2014 年度 ミクロ経済学初級 II 第 3 回演習 (自宅学習用) グレーヴァ香子担当クラス • 答案は提出しなくていいです。この時期になったら、どんどん過去の演習問題や試験問題をやりましょう。 1. ある財(財1とする)の市場で、独占的に供給している企業を考える。市場には 100 人の同じ準線形効 用関数を持った消費者がおり、各人はこの財を x1 単位消費した時の効用は u(x1 ) = 10 x1 − 21 (x1 )2 であ り 、財布に残ったお金を m 円とするとき、 1 U = u(x1 ) + m = 10 x1 − (x1 )2 + m 2 という総効用を得る。初期保有ベクトルも全員が同じだとし、簡単化のため各消費者の所得を同じ I 円 とおいてよい。 独占企業の費用関数は Q 単位生産すると T C(Q) = 2Q 円かかるとする。 (a) p1 をこの財の1単位当たりの価格(線形一律価格)としたとき、一人の消費者の需要関数と市場需 要関数(100 人分の合計)を求めなさい。 (b) 線形一律価格に制限したときに、独占企業が利潤を最大にするための生産(供給)量 QM 、そのと きの線形価格 pM 、利潤を求めなさい。 (c) 独占企業が「Q 単位が入ったパックを P 円で売る」(お一人様1パックまで)という売り方ができ るとする。独占企業が利潤を最大にするパックのサイズ Q 単位とその値段 P 、100 人にこのパック を売ったときの総利潤を求めなさい。 (ヒント:全ての消費者が同じなので、一人についてのパック を計算すればよい。) 2. ある財の市場には2種類の消費者しかいないとし、A グループと B グループとする。(例、学生と社会 人。)各グループ内ではこの財は横流しが可能だとするが、グループを超えては流せないものとする。各 グループ内の消費者は全員同じ性質(効用関数と所得)を持っているものとし、グループ A の消費者全 体に qA 単位供給するときの逆需要関数を PA (qA )、グループ B の消費者全体に qB 単位供給するときの 逆需要関数を PB (qB ) とする。この財は一つの企業によって独占的に供給されており、A グループに qA 単位、B グループに qB 単位供給するときの独占企業の費用関数は T C(qA + qB ) であるとする。 グループ内では横流しがあるため線形価格でないとならないが、グループが違う人には違う価格で売っ てもいいので、 (例えば学生証を持っている人とそうでない人に異なる価格を見せればよい)グループ A に qA 単位を売り切るには PA (qA ) 円、グループ B に qB 単位を売り切るには PB (qB ) 円の線形価格を付 ければよく、要するに企業は qA と qB を動かして利潤を変化させることができる。独占企業の利潤は Π(qA , qB ) = PA (qA ) × qA + PB (qB ) × qB − T C(qA + qB ) と表せる。 ここで、グループ i = A, B の需要の価格弾力性は、逆需要関数 Pi を使うと Pi を逆需要関数の微係数と して Pi 1 epi = − × Pi qi で定義される。(わからない人はミクロの本を何でもいいから探しましょう。) Π(qA , qB ) を qA と qB を動かしてそれぞれ微分し、一階の条件 ∂Π ∂Π = 0, =0 ∂qA ∂qB ∗ , q ∗ ) において、 を連立させて解き、利潤が最大となる (qA B ∗ PA (qA ) × (1 − 1 epA ∗ ∗ ∗ ) = M C(qA + qB ) = PB (qB ) × (1 − 1 epB ) となることを示しなさい。(二階の条件が成立することは仮定してよい。)需要の価格弾力性が大きいグ ループと小さいグループではどちらの価格が高くなるか?
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