マクロ経済学 I
グラフと計算の復習
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問題 1 ケインズ型消費関数を考え、細かな計算はせずに 45 度線分析
を用いて均衡国民所得を図示し、政府支出増加の効果を図示しなさい
問題 2 下記の消費関数を考え、投資 (I) が 10、政府支出 (G)、租税 (T )
が 10、輸出が (X) が 20、輸入が (M ) が 10 で、固定されたとする。こ
のとき、次の問いに答えなさい。なお、Y は国民所得を指す。
消費関数:C = 15 + 0.5(Y − T )
(A.1)
A. 政府支出 G が G = 10 の時の均衡国民所得を求めなさい
B. G = 20 となったときの均衡国民所得を求めなさい
C. 設問 A と設問 B の均衡国民所得の差はいくらか求めなさい
D. 45 度線分析として設問 B の効果をグラフに書きなさい
<答>下準備として、与えられた数値を代入
して Y = 15 + 0.5(Y − 10) + 10 + G + 20 − 10
なので、まず整理して、Y = 30 + 0.5Y + G を
求める。次に、Y を左辺にまとめて、0.5Y =
30 + G ⇒ Y = 60 + 2G を求める。
A. G = 10 なので、Y = 60 + 2 · 10 = 80 (答)
B. G = 20 なので、Y = 60 + 2 · 20 = 100 (答)
C. 100 − 80 = 20 なので、その差は 20 (答)
D. 右図
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問題 3 消費関数が下記で示され、政府支出 (G) と純輸出 (N X) がある
とする。このとき、次の問いに答えなさい。なお、各文字はそれぞれ、
C は消費、T は租税、I は投資、Y は国民所得、i は利子率、G は政府
支出、N X は純輸出を指す。
消費関数:C = c0 + c1 (Y − T )
(A.2)
A. 租税 T が T のまま、政府支出 G が G + ∆G の時の均衡国民所得を求めなさい
B. G が G + ∆G、T が T + ∆G になった時の均衡国民所得を求めなさい
C. 設問 A と設問 B の均衡国民所得どちらかが大きいか、A、B で答えなさい
<答>まず、Y = C + I + G + X − M で、消費関数を代入し Y で解くと、
Y = c0 + c1 (Y − T ) + I + G + X − M ⇒ Y =
c0 − c1 T + I + G + X − M
1 − c1
となる。その上で、各設問に答えると、
A. G → G + ∆G として、Y =
c0 − c1 T + I + G + ∆G + X − M
(答)
1 − c1
c0 − c1 (T + ∆G) + I + G + ∆G + X − M
1 − c1
c0 − c1 T + I + G + (1 − c1 )∆G + X − M
=
1 − c1
B. A の答に T → T + ∆G とし、Y =
を 求 め ∆G で ま と め て 、Y
=
c0 − c1 T + I + G + X − M
+ ∆G (答)
1 − c1
C. A と B の差から、
c0 − c1 T + I + G + (1 − c1 )∆G + X − M
c0 − c1 T + I + G + ∆G + X − M
−c1 ∆G
−
=
1 − c1
1 − c1
1 − c1
なので、A の方が大きい。 (答)
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問題 4 消費関数と投資関数が下記で示され、政府支出 (G) と純輸出
(N X) があるとする。このとき、次の問いに答えなさい。なお、各文
字はそれぞれ、C は消費、T は租税、I は投資、Y は国民所得、i は利
子率を指す。
消費関数:C = c0 + c1 (Y − T )
(A.3)
投資関数:I = ψ0 + ψ1 i
(A.4)
A. 政府支出 G が G + ∆G の時の IS 曲線を求めなさい
B. 政府支出 G が G + ∆G、租税 T が T + ∆G の時の IS 曲線を求めなさい
C. 設問 A と設問 B の IS 曲線のうち、グラフ上、左側にあるのはどちらか
<答>まず、Y = C + I + G + X − M に、上記の関数を代入し Y で解くと、
Y = c0 + c1 (Y − T ) + ψ0 + ψ1 i + G + X − M
c0 − c1 T + ψ0 + ψ1 i + G + X − M
⇒Y =
1 − c1
となる。その上で、各設問に答えると、
c0 − c1 T + ψ0 + ψ1 i + G + ∆G + X − M
1 − c1
∆G
c0 − c1 T + ψ0 + ψ1 i + G + X − M
+
(答)
わかりやすくまとめて、Y =
1 − c1
1 − c1
A. G → G + ∆G として、Y =
B. A の答に T → T + ∆G として、
c0 − c1 (T + ∆G) + ψ0 + ψ1 i + G + ∆G + X − M
Y =
を求め ∆G でわかりやすく
1 − c1
c0 − c1 T + ψ0 + ψ1 i + G + X − M
まとめて、Y =
+ ∆G (答)
1 − c1
C. 下図から B。(答)
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問題 5 貨幣供給量を増加させた際の効果を IS-LM 分析を用いて図で
示しなさい。なお、細かな計算などは必要なく、IS 曲線および LM 曲
線の位置関係さえ示せばよい
問題 6 政府支出増加と増税の効果の違いを IS-LM 分析を用いて図で
示しなさい。なお、細かな計算などは必要なく、IS 曲線および LM 曲
線の位置関係さえ示せばよい
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問題 7 貨幣供給量を減少させた際の効果を IS-LM 分析を用いて図で
示しなさい。なお、細かな計算などは必要なく、IS 曲線および LM 曲
線の位置関係さえ示せばよい
問題 8 政府支出と金融緩和のポリシーミックスの効果を IS-LM 分析
を用いて図で示しなさい。なお、細かな計算などは必要なく、IS 曲線
