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本校の研究の概要
南越中学校
1
昨年までの校内研究推進の概要と成果
昨年度、NIE全国大会福井大会では総合的な学習の時間で取り組んだデ
ィ ベ ー ト を 公 開 授 業 と し て 行 っ た 。各 学 年 が 新 聞 記 事 を も と に 意 見 を ま と め 、
壁新聞や切り抜き新聞を作成し、話し合い活動を実践した。また、朝の読書
タイムを利用してコラム視写にも取り組んだ。こうした研究を推進してきた
結果、次のような成果と課題が見られた。
①新聞記事を活用することで根拠がはっきりと示せるため、自信を持って自
分の意見を発表することができた。関連しそうな記事を見出しなどから数
多く集め、その中から活用できそうな記事を選択し考えをまとめていく。
また、予想される質問に対する答えになる記事も準備しておくことで活発
な意見交換ができた。
②ICT機器を活用し新聞記事を直接提示して説明することで、わかりやす
く相手に伝えることができた。細かい文字が読めなくても見出しや写真で
だいたいの内容が想像でき、聞く側にとってもわかりやすかった。
③授業に入る前の朝の読書タイムを利用してコラムを丁寧に書き写す活動
(コ ラ ム 視 写 )は 、 集 中 力 を 高 め 落 ち 着 い た 雰 囲 気 で 授 業 に 臨 め る 効 果 が あ
った。書き写すことでよりじっくりと文章を読むことができ、感想や意見
を書くことで、読む力や書く力、表現力の向上につながった。
2
今年度の実践の内容
(研究主題)
『習得した学びを意欲的に深め,広める生徒の育成』
(1)学ぶ意欲を高める
①ICT環境を積極的に活用した教材・指導展開の工夫
全学級に設置されたPC、プロジェクタ、書画カメラ、デジタル教科書
等のICT環境を積極的に活用し、視覚・聴覚による情報を提供しながら
生徒の学ぶ意欲を高める授業展開の工夫に努めた。さらに、生徒の言語活
動においてもICT環境を積極的に活用し、表現力の育成を図った。
②進路指導の充実
第 1 学 年 で は 職 業 調 べ や 上 級 学 校 調 べ 、 第 2 学 年 で は 社 会 人 に 聞 く 「よ
う こ そ 先 輩 」や 職 場 体 験 、 高 校 生 に 学 ぶ 「教 え て 先 輩 」、 第 3 学 年 で は 将 来
の人生設計と、系統的に進路学習に取り組んだ。
③学校図書館の活用(図書館活用場面の工夫)
学校図書館を読書センター、情報センターとして整備し、学校図書館に
配置されているノートパソコンや新聞を活用し、インターネットと図書資
料、新聞を活用した授業づくりを行った。授業に活用できる図書資料を充
実 さ せ 、 学 校 図 書 館 利 用 活 性 化 の た め の 広 報 活 動 や 、 「 古 典 コ ー ナ ー 」を 目
に触れやすい場所に設置するなどの環境づくりに取り組んだ。
(2)基礎・基本の習得
①わかる授業づくり
デジタル教科書やPCによる自作教材を使った説明、自作ワークシート
の活用、書画カメラでの教材提示、DVD等の動画視聴などを通してわか
りやすい授業づくりに努めた。また、自作のドリルプリントの活用や、朝
の 活 動 の 時 間 を 利 用 し た 各 種 コ ン テ ス ト の 実 施 に よ り 、 基 礎 ・基 本 の 定 着
を図った。
②家庭学習の推進
生活ノートや家庭学習計画表を活用し、規則正しい学習習慣への指導を
継続して行った。定期テストの前には対策問題集、3学期には1年間の総
まとめ問題集に計画的に取り組ませることにより、家庭学習の習慣化を図
った。また、平成25年度全国学力・学習状況調査の結果では、家庭学習
における学校の授業の復習の時間が県・全国平均より下回っていたため、
復習的な課題ばかりでなく予習的な課題も提供するよう各教科で試みた。
③朝の活動の見直し
これまで朝の活動は読書が中心で、定期テストの前や各種コンテストの
前などに対策問題を行っていたが、年間を通して継続的に基礎・基本の習
得の時間に充てることにした。ただし、週1回は読書の時間とし、また、
課 題 が 早 く 終 わ っ た 生 徒 は 読 書 を す る な ど 、読 書 の 時 間 の 確 保 に も 努 め た 。
(3)思考力、判断力、表現力の育成
①言語活動の充実
総合的な学習の時間における探求学習では、学年のテーマに関連した記
事を集め、多面的な見方で自分の考えをまとめ、切り抜き新聞を製作する
などして考えを深め合った。
各教科の時間においては、以下のことを意識して言語活動を充実させる
よう努めた。
【発表の場面で】
教師が一方的に説明するだけではなく、生徒が自分でまとめた事柄など
について製作物を使って説明したり、立場を決めて討論をしたりするなど
の活動を通して、相手の立場や考えをお互いに尊重して話し合ったりする
