超小型モビリティ市場に関する調査結果 2014

2014 年 3 月 26 日
超小型モビリティ市場に関する調査結果 2014
-新たな移動手段としての超小型モビリティの普及を予測-
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内超小型モビリティ市場の調査を実施した。
1.調査期間:2013 年 8 月~2014 年 2 月
2.調査対象:超小型モビリティ関連事業を展開する企業、および関連団体・官公庁・自治体等
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査併用
<超小型モビリティとは>
本調査における超小型モビリティとは、国土交通省が「自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、
地域の手軽な移動の足となる1~2人乗り程度の車両」と定義したカテゴリーのなかで、車道の走行が可能で二輪
車に比べ安定感があり、取り回しのし易い車両である「電動ミニカー(1人乗り電動自動四輪車)」と「電動トライク
(1~2人乗りの電動自動三輪車)」、また今後の法整備により車両規格の創設が予定されている「2人乗り小型EV
(2人乗り電動自動四輪車)」を対象とする。
【調査結果サマリー】
◆ 2013 年の超小型モビリティ国内販売台数は 4,000 台
2013 年の超小型モビリティ国内販売台数は 4,000 台であり、そのほとんどが電動ミニカーである。現
在、法人ならびに地方自治体・団体を中心に超小型モビリティ車両が保有されており、個人が保有している
ケースは少ない。今後も 2 人乗り小型 EV の規格が創設されるまでは個人ユーザー市場は拡大せず、国内
販売台数は 2013 年と同程度の規模で推移するものと予測する。
‹ 新たな移動手段としての期待、自動車産業における新市場を創出する可能性も
超小型モビリティの普及は、低炭素社会の実現や、人口減少や高齢化といった環境変化に直面している
地域社会における新たな移動手段となる可能性とともに、自動車産業に新たな市場を創出するものとしても
期待されている。自動車メーカーや関連企業をはじめ、これまで自動車産業との関連がない異業種からの新
規参入も相次いでいる。
‹ 今後の超小型モビリティの普及は「2 人乗り小型 EV」の車両規格が鍵
今後の超小型モビリティの普及には 2 人乗り小型 EV(電気自動車)の規格動向が鍵を握るものと考える。
2013 年~2015 年までは国土交通省の超小型モビリティ導入促進支援事業による取り組みが継続し、2016
年に 2 人乗り小型 EV の車両規格が創設されることを前提として、同規格が「電動ミニカー・電動トライク寄り
の規格で創設された場合」と「軽自動車寄りの規格で創設された場合」という 2 つの普及シナリオによる市場
予測を行った。
◆ 資料体裁
資料名:「超小型モビリティ市場の現状と将来展望」
発刊日:2014 年 2 月 20 日
体 裁:A4 判 169 頁
定 価:150,000 円(税別)
‹ 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝
設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/)
㈱矢野経済研究所 営業本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected]
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2014 年 3 月 26 日
【 調査結果の概要 】
1. 市場背景
国土交通省は我が国の自動車利用実態に見合った車両規格として 1~2 人乗りの超小型モビリティ普及
に向けた取り組みを進めている。
この背景には同省が超小型モビリティを「短距離移動に適し、かつ、取り回しがしやすい等の特徴を有し、
公共交通の補完、高齢者や子育て世代の移動支援等の役割が期待される小型車両」と位置づけ、既存の
都市交通に組み込むことを前提にその実用性や導入可能性について検討を進めてきたことがある。
超小型モビリティの普及は低炭素社会の実現や、人口減少や高齢化といった環境変化に直面している地
域社会における新たな移動手段となる可能性が期待されている。
2. 市場概況
国土交通省は 2013 年 1 月より超小型モビリティの普及や関連制度の検討に向け、超小型モビリティの先
導・試行導入に対する補助制度(同制度の対象は 2 人乗り小型 EV、および電動ミニカー)を創設した。なお
2 人乗り小型 EV(電気自動車)については車両規格が未設定であるため、現在は超小型モビリティ認定制度
で認定を受けた車両のみが公道を走行することができる。これには地方自治体、または地方公共団体が設
