Kobe University Repository : Kernel

 Kobe
University Repository : Kernel
Title
大動脈弁位での小口径人工弁置換術施工後10年間にお
ける血行動態の変化
Author(s)
神吉, 明子 / 杉本, 貴樹 / 岡田, 昌義
Citation
神戸大学医学部紀要=Medical journal of Kobe University,
59(1/2/3/4): 33-38
Issue date
1999-03
Resource Type
Departmental Bulletin Paper / 紀要論文
Resource Version
publisher
URL
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/00177409
Create Date: 2015-02-01
3
3
大動脈弁位での小口径人工弁置換術施行後
1
0年間における血行動態の変化
神吉明子¥杉本貴樹¥岡田昌義本
*神戸大学大学院医学研究科外科学第 2
(指導:岡田昌義教授)
(平成 1
0
年1
2月2
5日受付)
要
約
[緒言]
狭小な大動脈弁輪症例に対する人工弁置換術後の早
大動脈弁膜症における小口径人工弁置換術 (AVR)
期成績については多くの報告がみられるが 1)ーへ術後
の妥当性を 1
0
年以上の遠隔期における血行動態評価を
1
0
年以上の遠隔期における血行動態的評価を行った報
もとに検討した。
告はほとんどない。
L
患者,方法] 1
9
8
8
年以前に手術が施行され,現在ま
今回著者らは,大動脈弁位における小口径人工弁置
9
m
m
"
"
"
"
2
3
m
m
人工弁による
で合併症がなく経過している 1
換術の妥当性を検討すべく術後遠隔期における弁機能
AVR症例 6
4
例 (AS:2
7
例
, AR:3
7
例)を対象とし
の成績について心エコー法を用いて評価し,その許容
た。なお増帽弁膜症を有するものは除外した。手術時
範囲の検討を行った。
の平均年齢は 5
0
.
7
歳であり,平均体表面積は1.5
1r
r
fで
[患者]
あった。検討方法は術前及び術後 6カ月毎に心エコー
当科で 1
9
8
4
年から 1
9
8
8
年に手術が施行され,術後 1
0
Mモード法から左室心筋重量を求め,術
年以上合併症なく経過した大動脈弁置換術 (AVR)
後の r
e
d
u
c
t
i
o
nr
a
t
e (RR) を遠隔期にわたり追跡
症例のうち, 1
9
m
m,2
1
m
m,2
3
m
mの人工弁が使用された
した。一方,連続波ドプラ一法から安静時並びに
6
4症例を対象とした。その内訳は,大動脈弁狭窄症
(AS) 2
7
例,大動脈弁閉鎖不全症 (AR)3
7例である。
検査を行い,
Dobutamine負荷時に人工弁の通過血流速度を測定
し,心拍出量 (
CO) に対する左室一大動脈圧較差
(LV-AoPG) を求めた。また,人工弁の流出路抵抗
I)を血流波形の解析
として有効弁口面積係数 (EOA
2
0
"
"
"
"
1
6
8カ月(平均
から算出した。術後追跡期間は 1
1
4
4カ月)であった。
[結果]各人工弁において, LV-AoPG(
Y) とCO
(X) は,良好な正の相関が得られ,その勾配は 1
9凹
なお,僧帽弁膜症を有するものは除外した。性別は男
6例,女性2
8
例であり,年齢は 2
4歳 7
3歳,平均年
性3
齢5
0
.
7
歳であった。観察期間は術後 1
0
年.
.
.
.
.
.
.
.
