次世代エコカー、自動車産業は 100年振りの大変革で一変! ― 戦略

次世代エコカー、自動車産業は 100年振りの大変革で一変!
― 戦略産業、日本経済を元気に、アベノミクス第5の矢(?)になるか ―
パワートレーンミックス競争時代へ 政府はエコカー補助金を継続へ
自動車産業はこれから100年振りの大変革で一変しようとしている。究極の次世代「エコカー」の覇権争いが激しく、パワートレーン
の進化がめざましいからだ。HV(ハイブリッド車)・FHV(プラグインハイブリッド車)からEV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)への移
行だ。ディーゼル車も含めたパワートレーンミックス競争時代に突入した。
2013年の自動車全体に占めるHVの販売台数は17%を超え、車名別販売台数ベスト10に3台が入るほど一般的になってきた。
次世代リチュウムイオン電池、次世代ニッケル水素電池など次世代部品の開発が加速している
さらに、トヨタは雪国のユーザーに好評のHVフルタイム4WDシステムを中・小型車向けに、次世代電動四駆ユニットとして開発し
ている。また、トヨタは年内にFCVを市販する。
「経済産業省は、EVやPHV向けの車両購入補助を2016年度以降も続け、販売を後押しする方針だ。来年度からはFCVが加わる
見通し。
今年上半期のEV販売は前年同期とほぼ同じ約7600台。PHVは同1割増の約7400台(ともに輸入車を除く)。当初の期待に比べ車
種数、販売台数とも増加のペースは鈍く、補助を打ち切れば『20年に乗用車販売の最大2割(60万台)』などの政府目標達成に黄信
号が灯りかねない。このため、当初方針を転換し、16年以降も補助金を継続することにした(日刊自動車新聞)」と、次世代エコカー
時代に向けて追い風だ。
課題は低価格化、航続距離、インフラ整備など。
「ユニバーサルデザイン」でもイノベーションを競え
次世代エコカー普及の課題は、クルマの低価格化とEVの航続距離の改良、水素ステーションなどのインフラの整備促進だ。そし
て、環境と安全に対する社会の意識改革が何より不可欠だ。しかし、これらの投資による社会変革(イノベーション)はメーカー1社で
は立ち行かない。グローバルなメーカー合従連衛、提携により、部品の共有化などで開発コストの低減化が求められる。
経済成長の推進力であるアベノミクスで第4の矢を、20年の東京オリンピック開催(政策と事業)に位置付けるなら(本稿2013年
10+11月号)、第5の矢は、次世代エコカーの推進、エネルギー問題かも知れない。ぜひ、実行に存在感を示して欲しい。
最後に、自動車産業へは、環境、エネルギー対策の他に、少子高齢社会に対応して、女性、高齢者、それに傷害をもつ人々に対
し、『人に優しいユニバーサルデザイン』の分野でもイノベーション(変革)を起こして、リーディングインダストリー(戦略産業)としてあ
り続けてほしいと願う。
トヨタ自動車の豊田章男社長は以前、「厳しい時だからこそ自動車産業が日本を元気にするという思いで取り組む、次世代に自動
車産業の夢と希望を与えることが重要だと考えている」と決意を語っている。
本誌編集長 佐藤 公(たかし)