置する協議会による車両の申請が必要であるため、結果的には国土交通省の超小型モビリティ導入促進支
援事業と一体化した取り組みとなっているのが現状である。多くの地方自治体・団体では観光地でのレンタ
カーや街中でのカーシェアリング、公用車としての利活用を進めている。また民間事業者でも電動ミニカーを
活用した配送事業を展開するなどしている。
本調査における超小型モビリティとは、2 人乗り小型 EV、電動ミニカー、電動トライクを対象とし、2013 年の
超小型モビリティ国内販売台数は 4,000 台と推計した。現在は 2 人乗り小型 EV については市販されておら
ず、また電動トライクについても利用が限定されていることから、そのほとんどが電動ミニカーである。
現在、法人ならびに地方自治体・団体を中心に超小型モビリティ車両が保有されており、個人が保有して
いるケースは少ない。今後も 2 人乗り小型 EV の規格が創設されるまでは個人ユーザー市場は拡大せず、国
内販売台数は 2013 年と同程度の規模で推移するものと予測する。
3. 将来予測
超小型モビリティは新たな移動手段のみならず、自動車産業に新たな市場を創出するものとしても期待さ
れており、自動車メーカーや関連企業をはじめ、これまで自動車産業との関連がない異業種からの新規参
入も相次いでいる。
こうしたなか、超小型モビリティの今後の普及には 2 人乗り小型 EV の規格動向が鍵を握るものと考える。
2013 年~2015 年までは前出の超小型モビリティ導入促進支援事業による取り組みが継続し、2016 年に 2
人乗り小型 EV の車両規格が創設されることを前提として、2 つの普及シナリオによる市場予測を行った。
3-1. 2 人乗り小型 EV が電動ミニカー・電動トライク寄りの規格で創設された場合(図 1 参照)
第一の普及シナリオは 2 人乗り小型 EV が電動ミニカー・電動トライク寄りの規格で創設された場合である。
超小型モビリティ市場規模は国内販売台数ベースで 2016 年には 57,000 台、2025 年には 190,000 台になる
と予測する。
主に自動車メーカーが市場を牽引し、自動車メーカーの展開する量産車両をベースにした 2 人乗り小型
EV を中心に普及が進むものと考える。
3-2. 2 人乗り小型 EV が軽自動車寄りの規格で創設された場合(図 2 参照)
第二の普及シナリオは 2 人乗り小型 EV が軽自動車寄りの規格で創設された場合である。超小型モビリテ
ィ市場規模は国内販売台数ベースで 2016 年には 28,000 台、2025 年には 72,000 台になると予測する。
自動車メーカー以外の異業種からの参入企業等により市場が牽引されることを想定し、2 人乗り小型 EV、
電動ミニカー、電動トライクの各車種もそれぞれの特性が利活用され、普及が進むものと考える。
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2014 年 3 月 26 日
図 1. 超小型モビリティの普及予測~シナリオ 1
(2 人乗り小型 EV が電動ミニカー、電動トライク寄りの規格で創設された場合)
(台)
200,000
190,000
160,000
120,000
92,000
80,000
57,000
40,000
4,000
4,000
4,000
2013年
2014年
(予測)
2015年
(予測)
0
2016年
(予測)
2020年
(予測)
2025年
(予測)
矢野経済研究所推計
注 1. 国内販売台数ベース
注 2. 超小型モビリティとは、「電動ミニカー」、「電動トライク」、「2 人乗り小型 EV」を対象とし、2016 年に 2 人乗り小型 EV
の車両規格が創設され、且つ同規格が電動ミニカー、電動トライク寄りの規格で創設された場合を前提とする。
注 3. 2014 年以降は予測値
図 2. 超小型モビリティの普及予測~シナリオ 2
(2 人乗り小型 EV が軽自動車寄りの規格で創設された場合)
(台)
200,000
160,000
120,000
72,000
80,000
43,000
40,000
28,000
4,000
4,000
4,000
2013年
2014年
(予測)
2015年
(予測)
0
2016年
(予測)
2020年
(予測)
2025年
(予測)
矢野経済研究所推計
注 4. 国内販売台数ベース
注 5. 超小型モビリティとは、「電動ミニカー」、「電動トライク」、「2 人乗り小型 EV」を対象とし、2016 年に 2 人乗り小型 EV
の車両規格が創設され、且つ同規格が軽自動車寄りの規格で創設された場合を前提とする。
注 6. 2014 年以降は予測値
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