1
4
年,平均
1
4
4カ月であった。用いられた弁は St
.JudeM
edical
阻弁:1
5例
, B
j
o
r
k
S
h
i
l
e
y2
1
m
m
弁:1
3
例,同 2
3
m
m
1
9
弁:1
2例
, M
edtronicH
a
l
l2
1
m
m弁 :1
5例,同 2
3
m
m
弁: 9
例であった。
弁において最も急峻であった。また, これは遠隔期に
[方法]
0
年目では
なるほど顧著となる傾向が認められ,術後 1
生体内弁機能の評価として,術前および、術後に心エ
1
9
m
m弁で ASの c
r
i
t
i
c
a
lg
r
a
d
i
e
n
tである 50mmHgに
COが3.7L/minで、達した。術後 1
0
年目の各人工弁の
EOAIは
, 1
9
m
m
弁で有意に低値を示したが, RRでは
コー検査を施行した。術後は 6カ月毎に行い,遠隔期
評価として 5年目, 1
0
年目のものを用いた。まず安静
有意差は認められなかった。
SSH-140A,SSA-260Aを用いて仰臥位及び左下斜側
時 に 東 芝 社 製 心 臓 超 音 波 検 査 装 置 SSH-65A,
[結論] 1
9
m
m
弁で、は心筋負荷軽減効果は術後遠隔期ま
臥位にて連続波ドプラ一法で弁通過血流速度 (V) を
0年目以降では COの
で遜色なく認められたが,術後 1
計測し,ラインスキャンレコーダーにより血流速波計
増加に伴う LV-AoPGの増大が,
日常生活の範囲内
を記録した。これで得られた最大弁通過血流速度
でも無視できなかった。それゆえ, 1
9
m
m弁の適応症例
(V
m
a
x
) から簡易 B
e
r
n
o
u
l
l
i式を用いて以下の様に
LV-AoPGを算出した。
LV-AoPG=4Vmax2 (mmHg)
c
t
i
v
i
t
yなどを考慮して,選択すべ
は年齢や日常の a
きであると考えられた。
キーワード:大動脈弁膜症,小口径人工弁置換術,左室自大動脈圧較差,血行動態
(
3
3
)
3
4
有効弁口面積 (EOA) は
, Mモード心エコー図より
Gibsonの式 6)を用いて得られた一回拍出量 (SV)を
ると,術後 5年目では COの増加に対する LV-AoPG
の増加の割合は 1
9
m
m
弁で 6
.
5と最大となり, 2
3
m
m弁で、
2
.
0と最小であったが, 1
9
m
m弁でも ASの c
r
i
t
i
c
a
l
g
r
a
d
i
e
n
tで、ある 50mmHgに達するのに CO l
OL/min
弁通過血流速度の時間積分値で除して以下の様に求め
た
。
SV=π/6・
LdDd2-π/6・
LsDs2 (ml/beat)
[Ld:拡張期左室長軸径, Dd:拡張期左室短軸径,
Ls:収縮期左室長軸径, Ds:収縮期左室短軸E
EOA-echo=SV/
λ ET V(t)dt(
c
n
f
)
ついで,高心拍出量下での弁機能の評価を行うべく,
dobutamine(6μg/kg/min)を肘静脈から経静脈
的に投与して約 1
0
分間経過後血行動態が安定した時点
で,同様の手法で LV-AoPGを 算 出 し , 心 拍 出 量
(CO) に対する値を求めた。
e
d
u
c
t
i
o
nの評価としては,心エコーの
術後の心筋 r
Mモード図から Troyの式7)を用いて l
e
f
tv
e
n
t
r
i
c
u
l
a
r
mass(LVM) を算出し,術前後の r
e
d
u
c
t
i
o
nr
a
t
e
(RR)を以下の様に求めた。
以上が必要であり,日常生活においては危険因子とな
)。ところが,術後 1
0年目になる
り得なかった(図 4
とCOの増加に対する LV-AoPGの増加の割合は,
1
9
m
m弁で 1
5となり, ASのc
r
i
t
i
c
a
lg
r
a
d
i
e
n
tである
50mmHgにC03.7L/minに達し,日常生活の範囲
内で危険因子になりうるものであった(図 5)。
2)術後早期及び術後 1
0
年目の各人工弁の EOAIは
,
1
9
m
m
弁
で
、0
.
9
7
:
:
!
:
0
.
0
7
c
n
f
/n
f,0
.
6
5
:
:
!
:
0
.
1
0
c
n
f
/n
f,2
1
m
m
弁で1.0
5
:
:
!
:
0
.
0
2
c
n
f
/n
f,0
.
9
0
:
:
!
:
0
.
0
7
c
n
f
/n
f, 2
3
m
m弁で、
3
:
:
!
:
0
.
2
1
c
n
f
/n
f,1
.0
1:
:
!
:
0
.
0
5
c
n
f
/n
fであり, 1
9
m
m弁
1
.2
でいずれにおいても有意に低値を示し, しかし,左室
PG(mmHg)
80イ
LVM=π/6・{Ld+CIVST+PWT)/ 2}
LdDd2 (
g
)
{Dd+IVST+PWT}2ー π/6・
RR-LVM=(
術前 LVM-術後LVM)/
術前LVM
(
IVST:中隔壁厚, PWT:左室後壁厚)
l。一一術後¥0年
23mm弁
60
40
さらに,人工弁による弁口面積の術後左室心筋
r
e
d
u
c
t
i
o
nへの影響を検討すべく,術後早期の有効弁
.
8
8
-1
.4
4
c
n
f
/n
f
)
口面積係数 (EOAI=EOA/BSA,0
の平均値(1.
1O
c
n
f/n
1)により症例を以下の 2群に分
20
o
o
けて検討した。
z
4
10
8
6
CQ(υmin)
.
