「量子ビームによるナノバイオサイエンス技術調査専門委員会

「量子ビームによるナノバイオサイエンス技術調査専門委員会」
設置趣意書
光・量子デバイス技術委員会
1. 目的
量子ビーム科学は学際分野である。その中でナノバイオ応用を発展させるには、
「レーザ、放
射光、イオンビームやプラズマ」といった従来からの関連技術に加え、「生命科学基礎研究、電
気化学から薬学、医学」などの広範な知識と知見を取り入れて、さらなる技術の発展と発展に備
える必要がある。各分野の全容を把握することは困難であるが、これらの分野の専門家が会し、
分野横断的に情報交換とディスカッションを行うことにより、体系的な知見の拡充と深化を非常
に効率的に行うことが可能である。こうした方策により、新奇技術の提言と開発に貢献したい。
2. 背景および内外機関における調査活動
量子ドットやフラーレンの研究が医療分野の診断・治療・創薬に関するナノバイオ・テクノロ
ジーを支援するという期待は 2000 年にはかなり明確な形を取り始め、量子ビームを活用した物
質のナノプロセス技術も急速に進展し続けている。個々の大学や研究機関に加え、課題もしくは
地域ごとのコンソーシアム形式の横断的なナノバイオ・デバイス関連の研究拠点の整備につれて、
その動きが加速されている。本技術委員会においても、平成 14 年 6 月から平成 24 年まで、5 つ
の調査専門委員会を設置して、今後大いに発展の期待される「基盤技術」や、その「物理的側面」
を調査し、
「量子ビームによるナノバイオ物理・デバイス技術に関する調査を進めて来た。
国際的にも、バイオセンサーやバイオチップなどマイクロ分析システムの開発が活発で、μTAS
国際会議などでは新しい物理手法を取り込んだ、MEMSの高感度化と高速化の競争が行われて
いる。国内でも、応用物理学会、電子情報通信学会、日本生物工学会、日本磁気学会などで盛ん
にシンポジウムが開催され、
「ナノバイオデバイスの最前線」の裾野は拡大の一途を辿っている。
このように、近年の量子ビーム技術の新展開と微細加工やナノテクノロジーの進歩により、急速
な進展が期待されており、本「量子ビームによるナノバイオサイエンスと技術」に関する調査は、
このような学際的な分野の進展を調査する時宣を得たものである。
3. 調査検討事項
(1) X 線自由電子レーザ、超高強度レーザ、プラズマX線光源、コヒーレント THz 光源、エ
ネルギー回収型線形加速器光源や電子・陽電子ビーム源、イオンビーム源、原子・分
子ビーム源、クラスタービーム、中性子源等量子ビーム源の開発動向に関する調査。
(2) バイオ応用を目的とした、量子ビームによる新材料技術、微細加工技術、物性制御技術
や評価技術、医学・薬学研究へのナノプロセシングの動向調査。
(3) ナノバイオ物理応用技術の研究動向と新規デバイス技術の調査。およびメゾサイズでの
エンジニアリングにむけての統合的理解のためのシミュレーション技術の動向調査。
4. 予想される効果
(1) 量子ビームを利用したナノバイオサイエンス技術の有用性を明示することにより、さら
に広範な適用の可能性を探り、本技術の利用拡大に寄与する。
(2) 量子ビームと物質との相互作用の理解を深めることにより、モデリングの高度化が進め
ば、さらに広範囲な産業分野への波及が期待できる。
5. 調査期間
平成 25 年 1 月~平成 26 年 12 月(2 年間)
6. 活動予定
委員会
4回/年, 研究会
1回/年
シンポジウムについては、開催の予定で努力する。
7. 成果報告の形態
公開で行う最終的な研究会の開催、もしくは電気学会誌・特集の形で報告を整理する。