N-混乱ポルフィリンの NH 互変異性を利用する cis

第 24 回福岡シンポジウム Poster 発表要旨
N-混乱ポルフィリンの NH 互変異性を利用する cis-trans 異性化反応
Cis-Trans Isomerization assisted by NH Tautomerism of
N-Confused Porphyrin
坂下 竜一、古田 弘幸(九大院工)
N-混乱ポルフィリン(NCP)の特異な NH 互変異性は、2H 体と 3H 体の 2 つの異性体の相互変換に
ともなって共役系と光学物性が大きく切り替わるため興味を持たれている 1。通常型ポルフィリン
の場合プロトン移動はトンネル効果によって起こることが知られているが 2、NCP の長距離にわた
るプロトン移動の機構は未解明であった(Scheme 1)。
今回、我々は各種溶媒中における NCP の互変異性化速度を測定し、ピリジンのような水素受容
性溶媒が介するプロトン移動機構が存在することを見出した。また、C=C 二重結合の熱異性化とカ
ップルする分子系の創製に成功したので報告する。
ピリジルエテニル NCP (1)は cis 体において分子内
水素結合で 2H 体を安定化することにより、両互変
異性体が安定に存在する。1 の cis-trans 熱異性化
Scheme 2. Isomerization of Py-C=C-NCP
Scheme 1. NH tautomerism of (a) porphyrin and (b)
1 (1.2 uM)
1 (15 uM)
1 (1.2 uM) + pyridine (25 mM)
N-confused porphyrin
0.8
mole fraction of cis-2H-1
(Scheme 2)はピリジン添加で顕著に加速されること
から(Figure 1)、オレフィンの熱異性化に NCP の分子
内プロトン移動がカップルしている機構が示唆され
た。また、1 は高濃度下では非常に早く異性化し、
その反応次数が 2 であることから、1 の分子内ピリ
ジル基が関与する自己触媒的な加速機構が示唆され
る。これにより、30 C の温和な条件下でも進行する
の E/Z 熱異性化が本機構で進行しているものと理解
される。
(1)
1
0.6
0.4
0.2
0
0
50
100
150
time (min)
200
250
Figure 1. Time courses of isomerization in
CH2Cl2 at 50 °C
300
<参考文献>
1)Furuta, H.; Ishizuka, T.; Osuka, A.; Dejima, H; Nakagawa, H; Ishikawa, Y. J. Am. Chem. Soc.
2001, 123, 6207-6208.
2)Butenhoff, T. J.; Moore, C. B. J. Am. Chem. Soc. 1988, 110, 8336-8341.
発表者紹介
氏名
坂下 竜一
所属
九州大学大学院物質創造工学専攻
学年
博士課程三年
研究室
古田研究室