日本農芸化学会 2004 年度大会 卵黄由来ホスファチジルセリンが神経突起伸張に及ぼす影響 小林 野映、山口 宏二、柳澤 琢也 1、奈良部 均 1、矢澤 一良 東京海洋大院、1 キユーピー㈱研究所 【目的】ホスファリジルセリン(PS)は脳関門を通過できる特徴があり、脳機能改善リン 脂質として近年注目を集めている。本研究では、神経細胞培養時に、神経細胞伸張活性が ある NGF(神経成長因子)と PS を同時に添加することで、NGF の活性がどのように変化 するかを検討し、PS の働きを解明することを目的とした。 【方法・結果】PC12(ラット副腎髄質由来細胞)を NGF(50ng/ml)存在下、RPMI1640 培地(10%ES・5%FBS を含む)で 5%CO2、37℃条件下 24 時間予備培養した。予備培養 後、濃度の異なる NGF と PS を同時に添加した培地に交換し、さらに 48 時間培養した。 PS は卵黄レシチンを酵素転換して得られた卵黄由来 PS(純度 98%)を用いた。培養後、 神経細胞を顕微鏡下で観察し、突起伸張細胞数/全細胞数で神経突起伸張率を求めた。 NGF1ng/ml と 5ng/ml で PS を添加したとき、神経突起伸張率が優位に高まった。さらに、 添加する PS に濃度依存性が見られ、PS が 1∼5ug/ml の時ピークとなり、それ以上高濃度 では神経突起伸張率が低くなる傾向が見られた。現在、NGF と PS の共存培養による神経 突起伸張活性のメカニズムを解析中である。
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