8
8
c
n
f
/n
f孟EOAI
小口径群:0
図1
.2
3
m
m弁における左室一大動脈圧較差 (PG)と心
<1.lO
c
n
f/n
f,n=3
4
拍出量 (
CO)との関係: BS23mm弁 +MH23mm弁
大口径群:1
.1
0
c
n
f
/n
f孟EOAI
(術後 5年目:y
=2.30x+0.2,術後 1
0年目 :y=
<1.4
4
c
n
f
/
n
f,n=3
却0
2
.
5
x+
5
.
2
)
なお. 叩
1
9
阻弁使用例は全て小口径群に含まれた。す
べての計測値及び
t
i
∞
on (
ω
S
D
) で示しい, 有意差検定ま
l
はS
t
u
d
ω
e
叫
n
u
'
st
じ
t
旬e
s
剖t
で行い, p
<0.05を有意差ありとした。
PG(mmHg)
80
[結果]
60
1)人工弁置換術後 5年目, 1
0
年目の安静時,及び
dobutamine負荷時の CO(X軸)と LV-AoPG (Y
40
軸)の関係を人工弁口径別に分析したところ,各人工
弁とも両者聞には良好な正の相関がみられ(19
m
m
弁
20
r
=
0
.
9
4,2
1
m
m
弁 r
=
0
.
6
8,2
3
m
m弁 r
=
0
.
6
1)。また,
3
m
m
弁で、は 5年目と 1
0
年目で傾
その回帰線をみると, 2
o
o
きに変化はないが,やや上方に移動する傾向がみられ
5年目と対比して, 1
0年目
で傾きが明らかに急峻となった(図 2)。さらに, 1
9
m 弁では,回帰線の上方移動に加え,傾きが 1
0
年目で
z
4
6
8
1
0
C
O
(Llmin)
た(図 1
)
02
1
m
m
弁で、は
図2
.2
1
m
m
弁における左室一大動脈圧較差 (
PG)と心
明らかに急峻となる傾向が認められた(図 3)。一方,
拍出量 (
CO)との関係:BS21mm弁 +MH21mm弁
46x+2.5,術後 1
0年目 :y=
(術後 5年目:y=2.
1
2
.
8
x
3
4
)
これらの 3種類の人工弁における回帰線を対比してみ
(
3
4
)
3
5
R
PG(mmHg)
80
。
。
19mm弁
60
。
o
C
ト
ー
.
.
.
.
.
.
j
荷
後1
0
年
.・・・・術後5
年
。
「
一
「
0.
4
.
畠
.
..
--
40
20
0
.
6
0
.
2
O
。
--~~・・
ー
ー
'ー
,~:可‘'
NS
NS
「
z
4
6
10
8
一 一 一 術 後 5年
.術後 '0隼
0
.
2
CO(Umin)
図3
.1
9
m
m弁における左室一大動脈圧較差 (PG)と心
拍出量 (
CO)との関係:SJM19mm
弁(術後 5年目:
y=5.7x-13,術後 1
0
年目:y=15.0x-2.
4
)
構
0
.
4
小口径膨
大口径騨
図6
. 左室心筋重量の r
e
d
u
c
t
i
o
nrate(RR)の変化:
0
年目に至るまで小口径群との聞に有意差は
術後 1
認められなかった。
PG(mmHg)
"ナー-ー一一一一一一一一一一一一一
心筋の r
e
d
u
c
t
i
o
nr
a
t
eでは,小口径群と大口径群と
4
0
1
0
年目に至るまで有意差は認められなかっ
の聞に,術後 1
た(図 6
)。
3
0
叫
[考察]
2
0
1
通常,大動脈弁置換術には,大なり小なりの大動脈
狭窄症が存在するものと考えられている。また 1
0
年以
。
上の遠隔期の血行動態よりみた大動脈弁位での小口径
。
I
O
4
CQ(υmin)
人工弁置換術の v
a
l
v
emismatchには種々の要因が
関与している。従来から,大動脈弁置換術を行った人
図4
. 術後 5年目の各弁サイズの PGとCOの回帰線
の比較:ASの c
r
i
t
i
c
a
lgradient(50mmHg) に
OL/min以内では達してい
各弁サイズとも COl
ない。
工弁の弁機能に関する報告は多く,とくに大動脈弁位
での圧較差についての報告が多くみられる 2川 一ω。し
かし,これらの大半は心臓カテーテル法による侵襲的
検査による評価法であるため,頻回の検査は困難であ
り,また生体内の様々な条件下における弁機能を評価
同 (mmHg)
したものとは言い難い。近年,心臓超音波の進歩によ
80
り連続波ドップラ一法を応用すれば,非侵襲的に弁機
術後 10年目
能を反復して評価することができる。また,弁機能評
ω
一一一一一一一一
一
価法として, LV-AoPGやEOAを算出した報告もみ
