図1-14 関税の効果
価格(円/1個)
S0:国内企業(全体)
の供給曲線
D0: 国内消費者(全体)
の需要曲線
(国内消費者の)消
費者余剰は
領域イ+領域ロ
貿易がない
時の均衡
政府の
税収入
イ
関税がある時の
国内価格(PW+t)
関税がない(自由
貿易の)時の均衡
ロ
関税がない時の
国内価格(PW)
ハ
ホ
ニ
関税( t 円/1個)
ヘ
ト
(国内企業の)
生産者余剰は
領域ハ+領域ト
世界価格
(PW円/1個)
関税がある時の輸入
O
S0
S1
関税がある
時の均衡
D1
D0
関税がない(自由貿易の)時の輸入
需要量
供給量
15
表 1‐3 関税による経済的福祉の変化
消費者余剰
関税前
関税後
変化
イ+ロ+ハ+ニ+ホ+
イ+ロ
(ハ+ニ+ホ+ヘ)だ
ヘ
け減少
生産者余剰
ト
ハ+ト
ハだけ増加
政府の税収入
なし
ホ
ホだけ増加
総余剰
イ+ロ+ハ+ニ+ホ+
イ+ロ+ハ+ホ+ト
(ニ+ヘ)だけ減少
ヘ+ト
16
図1-15 死荷重損失の発生源(1)
関税後に失われた取引の利益
価格(円/1個)
D0: 国内消費者(全体)
の需要曲線
S0:国内企業(全体)
の供給曲線
同様にして,(D0-D1)個のうちの全
ての1個について、関税がなければ
発生したはずの消費者余剰を求め
ることができる.これらを合計したも
のが左図の三角形ABC,すなわち図
1-14の「領域ヘ」である.
もし関税がなければ,この1
個の取引から得られる限界
便益(=需要曲線の高さ)か
ら価格(PW)を引いた分,す
なわち,線分EFだけの消費
者余剰が発生していた.
E
A
PW+t
C
PW
F
B
このうちの1個に着目すると,
関税がある時の需要量
O
S0
S1
D1
需要量
供給量
D0
関税後に国内消費者が失った取引
17
関税がない(自由貿易の)時の需要量
図1-16 死荷重損失の発生源(2)
関税後に新たに生じた余計な生産費用
S0:国内企業(全体)
の供給曲線
価格(円/1個)
D0: 国内消費者(全体)
の需要曲線
同様にして,関税後に新たに行われ
た(S1-S0)個の取引の全ての1個に
ついて、関税後に生じた余計な費用
を求めることができる.これらを合計
したものが右図の三角形ABC,すな
わち図1-14の「領域ニ」である.
もし関税がなければ,この1
個の取引を実現するために
世界価格(PW)を払って輸入
していた.しかし,関税後は,
この1個は国内企業が生産
することになり,その限界費
用(=供給曲線の高さ)と世
界価格(PW)の差額,すなわ
ち線分EFだけ余計に費用が
かかるようになった.
E
A
PW+t
PW
C
F
B
関税がある時の国内企業の供給量
O
S0
S1
D1
関税後に国内企業が新たに生産し,行なった取引
このうちの1個に着目すると,
関税がない(自由貿易の)時の国内企業の供給量
D0
需要量
供給量
18
図1-17 輸入割当の下での供給曲線の導出
Step2 国内価格が世
Step 3 国内価格が世界価格(Pw)を超えると,輸入は制限されて
界価格(Pw)に一致す
いるため,世界価格より安く生産できない,すなわち,限界費用
ると,許可証の保有者
(=供給曲線の高さ)が世界価格(Pw)より高い国内企業が生産・
は(D1-D0)個を輸入
販売する.この時の供給曲線は線分CDで表わされる.
価格
して販売する.しかし,
(円/1個)
それ以上は輸入でき
S:国内企業の供給と輸
S0:国内企業(全体)
入を合計した供給曲線
ない.よって,この時
の供給曲線
の供給曲線は水平な
D
線分BCで表わされる.
割当がある
時の均衡
(図1-18
で説明)
割当がある時の国内価
格(図1-18で説明)
割当がない時の
国内価格(PW)
改訂版(「プリント
訂正のお知らせ
3」を反映済み)
C
B
Step1 国内価格が世
界価格(Pw)よりも低い
うちは,限界費用(=供
給曲線の高さ)が世界
価格(Pw)より低い国内
企業が生産・販売する.
この時の供給曲線は線
分ABで表わされる.
割当がある時の輸入 =
図1-14の(S1-D1)と同量
A
世界価格
(PW円/1個)
S0
O
需要量
供給量
割当がない(自由貿易の)時の国内企業の供給量
19
図1-18 輸入割当の効果
死荷重損失は「領域ホ+領域リ」であり,関税の場合と同じ!
価格
(円/1個) D0: 国内消費者(全体)
の需要曲線
輸入許可証の保有者の売却益は、
「領域ニ+領域ホ+領域ヘ」
=「領域ト+領域チ+領域ヘ」
貿易がない
時の均衡
S0:国内企業(全体) S:国内企業の供
給と輸入を合計し
の供給曲線
た供給曲線
(国内消費者の)消費
者余剰は、「領域イ+
領域ロ」
割当がある
時の均衡
イ
割当がある時の
国内価格
ロ
割当がない時の
国内価格(PW)
(国内企業の)生産者
余剰は、「領域ハ+領
域ヌ+領域ト」= 「領
域ハ+領域ヌ+領域
ニ」
割当がない(自由
貿易の)時の均衡
ニ
ハ
ヌ
O
ト
ヘ
ホ
チ
リ
世界価格
(PW円/1個)
割当がある時の輸入 =
図1-14の(S1-D1)と同量
S0
割当がある時の国内企業の供給量
S2 = D2 -(S1 - D1)
S2
X
D2
D0
需要量,供給量
同じ大きさ
割当がある時の国内消費者の需要量
20
表 1‐4 輸入割当による経済的福祉の変化
消費者余剰
割当前
割当後
変化
イ+ロ+ハ+ニ+ホ+
イ+ロ
(ハ+ニ+ホ+ヘ+ト
ヘ+ト+チ+リ
生産者余剰
ヌ
+チ+リ)だけ減少
ヌ+ハ+ト
(ハ+ト)だけ増加
(=ヌ+ハ+ニ)
割当レント
総余剰
なし
ニ+ホ+ヘ
(ニ+ホ+ヘ)だけ増
(=ト+チ+ヘ)
加
イ+ロ+ハ+ニ+ホ+
イ+ロ+ハ+ニ+ホ
(チ+リ(=ホ+リ))
ヘ+ト+チ+リ+ヌ
+ヘ+ト+ヌ
だけ減少
(=イ+ロ+ハ+ニ
+ヘ+ト+チ+ヌ)
21