ー エ - 京都大学学術情報リポジトリ

Title
Author(s)
Citation
Issue Date
URL
6. メスバウアー分光を用いたFe-Pd合金の相転移の研究
(大阪大学基礎工学部物性物理学教室,修士論文アブスト
ラクト(1980年度))
小菅, 要
物性研究 (1981), 36(2): 66-67
1981-05-20
http://hdl.handle.net/2433/90278
Right
Type
Textversion
Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
大阪大学基礎工学部物性物理学教室
造相転移 を起 こ し,更 に,低温 で超 伝導 を示 す物質 として注 目され てい る。 2H-TaSe
2は T
- 122Kで No
r
ma
l相 (N相)か ら I
nc
omme
ns
ur
a
t
e 相 (IC細)へ, T- 90Kで IC柏 か ら,
3a。×3a
。×C。 の Co
mme
ns
ur
a
t
e相 (C柏)へ と逐 次構造相転移 を示 し, T-o
・
1
5
Kで超伝
ト NbSe
2は T- 33
Kで N相 か ら IC 相へ と構造相転移 を示 し, T- 7・
2
K で超
導 を示 す。 2r
伝導 を示す。 これ ら両物質 の高温相 におけ る格子振 動は ラマ ン散乱や非弾性 中性子回折 によ り
くわ しく調 べ られてい るが,理論的 には格子振動 はあま り調 べ られ てい ないので,構造相転移
i
g
i
di
o
nmode
lの範 囲 内で格 子 振 動 を調 べた 。 イ オ ン間 に働 くポテ
を調べ る手始 め として, r
ンシャル としては, クー ロン ・ポテ ンシャル とイ オ ン間の距離 のみ に依存 す る短距離 ポテ ンシ
ャル として最隣接 の Ta(Nb)-Se間,層 内の Ta-Ta(N)
-Nb)間,層 内の Se-Se間, 層
間の Se-Se間 に働 く五種類 のポテ ンシャル を仮 定 した .計算 に含 まれ るパ ラメー ター は,
I
l
点の フ ォノンの振動数及 び r-M方向の音響 モー ドの立 ち上 が りよ り決 めた。 このよ うに して
決 めたパ ラメー ター を用 いて計算 で求 めた フォ ノンの分散 曲線 は, ソフ ト化 す るフォノン ・モ
ー ドを除いて観測結果 をよ く再現 した。 ソフ ト化 す るフォノン ・モー ドと計算結果 との不一致
は,電子 一格子相互作用 を考慮 す るこ とによ って除かれ る と思 われ る
。
そ こで, さらに電子 一
格子相互作用 を求 め るために, まず簡単な取扱 い として, Ma
t
he
i
s
sに よ りAPW を用 いて計算
i
か -bi
nd
hg近似 で再現 す るこ とを試 みてい る。
され たエネル ギー ・バ ン ドの伝導電子帯 を t
6. メスバ ウア - 分光 を用 いた Fe-Pd合金 の相転移 の研究
小 菅
要
FCC- BCCマルテ ンサイ
.
Fe-Pd合金 の相転移 は, Pd濃度 によ り, 20at% Pd付近 で ー
/
opd及 び 75at0
/
opd付近 でそれぞれ FCC- Ll
。と I
FCC- L1
2の 2種類の規
ト変態, 50atO
0
則 一不規則変態 が存 在す るこ とがすで に知 られ てい る。 新 たに,我 々はインバー効果 を示す 3
FCC-_
FCTマルテ ンサ イ ト
at%pd付近 の合金 の相変態 を調 べた結果,鉄系合金 では初 めて _
FCC- _
FCTマルテンサイ ト変態 の, そ
変態 を発見 した。本研究 の 目的 は,新 たに見つ か った _
の変態挙動 と変態機構 を明 らか に しよ うとす るものであ る。 X線回折及 び光学顕微鏡観察 か ら
FCC- .
FCTマルテンサイ ト変態 の特徴 は, 1.