られるようになっている ωー ω。しかし心拍出量を考慮
40
することなしに各人工弁の圧較差を求め,これを単純
2
0
に比較しただけでは,弁機能を十分に評価していると
。
。
薬物負荷を行って血行動態の反応について検討されて
は言い難い。この問題を解決するために,運動負荷や
CQ(L/m
i
n
)
いるがべ運動負荷の場合必ずしも明瞭なエコー像が
得られなかったり,検査手技上の理由から全例に負荷
図5
. 術後 1
0
年目の各弁サイズの PGとCOの回帰線
の比較:ASの c
r
i
t
i
c
a
lgradient(50mmHg) に
1
9皿弁では C03.7L/minで達している。
を実施することはできない。しかし薬物負荷は手技的
に容易であり,全例に行う事が可能である。著者らは,
末梢血管に対する影響が比較的少なく,心臓に対して
選択的に変力作用を有するとされている d
obutamine
(
3
5
)
3
6
を使用し l
s
k 安静時, dobutamine負荷時における,
で 5年目に比し上方移動,すなわち,各 COに対する
c
a
r
d
i
o
g
r
a
p
h
y
.J
.C
a
r
d
i
o
v
a
s
c
.S
u
r
g
. 33:
9
9
2
.
4
7
2
4
7
8,1
.
R
., Garcia-Acuna,
2) Gonza1ez-Juantey, J
J.M., Fernandez. M.V., Cendon, A.A.,
F
u
e
n
t
e
s,V.C.,Garccia-Bengoechea,J
.
B
.,
LV-AoPGが一様に上昇する傾向が認められた。ま
1
m
m
以下弁では,術後 5年目より術後 1
0
年目の方
た
, 2
Pena,
加
1
.G
.
:I
n
f
lu
e
n
c
eo
ft
h
es
i
z
eo
fa
o
r
t
i
c
v
a
1
v
e p
r
o
s
t
h
e
s
e
s on hemodynamics and
が,圧較差が大となり,その回帰線の傾き自体が明ら
c
h
a
n
g
ei
n1
e
f
tv
e
n
t
r
i
c
u
1
a
r mass: I
m
p
l
i
c
a
t
i
o
n
sf
o
r t
h
e s
u
r
g
i
c
a
1 management o
f
種々の血行動態の評価を行った。各弁とも LV-AoPG
とCOとは術後 5年目, 1
0
年目のそれぞれにおいて良
好に相関した。 2
3
m
m
弁で、は,その回帰線が術後 1
0
年目
かに急峻となる傾向が認められた。すなわち, 2
1
m
m
以
下弁では COの増加に対する LV-AoPGの増加の割合
が明らかに大きくなる傾向が認められた。これは,労
作時において心負荷が増大することを示すものと考え
9
m
m弁を含む各弁とも術後 5
られた。しかし実際には 1
年目で心拍出量が 6L/min
以下であれば LV-AoPG
は20mmHg
以下と低値を示した。すなわち心拍出量
が10L/min
以下の運動であれば, LV-AoPGはAS
のc
r
i
t
i
c
a
1g
r
a
d
i
e
n
tとされる 50mmHg以下にとど
0年目になると AS
まるものと推測された。しかし, 1
のc
r
i
t
i
c
a
1g
r
a
d
i
e
n
tである 50mmHgに
, 1
9
m
m弁で
は心拍出量が 3.7L/minで、達することが予想され,
a
o
r
t
i
c s
t
e
n
o
s
i
s
.J
. Thorac. C
a
r
d
i
o
v
a
s
c
.
S
u
r
g
.1
1
2:2
7
3
2
8
0,1
9
9
6
.
3) DeP
a
u
l
i
s,R.,Sommariva,L
.,Russo,F
.,
Tomai, F
., Tondo, A
., P
a
g
1
i
a
r
i
c
c
i, C
.,
Bassano,C
.,C
h
i
a
r
i
el
1o,L
.
:D
o
p
p
1
e
re
c
h
o
c
a
r
d
i
o
g
r
a
p
h
y e
v
a
1
u
a
t
i
o
n o
f t
h
e CarboMedicsv
a
1
v
ei
np
a
t
i
e
n
t
swithsmalla
o
r
t
i
c
anu1us and v
a
1
v
ep
r
o
s
t
h
e
s
i
s
b
o
d
ys
u
r
f
a
c
e
a
r
e
am
i
s
m
a
t
c
h
.J
.T
h
o
r
a
c
.C
a
r
d
i
o
v
a
s
c
.S
u
r
g
.
