Page 1 Page 2 Page 3 Page 4 Page 5 月) の全降雨をー降雨量

湖畔地区における内水の流出特性に関する研究
(皿)
福間 順※⑧白滝山二※⑧末沢慶康※
Stud.ies on Soコ皿e Characteristics of the
Runoff in the Lalke Side (皿)
Jun FUKUMA,Yamaj1S亘IRATAKI and Yos1yas咽SUEzAwA
ま え が き
成を行なった すなわち観測期間(昭和40年4月∼11
この調査研究は島根県宍遺湖畔をモデル地区として設定
表一1 降雨分類表
し,昭和39年度より行なわれている、第工報では調査地
降雨階級1降雨量1降
区および観測施設の概要を示し、併せて地区内網場川上
雨月 目
40
流部における粗度係数の変動と単位図抽出の例を取り扱
った。その後,流出解析を進めるに際し,若干の問題点
200 以 上
が明らかになったので報告する、
I 総降雨量別ユニットハイドログラフの
329.5
7.1ア∼23
286.0
9.13∼/7
154.5
7.11∼13
9.9∼10
皿ユIn ㎜m
200∼100
136.5
分離作成
単位図法は,緩勾配で流出の遅いアメリカでその適用
性が実証されてきたものであるが,わが国の中小河川を
100∼50
対象とした場合にその適用が議論されるところである。
特に湖畔地区のような低平地帯では,田面貯留効果が流
出条件に直接影響を及ぼし,単位図法の普遍性にはその・
限界が考えられる。すなわち単一の単位図のみでは低平
92,9
6.18∼21
59,6
5.25∼ろ1
57.2
5.3∼4
34,4
32,9
6.3∼4
32,7
10.13∼14
7.6∼7
29,7
7.8∼9
25,4
10.30∼31
に対応した数種の単位図が必要と考えられる、本報では
23,2
降雨条件として一降雨総量を変量とし,単位図の分離作
20,5
6.26∼27
4.28∼29
17.1
8.5∼6
水田地帯での流出現象は説明できず,降雨条件等の変動
50以 下
※慶業工学教室
α14 14 R二32・7刎刎
α12 工2
O.1 10
O.08 8
0.06 6
ざll1唾1
(眺)州・)
0 0
2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26
時間(hr)
図一1−1
40.10.13∼14
ハイドログラフ
2
- _ : '=<
15 = A 4
- f- F y"+
:I- (:1967:)
l. O
o. 8
O. 6
fO. 4
f L
O' 2
i(71le/3s)
O
l 2
E
f*
ll2
o. 6
12
O. 5
10
5 6 7 8 9 10 11 12
Vo 4
(hr)
R =32.7
1C
fit
) y h/ 4
1
7 r7
=
(
{ f i:J
lO
/ I hr)
R=57 ilVm
8
O. 4
i>f4
,t-
O' 2
'=__ lL:t: ILO' l
4
O
8
7nml
" 2 hr)
O
(m3/s )
=2
:/jF
6
'
o. 3
12
f
16 20 24
32 36 40 44
28
48
(hr)
121
40. 5. 3- 4
/+4
: ;f
7
O. 4
f
O. 3
O' 2
)'Q lL O' l
I
(m' ) O
O 2 4
f
6 8 10 12 14 16 1'8 20 22 24
(hr)
122
R =57.2mm C'
):
y h/¥4
T
f
7
( ;
,
i IIO
/ 2 hrs)
福間
順・白滝山二・末沢慶康:湖畔地区における内水の流出特性に関する研究(皿)
20
O.8
R二g2.9伽
0.7
0.6
15
0.5
0.4
10
0.3
北45
(弼%)
仰2h・)
・0
0
5 10
15 20 25 30 35 40 5− 50 55 60 65
時間(hr)
図一3−1 40曲6曲18∼21 ハイドログ’ラフ
0.20
O.15
聾1115
里
似)
(」ム4
6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30
時間(hr)
図一3−2
R:136.5徽黎
1.O
5
0.8
4
O.6
30
→
0.4
警1.2
R:92.9m皿に対応するユニットハイドログラフ(基準雨量10mm/2hrs)
20
警ヱ0
(卯S)
伽弘㎞・)
O
0
8 16 24
32 40 48 56 64 72 80 88 96
時間(hr)
図一4−1 40.9.9∼10
ハイドログラフ
3一
4
・*・
{ I
i,jl5 " A 4
(1967)
O. 2
