13 ミクロ的基礎付け

マクロ経済分析
第 13 回 講義ノート
1/ 5
13 ミクロ的基礎付け
今回のアウトライン
13.0
A. 消費のミクロ的基礎付けによる行動の変化を理解する
B. 投資のおける資本のユーザーコストを理解する
消費行動
13.1
A. 家計行動をミクロ化して考える
1. 家計は国全体で見た効用の最大化 u(ct )
ct+1
ft+1
yt+1
2. 予算制約の考慮 ct +
= ft +
+ yt +
(1 + Rt )
(1 + Rt )
(1 + Rt )
B. 将来を見据えた家計行動に拡張
1. 2 期間の効用 u(ct ) + βu(ct+1 )(β :主観的割引因子)
ct+1
2. 2 期間の割引現在価値による予算制約 ct +
=W
(1 + Rt )
C. 異時点間の最適化のための最適化の必要条件
u(ct ) + βu(ct+1 )
(13.1)
1. 消費に関するオイラー方程式とよぶ
Ver. 1.0
Masumi Kawade, 2014
マクロ経済分析
第 13 回 講義ノート
2/ 5
D. 効用関数を u(ct ) = ln ct で特定化する
1. オイラー方程式の意味
2. 利子率の変化と代替効果と所得効果 (予算制約式に解を代入)
E. 意図せざる所得増と恒常所得仮説
1. 限界消費性向と消費の均等化 (テキ
スト p.279)
2. 将来の増税を伴う減税は家計消費に影響なし:リカードの等価定理
Ver. 1.0
Masumi Kawade, 2014
マクロ経済分析
第 13 回 講義ノート
3/ 5
投資行動
13.2
A. 投資行動を裁定式で考える (資産価格 pk の資本で生産)
1. 銀行に預けた際の収益 Rpk
2. 事業を行った際の収益 GP K + ∆pk
B. 投資資金 1 単位あたりの収益
1. 銀行に預けた際の収益 R
2. 事業を行った際の収益 M P K +
3.
∆pk
pk
∆pk
pk
k
> 0 ならキャピタルゲイン、 ∆p
< 0 ならキャピタルロス
pk
4. 投資なら減価償却 d¯ を加えた資本のユーザーコスト
1. 資本のユーザーコストは機会費用と減価償却、資本価格の変動で構成
C. 法人税 τ を加えた資本のユーザーコスト
1. 資本のユーザーコストの国際比較 (テキ
スト p.311)
Ver. 1.0
Masumi Kawade, 2014
マクロ経済分析
第 13 回 講義ノート
D. MPK と資本蓄積方程式を使って投資比率
MP K = β
Y
,
K
I
Y
4/ 5
を求める
∆Kt+1
I
=
− d¯
K
K
(13.2)
1. 投資のユーザーコスト次第で投資比率 s が左右
資産価値とバブル
13.3
A. 株式市場を裁定式で考える (株式価格 ps を購入)
1. 銀行に預けた際の収益 Rps
2. 株式を行った際の収益 D + ∆ps (D は配当)
B. ps について解けば、裁定式が得られる
1. 利子率の割引部分をキャピタルゲインで調整
2. 両辺を収益で割って、株価収益率 (PER) による評価 (テキ
スト p.319)
3. 情報効率的市場とランダムウォーク
Ver. 1.0
Masumi Kawade, 2014
マクロ経済分析
第 13 回 講義ノート
5/ 5
次の課題について検討しなさい
13.4
A. 住宅市場において、銀行に預けた際の収益 Rpr,d 、住宅投資した際の収益 L −
¯ r + ∆pr (L は家賃) とする時 (住宅価格 pr を購入、頭金 pr,d )、
dp
1. テキスト下巻 p.327 の (9.20) 式の裁定式を求めなさい
2. 頭金と資産価格のレバレッジ比率
さい
Ver. 1.0
pr,d
pr
が資産価格にどう影響するか述べな
Masumi Kawade, 2014