当社で実施した女性ホルモンの統計結果について ~特に更年期を中心

当社で実施した女性ホルモンの統計結果について
~特に更年期を中心にして~
◎上甲 真弓、藤田 宜子、梅田 健太、富永
株式会社 兵庫県臨床検査研究所
博夫
【はじめに】
女性の更年期とは生殖期と非生殖期の間の移行期で 45~
以降から上昇傾向が現れ、バラツキも大きく個人差が確認で
きた。20~30 歳代では女性ホルモンの成熟がピークであり、
55 歳頃を指し、卵巣機能が低下して消失する時期に相当す
排卵後の卵胞に対する黄体化を促す作用が活発であると示
るとされている。
唆される。E2 の分泌では 20 歳代をピークとして、40 歳以
【目的】
降 か ら 閉 経 期 に 掛 け て 低 下 傾 向 。 40 歳 代 の 約 5% に
女性の更年期に現れるホルモン分泌の変化に着目し、自施設
300pg/mL 以上の値が見られ、50 歳代以降では閉経期の値
における FSH・LH・E2 のデータを無作為抽出し、年齢群別
10pg/mL 前後の値が集積し、50 歳代後半では高値を示す症
に統計処理を行った。その値と他者が報告した内容について
例は見られなかった。
比較を行ったので報告する。
【結語】
【対象】
女性ホルモンは月経周期によって測定値が大きく変動し基
H24~H25 年間に依頼された女性検体。
準値の値も月経周期により異なる。採血の時期を無視してデ
FSH:3063 件、LH:2222 件、E2:2635 件。
ータ分析するには限界があるが、この度の統計処理において、
【測定方法】
母集団が不明な無作為検査データであっても、他者が報告し
FSH、LH、E2…全て化学発光免疫測定法(CLIA 法)
た更年期における女性ホルモン変化とほぼ一致した結果が
統計処理…正規分布型検定、反復切断法(臼井法)
確認できた。
non-parametric 手法
多くの無作為データを集積、統計的な解析処理を行うことで、
【結果】
臨床的に信頼性を有する情報として資料提供ができると確
反復切断後の年齢別データ分布図より、FSH・LH は 40 歳
認できた。