O. 15
O. 10
:=L Io. 05
7 { L
(m/:3 s) O 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44
. f
(hr)
l 4 2 R=136.5 " -(L
rL
; y
'+4
r:1 if
7 ( ;
ilO / 2 hrs)
R= 154. 5f?vm
l. l
60
l. O
5
O. 9
O. 8
4
O. 7
O. 6
30
l
O. 5
' 0.4
20
O. 3
:j
{ LfO. 2
=
O. l
O
(m3/s) O
(mm/3h r)
8 16 24 32 40
B
f=
48
56 64 72 80 8
96
(hr)
l51
40 . 7 . Il-13
/ 4
r f 7
O. 2
O. 15
O . 10
{
* 0.05
( /s )
O 3 6 9 12 15 18 ' 2' 1
f
24 27 30
33 36 39
(hr)
l 5 2 R=154.5
1C
Jt
'y h' 4
t 77
( ; {
i
lO "/ 3 hrs)
福間 順1・白滝山二・末沢慶康:湖畔地区における内水の流出特性に関する研究(f)
月)の全降雨を1降雨量200In血以上,200皿㎜∼100
m。皿,100皿㎜∼50皿1n,50m。㎜以下の4種類に分級
5
SectionI SectionII
l 1 l
i水面蟹勾配・.
し,分級別降雨に対応する単泣図を試算した。なお単位
図作成は試算による流量配分図法によるものである。
降雨量に対応した単位図の連続的な変型が期待された
が,結果は一般的な統」性は認められない.わずかに降
!i二0
雨量の大なるものに対する変型の著しいこと,少降雨量
1
のものに対しては比校的類似した単位図が得られたこと
トー△lX
が指摘される。各単位図の適用については目下41年度資
図一6 排水路不等流略図
料にもとづいて検討中である。次報では湖畔地区での区
両整理の完了した対象調査水田地帯での単位図法の適用
の可否を明らかにしたい.
水位観測点 水位観測点
I I>Oポンフ運転中 n 山
1 IくOボンプ運転中止逆段波
皿 ポンプによる背水の影饗
.一一斗音一一一亨一一. 湖外水
ポンプ排水路末端における涜量測定は人為的操作の影
・†排水路 十 さ
響が及ぼされ,一義的なQ−Hカーブの作成が不可能で
△X
ある、不等流の運動方程式を変型し,水面勾配を測定す
図一7 水而勾配転位模式図
ることによって流量を次式より算出した。
・一叫、g二、(云姜一二
一(A貴→2
nについては第工報で示したよ.うに皿一二.f(h),
h:水深の関係をへ八した末端における水面勾配を測
定すれば十式より甲量碑出できるが・実際には水面勾
A1,2、 流 積
R 径 深
配が逆転し,連続的なハイドログラフを得るには困難を
△x 2断面間距離
伴うケースが多い.その原因としてはポンプ運転中止に
伴う逆段波の遡上が考えられる.その他宍道湖外水の堤
I 水面勾配
α 運動量浦正係数≒1./
防からの浸透も呵らかの影響を及ぼしているようである
n マンニング粗度係蚊
が量的には明確でなく今後に間題を残している。本地区
Qm剣、=2.1実’
2.O ユ6
ユ4
ユ。5 12
ユ0
ユ.0 8
水面勾配㊥
θ ㊥
6
1独
(㎜桃。)
図一8
ポンプによる田面流出の例
(S.40.9.16∼18)
6
島根農科大学研究報告
第15号 A−4
農業工学(/%ア)
のような緩勾配排水路での流出量の正確な算定はきわめ
上流での値よりはるかに大である。特に小降雨に対する
て基礎的な作業であるが,それなりに問題があり適切な
ものにその傾向が認められる。このことはポンプ排水に
算出方法が期待される。
よる強制流出であって河道貯留水の排水量が加算された
見かけ上の流出率と考えられる。換言すればポンプの過
皿 流 出 率
剰運転を意味し,河道貯留効果とポンプ操作との関係が
流出率の値として累加雨量に応じて変化させた一般的
流出に関与する重要な要素であることが認識された。
なものとして表/がある.この値の物理的な意味は不確
表一2 累加雨量と流出率 (%)
実であるが,全国各地の実測例にもとづくものであっ
て,本地区での実測値と比較すべく算出した。同一機械
総雨量 10
50∼ /00∼ 200∼ 300
(皿皿) 以下 10∼30 30∼50 /00
以上
200
排水流域においてポンプの背水の影響を受けない上流点
300
(流域182ha)および末端(流域278ha)での同一降雨
流出率
に対する流出率を算出すると表2のようである。これの
10
30
80
90
95
9./
9.9
9.14
50
