2016.07.21発行 - KOHKEN 工業市場研究所

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2016 年 7 月 21 日
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◆電子材料:三菱ガス化学が極端紫外線(EUV)リソグラフィ用低分子レジスト
材料を開発(7 月 15 日)
◆エチレン:三菱化学が鹿島事業所エチレンプラント定修後のスタートを発表
(7 月 15 日)
◆自動車部品:豊田合成がインドに自動車部品の新工場を設立
(7 月 14 日)
◆建材:アイカ工業がデザイン性を重視した新フィルム材 「+WONDER(プラス
ワンダー)フィルム」の販売を開始(7 月 14 日)
◆液体分離膜:三菱化学が三井造船とゼオライト膜事業で業務提携
(7 月 14 日)
◆樹脂関連:日本ゼオンが水島工場において、熱可塑性エラストマー、熱可塑
性透明樹脂シクロオレフィンポリマー増強工事の完工を発表(7 月 12 日)
◆自動車部品:東レが独 Kautex 社製 3D サクションブロー成形機を導入
(7 月 12 日)
◆メディカル:日東電工が分子標的 DDS 技術を活用したガン治療への取組み
開始(7 月 11 日)
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◆電子材料:三菱ガス化学が極端紫外線(EUV)リソグラフィ用低分子レジスト
材料を開発(7 月 15 日)
三菱ガス化学は、7nm node 世代以降の半導体デバイス量産プロセスに導入
が見込まれる極端紫外線(EUV)リソグラフィ用低分子フォトレジスト材料「MGR
シリーズ」を開発しており、中でも「MGR108」(C-4-シクロヘキシルフェニルカリッ
クス[4]レゾルシナレン)の改良研究を進めていたが、今回、trans 体(「MGR108
trans」)を選択的に製造することを可能としたことを発表した。
「MGR108trans」は、アルカリ現像ネガ型レジスト材料として使用できる一方、
日産化学工業の最新微細化技術である Dry Development Rinse Process の適
用ができることから、ネガ型パターンが反転したポジ型パターンも得られるこ
とを確認している。
EUV リソグラフィ技術は、2018 年頃より、7nm node 世代以降の大量生産に
おいて導入が見込まれており、三菱ガス化学では、「MGR シリーズ」の EUV 用
フォトレジストへの採用実現と、さらなる微細化に向けた材料の開発・改良研
究を加速していくとしている。
◆エチレン:三菱化学が鹿島事業所エチレンプラント定修後のスタートを発表
(7 月 15 日)
三菱化学は、鹿島事業所のエチレンプラントについて設備の不具合が確認さ
れ、定修後のスタートが遅延していたが、補修・検査が完了し、7 月 14 日操業
を再開したことを発表した。
なお、鹿島事業所エチレン生産能力は、定修年は 471,000t/年で、非定修年
は 539,000t/年としている。
◆自動車部品:豊田合成がインドに自動車部品の新工場を設立(7 月 14 日)
豊田合成は、インドにおける自動車生産の拡大と安全規制強化により見込ま
れるエアバッグ等の需要拡大に対応するため、インド北部のハリヤナ州バワル
に新工場を設立すると発表した。
新工場は、同社の生産子会社「豊田合成ミンダ・インディア」(TGMIN)の分工
場として設立し、エアバッグやウェザストリップ等の自動車部品を 2017 年 3 月か
ら現地の日系カーメーカーに提供する。
新工場の設立に伴う投資額は約 5.5 億ルピー(約 9 億円)であり、従業員数は
約 440 名の予定としている。
◆建材:アイカ工業がデザイン性を重視した新フィルム材 「+WONDER(プラス
ワンダー)フィルム」の販売を開始(7 月 14 日)
アイカ工業は、高感度なデザインを表現した曲面施工可能な「+WONDER フィ
ルム」を販売すると発表した。
「+WONDER フィルム」は粘着剤がついたシート状の素材で、基材にあわせ
て曲げ合わせて貼ることが可能である。メラミン化粧板では施工できなかった
曲面や枠材などへも施工することが可能になった。柄数は 140 柄、サイズは
w1200mm(±6mm)×L2400mm(±6mm)、4800mm(±9mm)、7200mm(±12
mm)、価格は 19,800 円/m(税抜き価格)である。アイカ工業は、年間販売目
標を 5,000 万円としている。
◆液体分離膜:三菱化学が三井造船とゼオライト膜事業で業務提携
(7 月 14 日)
三菱化学(以下、MCC)は、三井造船および三井造船マシナリー・サービス
(以下、MZM)と、液用ゼオライト分離膜(以下、ゼオライト膜)の販売および