9
9
4
.
1
0
8:5
7
6
2,1
4) Natsuki,M.,I
toh,T
.,Tomita,S
.,Naitoh,
K
.
: Hemodynamics a
f
t
e
r a
o
r
t
i
c v
a
1
v
e
rep1acement with S
t
. Jude Medica1 v
a
1
v
e
日常生活の範囲内において有意に心負荷がかかってく
る可能性が示唆された。この原因として我々は,弁置
f
o
rp
a
t
i
e
n
t
swithsmallannu1usands
e
v
e
r
e
1
e
f
t v
e
n
t
r
i
c
u
1
a
r h
y
p
e
r
t
r
o
p
h
y
. J
.Heart
Va1veD
i
s
. 7 :8
6
9
3,1
9
9
8
.
f
.H.V.,Borkon,A.M., Hughes,C
.,
5) S
c
h
a
f
Achuff,S
.,Donahoo,J
.
S
.,Gardner,T
.
J
.,
Watkins,L
.,Gott,V.L.,Morrow,A.G.,
Braw1ey,R
.
K
.
:C
l
i
n
i
c
a
1andhemodynamic
h
i
1
e
ya
o
r
t
i
c
e
v
a
1
u
a
t
i
o
no
ft
h
e19mmBjorkS
v
a
1
v
ep
r
o
s
t
h
e
s
i
s
. Ann. T
h
o
r
a
c
.S
u
r
g
.3
2:
9
81
.
5
0
5
7,1
6) Gibson,D.G:
.Estimat
i
o
no
f1
e
f
tv
e
nt
r
i
c
u
1
a
r
0
年目以降の僧帽弁に対する再弁置換術の多数例
換後 1
の経験から,弁機能不全というよりも弁輪部からの肉
芽組織の増殖が弁口を狭くしているものと推測し,こ
れが小口径弁ほど影響をうけやすくなると考えている。
0
年の EOAIでは各弁とも術後
事実,本検討でも術後 1
早期に比し同程度に有意に減少しており,各 EOAIは
1
9
m
m弁で、低値を示していた。
0
年以上という長期遠隔期における心機
今回の術後 1
9
m
m
弁を中心とした小口径群において
能の検討では, 1
も,左室心筋の r
e
d
u
c
t
i
o
nr
a
t
eでは大口径群と明確
9
m
m
弁では 1
0
年
な差異は認められなかった。しかし, 1
司
COに対する LV-AoPG増大の結果が得られているこ
s
i
z
ebye
c
h
o
c
a
r
d
i
o
g
r
a
p
h
y
.B
r
.HartJ
.3
5:
9
7
3
.
1
2
8
1
3
4,1
とから, これより長期では左室心筋に対する再負荷の
7) Troy,B
.
L
., Pombo,J
., Rack1ey, C
.
E
.
:
9
m
m
弁では出現する可能性が容易に推測される。
所見が 1
Measurement o
f 1
e
f
t v
e
n
t
r
i
c
u
1
a
r wall
t
h
i
c
k
n
e
s
sandmassby e
c
h
o
c
a
r
d
i
o
g
r
a
p
h
y
.
C
i
r
c
u
1
a
t
i
o
n4
5:6
0
2
6
2
0,1
9
81
.
8) Sawant, D., Singh, A.K., Feng, W.C.,
B
e
r
t,A.A.,RotenbergF
.
:S
tJudeMedica1
1ow-up
c
a
r
d
i
a
cv
a
1
v
e
si
ns
m
a
l
la
o
r
t
i
cr
o
o
t
s
:
F
ol
t
os
i
x
t
e
e
ny
e
a
r
s
.J
. Thorac. C
a
r
d
i
o
v
a
s
c
.
9
9
7
.
S
u
r
g
.1
1
3:4
9
9
5
0
9,1
.,O
r
y
o
j
i,A.,N
i
s
h
i,Y.,Tanaka,
9) Aoyagi,S
K., Kosuga, K., O
i
s
h
i, K
.
: Long-term
r
e
s
u
1
t
so
fv
a
l
v
e replacement with t
h
eS
t
.
目の時点において上述のごとく日常範囲内における
9皿弁の使用には,患者の年齢や日常生活
以上より, 1
c
t
i
v
i
t
yを考慮して,症例を選択すべきで
における a
あり,必要に応じて弁輪拡大術も考慮すべきであると
考えられた。
文
献
1
)O
h
t
a,T
.,I
w
a
h
a
s
h
i,K
.,
Okada,M.,Nakamura,
K
.