ような言語活動を充実させる。
【書く場面で】
板 書 を ノ ー ト に 写 す だ け で な く 、 生 徒 が 集 め た 情 報 を 整 理 ・分 析 し 、 レ
ポートや新聞にまとめたり、ICTを活用してプレゼンテーションを行っ
たりするなどの表現活動を充実させる。
【考えを深める場面で】
一斉授業だけでなく、ペアで意見を交換したり、模造紙や付箋などを用
い て グ ル ー プ で 話 し 合 っ た り す る な ど 、生 徒 一 人 一 人 が 自 分 の 考 え を 持 ち 、
他者の考えとの共通点や相違点を意識しながら考えを深めていくような言
語活動を充実させる。
②NIEの推進
毎 週 火 曜 日 の 朝 の 活 動 の 時 間 に コ ラ ム 視 写 を 行 っ た 。福 井 、朝 日 、毎 日 、
中日のどの新聞のコラムにも対応できるように作成したノートを用い、
15分間集中してコラムを書き写す活動を行った。この活動を通して文章
表現の技法を学ぶだけでなく、注意力・集中力を高めることもねらいとし
た。理科の授業では、調べ学習への取りかかりとして新聞記事から科学に
関する記事を集めて切り抜き新聞を作成したり、生活の中で利用されてい
る化学変化に観点を絞って記事を集め、未来の生活を予想しレポートにま
とめ発表したりするなど、各教科の授業においても新聞を活用した。
3
今年度の成果と課題
学 校 評 価 で 、「 楽 し く わ か る 授 業 づ く り に 向 け て 、 I C T ツ ー ル の 利 活
用 に 努 め て い る 。」 と 回 答 し た 教 員 は 100 % と 、 ど の 教 科 で も デ ジ タ ル 教
科書やPCによる自作教材、書画カメラ等の活用が頻繁に行われるように
な っ た 。 生 徒 へ の 調 査 で も 、「 教 員 が I C T ツ ー ル を 活 用 し た り 、 指 導 法
を工夫したりしているので、授業に興味関心を持って取り組むことができ
る 。」 と い う 回 答 が 92.8 % で 、 昨 年 の 89.2 % よ り も 上 昇 し た 。 た だ 、「 か
けるもん」の使用頻度はまだ低いので、今後使用法についての研修を深め
る必要がある。
各 学 年 で 系 統 的 に 進 路 指 導 が 行 わ れ て お り 、 「将 来 の 夢 や 目 標 を 持 っ て
い る 」 と 答 え た 生 徒 は 70 % を 上 回 っ た 。 第 2 学 年 で は 本 年 度 、 高 校 に 進
学した生徒から話を聞く『教えて先輩』を初めて実施し、生徒がより身近
に自分の進路について考える機会を得ることができ、学習への意欲づけに
つ な が っ た 。 ま た 、 第 2 学 年 で 実 施 さ れ て い る 「夢 の 教 室 」は 、 プ ロ フ ェ ッ
ショナルからの貴重な体験談を聞くことができ、将来の人生設計に大きな
刺激となっている。
理科ではこれまで復習的課題が中心であったが、予習的課題を与えたと
ころ、積極的に取り組む生徒が多く見られた。教科書の内容から要点を見
極める力やまとめる力(表現力)がつくことはもとより、授業に自信を持
って臨めることから、学習内容をあらかじめ知っていることは、理解力を
高 め る 効 果 が あ る と 感 じ た 。 こ れ は 、 平 成 2 5 年 度 全 国 学 力 ・学 習 状 況 調
査 ク ロ ス 集 計 結 果 で 報 告 さ れ た 、「 見 通 し ・振 り 返 り 学 習 活 動 を 積 極 的 に
行った学校ほど、教科の平均正答率が高い傾向が見られる」ことにつなが
る。復習的課題と予習的課題をバランスよく出す工夫が必要である。
総合的な学習の時間での探求学習では、新聞の活用が社会のさまざまな
事 象 に 興 味 ・関 心 を 持 ち 、 課 題 を 設 定 す る 力 、 情 報 を 収 集 し 表 現 す る 力 の
育成に効果があった。本校は話すことが苦手な生徒が多いので、この探求
学習で作成したレポート等を使ってICT機器を活用しながら発表する力
をつけていきたい。総合的な学習の時間以外の教科においても言語活動の
充実に努めたが、どの単元のどの場面(発表の場面、書く場面、考えを深
める場面)で、どのような言語活動を行うかについて研究を深め、実践し
ていく必要がある。
コラム視写は静かな環境で黙々と文字を書き写すという活動で、集中力
を高める効果があった。ただ書き写すだけで精一杯の生徒もいれば、筆者
が何を言いたいのかを考えながら書き写す生徒、自分の意見や感想まで書
く生徒もおり、個々の能力の応じて取り組める利点がある。学級担任から
は、回を重ねるにつれて感想の内容がレベルアップしているという声が聞
かれた。また国語の論述形式の作文で、コラムの文章構成を参考にして書
く生徒が見られるなど、表現技法の向上にも役立った。