製造に関する業務提携について合意したこを発表した。
ゼオライト膜の新規市場参入および拡販を目的として、MZM が製造するゼオ
ライト膜を MCC が全量購入し、米国を中心とする世界市場において独占的に販
売を行うとともに、両者の技術を組み合わせた新たなプロセスの提案を行う。
なお、MCC および MZM は、MZM の A 型ゼオライト膜と MCC の CHA 型ゼオ
ライト膜を組み合せた ZBREX 脱水システムを中心に、既に大陽日酸と共同で米
国バイオエタノールプラント向けにマーケティングを開始しているが、今回の業
務提携により、MCC のゼオライト開発技術及び三菱ケミカルホールディングスグ
ループが保有するマーケティング力と、MZM の A 型ゼオライトの製造技術、市場
における認知度などの強みを活かしてさらなるゼオライト膜事業の拡大を図ると
している。
◆樹脂関連:日本ゼオンが水島工場において、熱可塑性エラストマー、熱可塑
性透明樹脂シクロオレフィンポリマー増強工事の完工を発表(7 月 12 日)
日本ゼオンは、粘・接着剤の主原料となる熱可塑性エラストマー(製品名:
Quintac)の水島工場の生産能力を 42,000 トンから 60,000 トンへの増強工事を
完工したことを発表した。
また、熱可塑性透明樹脂シクロオレフィンポリマー(製品名:ZEONEX、
ZEONOR)の生産能力を年産 31,000 トンから 37,000 トンへの増強工事を完工さ
せ、それぞれ 7 月 11 日、12 日に竣工式を執り行ったことを併せて発表した。
いずれも C5 留分の総合利用から同社の独創的技術で事業化され、独自の
事業形成を築いてきた製品であり、既存用途拡大による生産量のアップと、新
規製品への展開を見込むとしている。
◆自動車部品:東レが独 Kautex 社製 3D サクションブロー成形機を導入
(7 月 12 日)
東レは、ターボ搭載車に用いられるターボダクトの材料および成形加工技術
を強化するため、世界最大手のサクションブロー成形機メーカーであるドイツの
Kautex Maschinenbau GmbH (カウテックス社)から大型 3D サクションブロー成形
機を導入することを決定したと発表した。本年 8 月までに名古屋事業場(樹脂応
用開発センター内)に設置し 10 月から本格稼働する計画で、日系エンジニアリン
グプラスチックメーカーによる同成形機の導入は初めてとなる。
近年、自動車の燃費向上を目的として、小型エンジンとターボチャージャーを
組み合わせたダウンサイジングターボ車が急速に拡大している。ターボチャージ
ャーとエンジンを繋ぐターボダクトには従来金属が使用されていたが、現在は軽
量性と設計自由度の優位性から樹脂材料の使用が主流となっている。樹脂製
ターボダクトの成形方法としては、主に射出成形とサクションブロー成形がある
が、長尺で複雑な形状にも対応できる設計自由度の高さに加え、一体成形によ
りサイクルタイム短縮が可能なことから、サクションブロー成形への注目が高ま
っている。
東レでは、各種エンジニアリングプラスチックを幅広くラインナップしている
中で、今回、世界最大手のカウテックス社からサクションブロー成形機を導入す
ることで、新たな成形方法に関する技術・ノウハウを蓄積し、これによりサクショ
ンブロー成形に最適な材料の開発力を強化するとしている。
◆メディカル:日東電工が分子標的 DDS 技術を活用したガン治療への取組み
開始(7 月 11 日)
日東電工は、難治性疾患に対する治療薬開発等、創薬の事業化に取り組ん
でおり、本年1月に創薬事業の促進を目的に米国サンディエゴ市内に創薬事業
会社の Nitto BioPharma Inc 社を設立し、7 月より本格的な運営を開始したこと
を発表した。
創薬事業は順調に進展しており、第1プログラムの肝硬変治療薬(ND-L02s0201)は第 2 相 b 試験の計画を進めており、第 2 プログラムの肺線維症治療に
ついても治験への見通しが立ち、2016 年度中の IND 申請を予定している。
同社では次世代プログラムとして、これまで有効な治療薬の無かった、がんに
おける治療ターゲット分子と DDS(ドラッグデリバリーシステム)材料を見出し、
同社がこれまでの取り組みで培った核酸医薬や DDS の設計技術、バイオ評価
能力、治験展開力等、創薬プラットフォームを用いて、がん治療薬の開発を進め
ている。本プログラムについては、2017 年度中の IND 申請に向け Nitto 北海道
研究所、Nitto BioPharma にて実行しており、治療ターゲット、がん種等、詳細
については来年 4 月に発表予定としている。
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