: Hemodynamics o
f 2
1 and 23mm
Medtronic Hall v
a
1
v
e
s by Dopp1er e
c
h
o
-
(
3
6
)
3
7
JudeMedica1v
a
1
v
e
.J
.Thorac.C
a
r
d
i
o
v
a
s
c
.
S
u
r
g
.1
0
8
:1
1
1
4
.1
9
9
4
.
1
0
)F
i
s
h
e
r,J
.
:Comparativestudyoft
h
ehydrodynamic f
u
n
c
t
i
o
no
ft
h
es
i
z
e 19mm and
21mmS
t
.JudeMedica1HemodynamicP1us
B
i
l
e
a
f
l
e
th
e
a
r
tv
a
1
v
e
s
.J
.Heart Va1ve D
i
s
.
p
e
r
f
o
r
m
a
n
c
e
so
fs
m
a
l
ld
i
a
m
e
t
e
rCarbomedics
andS
t
.Jude v
a
l
v
e
s
.
J
.Heart Valve D
i
s
.
5 :3
3
9
3
4
3
.1
9
9
6
.
1
8
) 佐藤洋:Dobutamine負荷試験による僧帽弁狭
窄症の心機能の評価, 日胸外会誌, 3
6
:2
3
3
0,
3:7
5
8
0,1
9
9
4
.
1
1
)F
o
s
t
e
r, A.H., Tracy, C.M., Greenberg,
G
.
J
.,Mclntosh,C
.
L
., C1ark, R
.
: Va1ve
rep1acementi
nnarrowa
o
r
t
i
cr
o
o
t
s:s
e
r
i
a
l
hemodynamics and long-term c
l
i
n
i
c
a
l
outcome.Ann.Thorac. S
u
r
g
.4
2:5
0
6
5
1
6,
1
9
8
6
.
.
F
., Ruchat, P
., Hurni, M.,
1
2
) Debetaz, L
F
i
s
c
h
e
r,A.,
Stumpe,F
.,Sadeghi,H.,M
e
l
l
e
.
Goy,J
.
J
.
: St
. Jude Medica1 v
a
l
v
e
G.V.,
p
r
o
s
t
h
e
s
i
s
:Ana
n
a
1
y
s
i
so
f1
o
n
g
t
e
r
m outcome
andp
r
o
g
n
o
s
t
i
cf
a
c
t
o
r
s
.J
.T
h
o
r
a
c
.C
a
d
i
o
v
a
s
c
.
S
u
r
g
.1
1
3:1
3
4
1
4
8,1
9
9
7
.
.
, I
z
z
a
t,M.B.,B
i
r
d
i,1
.
, W
ilde,P
.,
1
3
) Kadir,1
Reeves,B
.,Bryan,A. J
.,A
n
g
e
l
i
n
i,G.D.,
Gonzalez-Juanatey,J
.
R
.,Garcia-Acuna,J
.
A.,
M., Fernandez, M.V., Cendon, A,
Fuenres,V.C., Garcia-Bengoechea, J
.
B
.,
Pena.M.G.:I
n
f
l
u
e
n
c
eo
ft
h
es
i
z
eo
fa
o
r
t
i
c
v
a
l
v
ep
r
o
s
t
h
e
s
e
sonhemodynamicsandc
h
a
n
g
e
i
n1
e
f
tv
e
n
t
r
i
c
u
l
a
r mass:I
m
p
1
i
c
a
t
i
o
n
sf
o
r
t
h
es
u
r
g
i
c
a
1managemento
fa
o
r
t
i
cs
t
e
n
o
s
i
s
.
J
.Thorac.C
a
r
d
i
o
v
a
s
c
.S
u
r
g
.1
1
2:2
7
3
2
8
0,
1
9
9
6
.
.F
., Emery,
1
4
) Arom, K.V., Goldenberg, I
R.W.: Long term c
l
i
n
i
c
a
l outcome with
. Jude Medica1
small s
i
z
e standard St
v
a
1
v
e
simplantedi
nt
h
ea
o
r
t
i
cp
o
s
i
t
i
o
n
.J
.
HeartVa1veD
i
s
. 3 :5
3
1
5
3
6,1
9
9
4
.
1
5
) 寺田康,樫原秀茂,井野隆史,鰐淵康彦,古田昭
大動脈弁置換
一:狭小大動脈弁輪に対する 19mm
術症例の遠隔成績,
7:4
7
0
4
7
7,
日胸外会誌, 3
1
9
8
9
.
1
6
) Henneke.K.H.,Pongratz,G.,Bachmann,
K
.
