4 章 はりの応力 (p.59)

==ザイリキプリント(十回目)==
4章
10-1
はりの応力 (p.59)
M0
M0
はり
[ちぢむ]=押す力が発生する。
曲げモーメントの作用
[のびる]=引張る力が発生する。
図A(第3章で学んだ曲げモーメントとその力学解析)
§4.1 曲げ応力(p.59)
 はりの中に力が発生する。
 曲げ応力が発生する。
 はりの内部で応力が分布する。
曲げモーメント
「曲げ」を力学解析しよう!
せん断力
そのために必要な仮定を記す。
 仮定(3):フックの法則に従う。
断面二次モーメント、
 仮定(2):応力は単軸応力になる。
断面係数、曲げ剛性
(p.26,§2.1 をみよ)
 仮定(1):変形前に平面だった横断面は、変形後も平面を保つ。
はりが変形すると O 点を中心にした円弧状になる。
O
中立軸、中立面、
垂直ひずみ  .
A'B'C'D'は変形後の形。
M , N:変形前に中立軸があったところ
M 'N' : 変形後の中立軸
中立軸では伸び縮みなし
垂直ひずみ
伸縮量
( r  y )d  r0d 
y
=
 0

もとの長さ
r0 d
r0
d
r0
A'
y
B'
M'
p.60.図 4.1(c)
ハリを横か
らみた。
N'
中立面、中立軸
M
解析手順
(4.1), (4.2)
r 0 が長い =曲がりにくい
r 0 が短い =曲がりやすい
N
C'
y
r0
曲げ応力: = E = E
D'
上図の A'B', C'D'は円弧になっていませんが、実際の変形では r0 がとっても長く A'B', C'D'を円弧とみなせます。
軸方向の
合力=ゼロ.
y
MN より上:[ちぢむ]
A
→
E
× 重心 N
yG M
圧縮力をうける
MN より下:[のびる]
→
C
G
xG
図 4.1(d) 断面をみた。
軸方向の合力=ゼロ. ・・・  dA  0   E
断面
引張力をうける
圧縮力
x
断面
y
dA
r0
偶力と図Aの M0 が同じだから・・・ M 0   y dA 
断面
つまり、 ydA =0
E
E
2
 y dA  I
r0 断面
r0
1
 曲率(r 0)と曲げモーメント(M0)の関係: 1  M 0 (4.10)・・・
r0
r0
EI
[軸方向の合力]
= ゼロ
と 引張力・・この組合せは偶力!
この偶力は図Aの M0 のことです。
S=  ydA ・・S は断面一次モーメント
単位:[m3]
(4.5)
I=  y dA ・・I は断面二次モーメント(4.9)
単位:[m4]
※半径 r 0 を曲率、O 点を曲率中心と呼ぶ。
2
(4.7),(4.8)
・・よくしなっている
・・あまりしなってい
ない
・・しなりにくい
EI ・・しなり易い
(1/r 0)と(EI)は反比
例している。(p.78,§5.1, (5.5)式で登場する。)
 曲げ応力()と曲げモーメント(M0) の関係:  
M 0 (4.11)・・・
y
I
・・曲げ応力が減少あまり伸縮しない
I ・・曲げ応力が増加
よく伸縮する
場する。)
 曲げ剛性(EI)・・・曲がり易さ、曲がりにくさを示す。単位:[Nm2]。
 e1、e2(中立軸-表面距離)、Z 1, Z 2(断面係数):Z 1=( I/ e1) Z 2=( I/ e2) (4.14)
(p.71,§4.3, 1 の導出で登
≪ p.63 表 4.1 にいろんな I(アイ)がある。≫
・・・断面係数の逆数が最大応力と最小応力を与える。
※ S=  ydA について
dA が断面全部の積分でないときは S0 である ⇒ p.71, §4.3 応力の分布では S0 の場合が登場する。断面全部で積分すると S=0。
h
▽Today's WORK : ① (4.10)式の右横の四角内の意味を、図を書いて説明しなさい。② (4.22)式において、なぜ、  y ' dA = 0
とな
0
るのか理由を示せ。③底辺の長さが b, 高さが h の三角形の断面をしたハリがある。底辺を軸とした断面二次モーメント Ix を求めよ。
底辺から三角形の図心(重心と思ってください)G までの高さを(h/3)として、定理Ⅰが成立することを示せ。
§4.2
==ザイリキプリント(十回目)==
断面二次モーメント及び断面係数(p.64)
10-2
【定理Ⅰ】
―平行軸の定理―
Ix = IX+yg2 A (4.15)
Ix (断面二次モーメント), IX (断面二次モーメント), yg (重心までの高さ) ・・・図B参照。
【定理Ⅱ】 ―直交軸の定理―
( 省
略 )
【定理Ⅲ】 ―名前なしの定理―(よく使う)
Itotal = I1+ I2 + I3 + I4 + ・・・・ (4.16)
ただし、I1, I2 , I3 , I4・・・・とも同じ軸の周りに回転させたモーメント。
IX
y
● 重心
yg
の
はり面
断
I
x x
まわす
※注意!! 断面一次モーメント、断面二次モーメント、ともに「軸の周りのモーメント」であ
る。一年生で登場した「(点の周りの)力のモーメント」、「(軸の周りの)慣性モーメント」
Ixは 軸周りのモーメント
を思い出せい!
IXは点線軸周りのモーメント
▽
図B
平行軸の定理と Ix , IX 。
断面が長方形のハリで定理Ⅰをたしかめてみる。
【Situation】Ix は x 軸周りの断面二次モーメントで、IX は X–X 軸周りの断面二次モーメントで、yg が重心までの高さである。
y と y'は変数、yg は定数 ←ここに気をつけろ!
x
y を変数にして X–X 軸周りのモーメントを求める。
:断面にわたって積分する = –(h/2)<y<(h/2)で積分する。
dA=bdy
斜線部分の断面
二次モーメント = y2×dA .
y を変数にして x 軸周りのモーメントを求める。
断面にわたって積分する / c<y<c+h で積分する。(c は任意定数)
y
斜線部分の断面
dA=bdy
二次モーメント = y2×dA .
h
dy
G
X
c=0 とする。
0 < y <h の積分だから、
–(h/2)<y<(h/2)の積分だから、
y
h
X
IX 
( h / 2)
y'
2
 y dA
h
( h / 2 )
y
(dA=b×dy )
∴IX=(bh3 / 12)
b
I x   y 2 dA
G
0
∴IX=(bh3 / 3)
yg
p.65 図 4.3(b)
b
h
h
h
h
h
0
0
0
0
0
y = y' + yg だから、 I x   y 2 dA =  ( y ' yg )2 dA =  y ' 2 dA +2yg×  y ' dA + yg2  dA
h
h
h
0
0
0
x
p.65 図 4.3(b), X–X 軸を消して
見え易くした。
(4.22)
2
 y ' dA  I X 、  dA  A 、  y ' dA = 0 となることに気をつければ、「Ix = IX+yg2 A」が導ける。
「重心を通る軸周りの断面二次モーメント」の方が Ix よりも求め易いことが、平行軸の定理の特徴です。
――――――――――――――――――――――< きりとりせん >――――――――――――――――――――――――――
ここにパンチで穴をあける
《ザイリキプリント版》
○
月
日
番号(二桁):
氏名