および LM 曲線の位置関係さえ示せばよい
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問題 9 消費関数と投資関数、LM 曲線が下記で示され、租税 (T ) は 10、
純輸出 (N X) は 20、貨幣供給量 (Ms ) は 100、物価水準 (P ) は 10 であっ
た。このとき、次の問いに答えなさい。なお、C は消費、I は投資、Y
は国民所得、i は利子率、G は政府支出を指す。
消費関数:C = 55 + 0.5(Y − T )
(A.5)
投資関数:I = 5 − i
Ms
LM 曲線: = Y − 10i
P
(A.6)
(A.7)
A. 政府支出 G が G = 20 の時、IS 曲線を求めなさい
B. IS 曲線と LM 曲線を用いて均衡国民所得と均衡利子率を求め、グラフに IS 曲
線と LM 曲線、均衡国民所得と均衡利子率を書なさい
C. G = 20 から G = 50 に変更された時の変化した均衡国民所得と均衡利子率を求
め、設問 B 上のグラフに変化した曲線と均衡を書き加えなさい
<答>まず、Y = C + I + G + X − M に、上記の関数を代入し Y で解くと、
Y = 55 + 0.5(Y − 10) + 5 − i + G + 20 ⇒ Y = 150 + 2G − 2i
100
= Y − 10i ⇒ Y = 10 + 10i
10
(IS 曲線)
(LM 曲線)
となる。その上で、各設問に答えると、
A. G = 20 なので、IS 曲線が Y =
150 + 2 · 20 − 2i ⇒ Y = 190 − 2i
となる。 (答)
B. IS 曲線と LM 曲線を解くと、10 +
10i = 190 − 2i ⇒ 12i = 180 ⇒ i = 15
の均衡利子率、これを LM 曲線に代入
して均衡国民所得 Y = 10 + 10 · 15 =
160。 (答)
C. G = 50 なので、IS 曲線が Y =
250 − 2i となり、Y = 210, i = 20 と
なる。(答)
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問題 10 消費関数と投資関数、LM 曲線が下記で示され、純輸出 (N X)
は 20、貨幣供給量 (Ms ) は 50、物価水準 (P ) は 10 であった。このとき、
次の問いに答えなさい。なお、各文字はそれぞれ、C は消費、T は租
税、I は投資、Y は国民所得、i は利子率、G は政府支出を指す。
消費関数:C = 40 + 0.5(Y − T )
(A.8)
投資関数:I = 5 − i
Ms
LM 曲線: = Y − 10i
P
(A.9)
(A.10)
A. 政府支出 G が G = 55、租税が T = 55 の時、IS 曲線を求めなさい
B. IS 曲線と LM 曲線を用いて均衡国民所得と均衡利子率を求め、グラフに IS 曲
線と LM 曲線、均衡国民所得と均衡利子率を書なさい
C. T = 55 のままで、G = 55 から G = 61 に変更された均衡国民所得と均衡利子
率を求め、設問 B 上のグラフに変化した曲線と均衡を書き加えなさい
<答>まず、Y = C + I + G + X − M に、上記の関数を代入し Y で解くと、
Y = 40 + 0.5(Y − T ) + 5 − i + G + 20 ⇒ Y = 130 − T + 2G − 2i
50
= Y − 10i ⇒ Y = 5 + 10i
10
(IS 曲線)
(LM 曲線)
となる。その上で、各設問に答えると、
A. G = 55, T = 55 なので、IS 曲線が
Y = 130 − 55 + 2 · 55 − 2i ⇒ Y =
185 − 2i となる。 (答)
B. IS 曲線と LM 曲線を解くと、5 +
10i = 185 − 2i ⇒ 12i = 180 ⇒ i = 15
の均衡利子率、これを LM 曲線に代入
して均衡国民所得 Y = 5 + 10 · 15 =
155。 (答)
C. G = 61 なので、IS 曲線が Y =
197 − 2i となり、Y = 165, i = 16 と
なる。(答)
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問題 11 消費関数と投資関数、LM 曲線が下記で示され、政府支出 (G)
は 20、租税 (T ) は 10、純輸出 (N X) は 20、物価水準 (P ) は 10 とする
とき、次の問いに答えなさい。なお、各文字はそれぞれ、C は消費、I
は投資、Y は国民所得、Ms は貨幣供給量、i は利子率を指す。
消費関数:C = 55 + 0.5(Y − T )
(A.11)
投資関数:I = 5 − i
Ms
LM 曲線: = Y − 10i
P
(A.12)
(A.13)
A. 貨幣供給量 Ms が Ms = 100 の時、LM 曲線を求めなさい
B. IS 曲線と LM 曲線を用いて均衡国民所得と均衡利子率を求め、グラフに IS 曲
線と LM 曲線、均衡国民所得と均衡利子率を書きなさい
C. Ms = 100 から Ms = 220 に変更された時の変化した均衡国民所得と均衡利子
率を求め、設問 B 上のグラフに変化した曲線と均衡を書き加えなさい
<答>まず、Y = C + I + G + X − M に、上記の関数を代入し Y で解くと、
Y = 55 + 0.5(Y − 10) + 5 − i + 20 + 20 ⇒ Y = 190 − 2i
Ms
Ms
= Y − 10i ⇒ Y =
+ 10i
10
10
(IS 曲線)
(LM 曲線)
となる。その上で、各設問に答えると、
A. Ms = 100 なので、LM 曲線が Y =
100
+ 10i → Y = 10 + 10i となる。
10
(答)
B. IS 曲線と LM 曲線を解くと、10 +
10i = 190 − 2i ⇒ 12i = 180 ⇒ i = 15
の均衡利子率、これを LM 曲線に代入
して均衡国民所得 Y = 10 + 10 · 15 =
160。 (答)
C. Ms = 220 なので、LM 曲線が Y =
22 + 10i となり、Y = 162, i = 14 と
なる。(答)
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