:L
i
m
i
t
a
t
i
o
no
fDopp1er e
c
h
o
c
a
r
d
i
o
g
r
a
p
h
y
i
n t
h
e assessment o
f p
r
o
s
t
h
e
t
i
c v
a
1
v
e
hemodynamics.J
.Heart Va1ve D
i
s
. 4
1
8
2
5,1
9
9
5
.
1
7
) DeP
a
u
l
i
s
.R.,Sommariva,L
.
, DeM
a
t
t
e
i
s,
G.M.,P
o
l
i
s
c
a,P
.,Tomai,F
.,Bassauo,C
.,
Peppo,A.P.,C
h
i
a
r
i
el
1o,L
.
: Hemodynamic
(
3
7
)
1
9
8
8
.
3
8
HemodynamicChanges1
0YearsAfter8mallValveReplacement
i
nA
o
r
t
i
cValveP
o
s
i
t
i
o
n
AkikoKanki,M.D.Takaki8ugimoto,M.D.MasayoshiOkada,M.D.
D
e
p
a
r
t
m
e
n
to
fS
u
r
g
e
r
y,D
i
v
i
s
i
o
nn
,K
obeU
n
i
v
e
r
s
i
t
yS
c
h
o
o
lo
fM
e
d
i
c
i
n
e,Kobe,Japan
ABSTRACT
The c
h
a
n
g
e
si
n hemodynamics h
a
v
eb
e
e
n examined d
u
r
i
n
g1
0y
e
a
r
sf
o
l
l
o
w
u
pp
e
r
i
o
di
n
p
a
t
i
e
n
t
sw
i
t
hs
m
a
l
lv
a
1
v
er
e
p
1
a
c
e
m
e
n
ti
nt
h
ea
o
r
t
i
cv
a
1
v
ep
o
s
i
t
i
o
n
.
[
P
a
t
i
e
n
t
s and m
e
t
h
o
d
s
J Between 1
9
8
4 and 1
9
8
8, 6
4p
a
t
i
e
n
t
su
n
d
e
r
g
o
i
n
ga
o
r
t
i
cv
a
1
v
e
r
e
p
1
a
c
e
m
e
n
tf
o
rs
o
l
ea
o
r
t
i
cv
a
1
v
e1
e
s
i
o
n(
a
o
r
t
i
cs
t
e
n
o
s
i
s2
7;a
o
r
t
i
cr
e
g
u
r
g
i
t
a
t
i
o
n3
7
)w
e
r
e
s
u
b
j
e
c
t
e
dt
ot
h
i
ss
t
u
d
y
. The 19mm S
t
.J
u
d
eM
e
d
i
c
a
1 (SJM) v
a
1
v
e was i
m
p
1
a
n
t
e
di
n1
5
jるr
k
S
h
i
l
e
yo
rM
e
d
t
r
o
n
i
cH
a
l
lv
a
1
v
ei
n2
8p
a
t
i
e
n
t
s,and 2
3m mB
jりr
k
S
h
i
l
e
y
p
a
t
i
e
n
t
s,21mmB
o
rM
e
d
t
r
o
n
i
cH
a
l
lv
a
1
v
ei
n2
1p
a
t
i
e
n
t
s
.A
l
lo
fthemh
a
v
eb
e
e
nf
o
l
l
o
w
e
d(
a
v
e
r
a
g
e,1
4
4months)
w
i
t
h
o
u
tr
e
d
oo
p
e
r
a
t
i
o
n
. The p
o
s
t
o
p
e
r
a
t
i
v
ec
h
a
n
g
eo
f LV h
y
p
e
r
t
r
o
p
h
y was a
s
s
e
s
s
e
d by LV
mass vo1ume (LVM) on t
h
e M-mode e
c
h
o
c
a
r
d
i
o
g
r
a
p
h
y
. The p
r
e
s
s
u
r
eg
r
a
d
i
e
n
ta
c
r
o
s
st
h
e
p
r
o
s
t
h
e
t
i
cv
a
1
v
e (LV-AoPG) wasmeasuredby c
o
n
t
i
n
u
o
u
s
w
a
v
eD
o
p
p
l
e
re
c
h
o
c
a
r
d
i
o
g
r
a
p
h
y on
)
b
o
t
hr
e
s
tanddobutamines
t
r
e
s
so
f6μg/kg/min. Thee
f
f
e
c
t
i
v
eo
r
i
f
i
c
ea
r
e
ai
n
d
e
x (EOAI
was a
l
s
o measured by a f
l
o
wv
e
l
o
c
i
t
ya
c
r
o
s
st
h
ep
r
o
s
t
h
e
s
i
s
. T
h
e
s
ep
a
r
a
m
e
t
e
r
sh
a
v
eb
e
e
n
measurede
v
e
r
y6monthsp
o
s
t
o
p
e
r
a
t
i
v
e
l
yandcomparedi
ne
a
c
ho
fd
i
f
f
e
r
e
n
tv
a
l
v
es
i
z
e
.
