特殊光波・量子発生および利用技術調査専門委員会 設置趣意書 光・量子デバイス技術委員会 1.目的 レーザは重要な基礎理論の提言から発振の実現を経て現在に至る約 50 年にわたり進化を続けており、レ ーザ光およびそれを利用した多種多様な光波・量子発生および制御技術が実現している。それらの利用技術 も新たな光源の実現により適用範囲の拡大・進化を続けており、かつ利用技術の発案が光源の研究開発の動 機ともなり、両者は互いに他方の進展を促している。本技術調査専門委員会では、コヒーレント光発生技術、 光制御技術、およびそれらの利用技術の最先端を広範に調査することを主な目的とする。さらに、次世代の 光源について、高出力化技術、出力や周波数制御技術、非線形波長変換技術、結晶・薄膜等のデバイス技術 などの要素技術や周辺技術を分析するとともに、最先端利用技術からの光源への要求の視点から、今後の光 源開発の研究および産業応用に必要な指針を得て、学界および産業界の発展に貢献することを目的とする。 2.背景および内外機関における調査活動 平成 24 年 2 月から平成 26 年 1 月まで、電気学会では「先端光・量子発生利用技術調査専門委員会」が活 動を行ない、光源や利用技術に関する分析調査が広範に行われた。電気学会以外では類似した広範な調査は 行われていない。近年では、マイクロチップ発振器を利用した小型固体レーザや、半導体レーザへの QD・ 量子カスケード技術の適用など新たな光源開発の研究が進んでいる。発展を続けている固体レーザ装置につ いても、狭帯域、波長可変および波長域拡大、超短パルス、高出力などへ特化した光源開発および制御・周 辺技術の進展による実用化が進んでおり、かつそれらを用いたテラヘルツ、EUV 等の発生技術の向上に影 響を与えている。一方で、利用技術についても、上記光源が新たな応用に適用されて実現するとともに、新 たに考案される利用技術のアイディアがさらなる光源開発の動機ともなっている。発展著しい発生技術に加 え、従来の調査課題であった利用技術分野の新展開の調査も併せて行う、総合的なレーザ光源および利用技 術を対象とした新たな調査が必要であると考える。 3.調査検討事項 (1) フェムト秒レーザ、マイクロチップレーザ、高出力半導体レーザ、ファイバレーザ、EUV 光源、XFEL、 テラヘルツ光源などのレーザおよびコヒーレント光発生技術、かつそれらの波長変換技術を調査する。 (2) 半導体材料技術や固体結晶技術、非線形光学結晶技術、分極反転結晶や低次元カーボン材料のレーザお よびコヒーレント光源への応用を調査する。 (3) 波面制御技術、空間ビーム制御技術、波長制御技術、周波数安定化技術、超短パルス化技術、分散制御 技術、受動光学制御技術、能動光学制御技術、高繰り返し化技術について調査する。 (4) 励起、電離、反応、計測、加工などにおける先端コヒーレント光利用技術の将来展望について調査する。 (5) スタンドオフセンシング、リモートセンシング用光源と利用技術等について調査する。 4.予想される効果 光源および利用技術の先端に関する調査を行なうことにより、研究の進展状況、課題を明確化し、異分野 間の情報交換により新しい研究の指針を得る。また、基礎研究、実用開発、さらに光源利用技術の融合的連 携の機会を創出し、それにより、新しい光の利用方法と光源研究の今後の指針を得る。 1/2 5.調査期間 平成 26 年(2014 年)10 月~平成 28 年(2016 年)9 月 6.活動予定 委員会 4回/年 シンポジウムまたは研究会 1回/年 毎年 3 月中旬にシンポジウムあるいは研究会を開催する予定である。 7.報告形態 研究会の開催または技術報告書の出版をもって報告とする。 2/2
© Copyright 2024 ExpyDoc