示すところによるとほとんどの場合,末端での流出率は
表一3 流出率比較表(%)
降 雨
5.2
月 日
∼4
5.26 5.28 6.3
∼27
∼30
∼4
7.6
6.126.19
∼20 ∼9
…1・…
雨量(m−In)
57.2 41.5 12.2 34.4
A点流出率
26
欠
76
欠
67 50
36
B点流出率
62
60
38/
286
※1※
※
7.11
∼13
62.2
7.187.19
∼20
7.2/
∼24
8.6
∼11
∼17
12.9 53.0 254.1
/5.1
15.5 137.0 286.0
67
40
98
64
14
55
56
41
54
藻
※
136
98
※
36
34
154./
※ ポンプ過剰排水のため算出不可能
A点上流 B点末端
参 考 文 献
あ と が き
この報告は,現在の段階では限られた個々の問題点を
防災ハンドブック編集委員会:防災ハンドブツク
取り扱ったが,これ等のつみ重ねによって内水災害一般
1%4,技報堂
の総合的な解明に役立つものと考える.この研究は現在
2
も継続中であるが,今後に残された問題は多い.本調査
を進めるにあたって便宜を与えられた島根県出雲農林土
木事務所,出雲農事試験場出東分場および斐伊川右岸土
地改良区の地元関係各位に謝意を表する。
任田新治:木曽三川下流地域の排水計画に関する研
究,/%1農林省名古屋農地事務局
3
荒木正夫・椿東一郎:水理学演習下巻て962森北出
版
4.
5.
農業土木学会:農業土木ハンドブツク1%4丸善
白滝山二1福間 順・末沢慶康:島根農大研報
14囚:/29()133. 1965
S皿醐㎜蹴y
The hydro1og1ca1obserYat1on haYe been carried.out from 1%3 m H1kawa d1str1ct near
Lake Shm11Sh1mane Prefecture w1th an a村empt to make c1ear the血noff character1st1cs of
1ow1and by the1ake Th1s paper1s the second report dea11hg w1th seyera1p1ob1ems wh1ch
ga▽e r1se to d1scuss1on1n process of the ru皿off ana1ys1s,and shou1d be ev−1dent1y exp1a1ned
w1th c1ear mterpretat1ons m the successwe reports. It was sum皿anzed as fouows that _
(I) Var1ous u㎜t hydro喜raphs are der1▽edl from the hydrographs 1ssued by曲e ramfa11
c1ass1f1ed−on the base of amount be1ow50皿m,50㎜㎜∼/00血㎜,/00mm∼/50㎜㎜ /50㎜m∼
200mm ab0Ye200mm・ It1s found that比e transfor㎜at1on of each un1t hydrograph accordmg
to the c1ass1fled ra1nfa11seem.s to have no regu1ar1ty to be genera11y recogn1zed
(皿) The mfu1ence of the backwater by pu皿p1ng 1s p1a1n1y not1ced at the end of the
7
['*
JIl :{ ・
:IJLI
' 1 I
:
;
l
:
I.-
l7i C )
:d
, il・f ] -
tl"* (Il)
drainage cannal : The hydraulic gradient in the cannal is infulenced with pump operation
Therefore the observation of runoff at the end of the cannal is unexpectedly difficult on
account of the hydraulic gradient alternation
(llD The values of the runoff coefficient obtained for each rainfall are considerably larger
than generally expected in low land. This is able to be considered the overdrainage by the
pump operation.