[
R
e
s
u
l
t
s
JA1
i
n
e
a
rp
o
s
i
t
i
v
er
e
1
a
t
i
o
n
s
h
i
p was o
b
s
e
r
v
e
db
e
t
w
e
e
nc
a
r
d
i
a
co
u
t
p
u
t (CO) and
LV-AoPG i
r
r
e
s
p
e
c
t
i
v
eo
fp
r
o
s
t
h
e
t
i
cv
a
1
v
es
i
z
e,and t
h
es
l
o
p
eo
ft
h
e
i
rc
o
r
r
e
1
a
t
i
o
n1
i
n
e was
s
t
e
e
p
e
ri
nt
h
eg
r
o
u
pw
i
t
hs
m
a
l
l
e
rs
i
z
ev
a
1
v
et
h
a
ni
nt
h
eg
r
o
u
pw
i
t
hl
a
r
g
e
rs
i
z
ev
a
1
v
ea
tb
o
t
h
5and1
0y
e
a
r
sa
f
t
e
ro
p
e
r
a
t
i
o
n
.I
na
d
d
i
t
i
o
n,t
h
es
l
o
p
ebecame s
t
e
e
p
e
r1
0y
e
a
r
st
h
a
n 5y
e
a
r
s
a
f
t
e
ro
p
e
r
a
t
i
o
ni
nb
o
t
hg
r
o
u
p
sr
e
p
l
a
c
e
dby 1
9m mand2
1 m mp
r
o
s
t
h
e
t
i
cv
a
l
v
e
s
. Thus,i
n1
9
m mv
a
l
v
eg
r
o
u
p,LV-AoPGr
e
a
c
h
e
dt
o5
0mmHg1
0y
e
a
r
sa
f
t
e
ro
p
e
r
a
t
i
o
n,t
h
a
twasac
r
i
t
i
c
a
l
g
r
a
d
i
e
n
to
fAS,whenc
a
r
d
i
a
co
u
t
p
u
t (CO) wasr
e
a
c
h
e
dt
o3.7L/mini
ndobutamine s
t
e
r
s
s
e
d
e
c
h
o
c
a
r
d
i
o
g
r
a
p
h
y
. The p
a
t
i
e
n
t
sw
e
r
ec
l
a
s
s
i
f
i
e
da
c
c
o
r
d
i
n
gt
ot
h
e EOAI i
n
t
o two g
r
o
u
p
s
.10cm2/ m2) andl
a
r
g
e
o
r
i
f
i
c
egroup(
1
.10cm2/ m2
s
m
a
l
l
o
r
i
f
i
c
eg
r
o
u
pC
O
.
8
8
c
m2/ m2孟EOAI<1
2
2
孟EOAI<
1.44cm/ m). R
e
d
u
c
t
i
o
nr
a
t
e
so
f LVM was s
i
m
i
l
a
ri
nt
h
e
s
e two g
r
o
u
p
s,and no
s
t
a
t
i
t
s
t
i
c
a
ld
i
f
f
e
r
e
n
c
e
si
nt
h
ec
o
r
r
e
l
a
t
i
o
nw
e
r
ef
o
u
n
db
e
t
w
e
e
nt
h
e
s
eg
r
o
u
p
s1
0y
e
a
r
sa
f
t
e
r
.
o
p
e
r
a
tlOn
e
a
c
h
e
dt
oac
r
i
t
i
c
a
lg
r
a
d
i
e
n
to
fa
o
r
t
i
c
[
C
o
n
c
l
u
s
i
o
n
s
JI
n1
9m mp
r
o
s
t
h
e
t
i
cv
a
l
v
e,LV-AoPGr
s
t
e
n
o
s
i
s1
0y
e
a
r
sa
f
t
e
ro
p
e
r
a
t
i
o
n
.T
h
e
r
e
f
o
r
e,t
h
ei
n
d
i
c
a
t
i
o
nf
o
ri
m
p
l
a
n
t
i
n
g1
9m mSJMv
a
l
v
e
s
h
o
u
l
db
ec
a
u
t
i
o
u
s
l
yd
e
c
i
d
e
dc
o
n
s
i
d
e
r
i
n
go
fp
a
t
i
e
n
t
'
sa
g
eanda
c
t
i
v
i
t
y
.
(
3
8
)