温度履歴 の小 さい可逆的 な熱弾性型変態 で
この _
あること。 2.
変態挙動 (格子 定数 ,正方性,変態温度) が Pd のわず かな濃度変化 に敏感 で あ
るこ と。 (.
Fi
g.1)
3.
形状記憶効果 を示 す こ と,以 上 3点であ る。
.
7at% Pdで は _
FCC- _
FCT-BCTと 2段 のマルテ
変態挙動が Pd濃度 に敏感 であ り, 29
FCC- .
FCTは熱弾性型変態であるのに対 して _
FCT- BCTは
ンサイ ト変態 をお こ し, しか し _
ー66-
修 士論 文 アブ ス トラ ク ト
非熱弾性型で あ る等, これ らの変態機構 について全 く未 知 であ り,結晶学的知見 を得 るだけで
な く母相 の電子状態 とマルテ ンサイ ト変態 との相 関に興 味が もたれ る。そこで, メスバ ウアー
効果 を用 いて,変態 に伴 う母相 の電子状態 の変化 を調 べ,更に,第 3元素 (Ni,Pt,Rh,Ir
)
を添加 す るこ とで,合金 中の電子濃度 をかえ,変態挙動 の変化 を調 べた
。
_
FCC- _
FCTマルテ
ンサイ ト変態 と同様 な結 晶構造変化 が 50at% Pd の規 則 一不規則変態 につ いて もみ られ る。
前者 は,せん断で後者 は原子 の拡散 によ る変態 で あ るに もかかわ らず,両者 と も C
/
a∼0.
96で
(011)双晶 を内部欠陥 として含 んでい るこ とな ど結 晶学的 に酷似 してお り, 50at%Pd の
規則 一不規則変態 について比較,検討 を行 な った。
・
●
.
.
一
一
.
一◆
●
一
一
I
◆
◆
-
)
.
59
(
1
〇
〇
)
a・UL
L
D
:
Jnd 心UニD」
へ
L
・
J
こJ
ノ ▲
.
一
一
)
.
3
、
L
●
_●
▲
ー
D
0
つう
.
3
ちら
5メ
200
▲
▲/
◆I /
-1
50
-1
00
-50
0
Temperqr
UTeL
O
C)
Fi
g.
1 FCC-FCTマ ルテ ンサ イ ト
変態 による格子定数 の変化
Oも・2D20及 びそ の
7・ 2次元 Hei
s
e
nbe
r
g 反強磁性体 Mn (
HCO
Znランダム希釈系の磁性
小
山
晋
之
Mn(
HCOO)2・2D20は, T
N- 3・
686K の擬二次元 He
i
s
e
nbe
r
g 租 反強磁 性 体 Mn(
HCOO)
2
2t
i
20の結 晶水 を重水 で置換 した もので ある
.
プ ロ トン NMRに よ り, T>T
N で, A, B各
s
i
t
e の部 分格子帯磁率 x
A,X
Bを独立 にかつ直接的 に測定 した。 x
Bの温度変化 は Cur
i
e
-We
i
s
s
的で, x
Aは低 次 元反 強磁性体特有 の Br
oa
dMa
x を示 し,二次元 H系 の理 論 曲線 と J/kI
-0・
4
K として よ く一致 す る T <T
N
で,共鳴周波数 の温度変化 を解 析 し, A,
B各 s
i
t
e の反
.
B を求 めた o LAの Cr
i
t
i
c
a
lI
nd
e
x βが 6(
-TN-T/TN)- 2×10-2で,
強磁 性 自発磁化 LA,L
0・
23か ら三次元系の i
nde
xO・
30へ変化 す るこ とが今回明 らか にな った。一方,L
A/
L
Bは Cu
r
i
e
we
i
s
s 的 であ りLBが LAの作 る内部磁場 で磁化 した と考 えて よい 。
で ランダムに希釈 した系では,帯磁率 ,比熱 の ピー クが二つ に分裂 す る。 (ピー ク
Mnを Zn
-67-