9).
献