Application Note [A00154J] 1/1 オイル中の無機成分分析 (アプリケーション開発中) 目的 ハンディ元素分析器 MH-5000 を用いて、オイル中の無機元素を迅速・簡便に分析する方法を確立 するために、酸抽出を試みました。酸抽出の適切な条件を調べるため、酸濃度、酸・ヘキサンの混 合比を変動させて、回収率を比較しました。 実験 試料: オイル分析用標準試薬(CONOSTAN シリーズ)の単元素タイプを、ブランクオイルで希 釈して適当な金属濃度にしたもの(目的元素:Pb, Hg, Zn, Fe) エンジンオイル(目的元素:Fe) 試薬: 塩酸(原子吸光用、36%) 、ヘキサン(特級、>96%) 手順: 1) 15 mL 遠沈管にオイルとヘキサンを入れて手で撹拌します。 2) 酸を加え、往復振とう機で 1 時間振り混ぜます。 (室温、180 min-1) 3) オイルと水を分離するため、1 分間、遠心分離します。 (室温、3000 min-1) 4) 上層のオイルを捨て、適当量の水相を別容器に移します。 5) 液中の有機物を分離するため、イミノ二酢酸キレート樹脂に通します。 (エンジンオイルのみ) 6) ハンディ元素分析器 MH-5000 にて測定します。 目的元素の金属標準液を測定し、発光強度を比較して回収率を計算します。 結果 回収率がほぼ 100%だった条件の例 使用した塩酸 オイル:ヘキサン:酸 の酸濃度 の重量比 試料 元素 備考 CONOSTAN Hg 1000 ppm Hg 6 mol/L 1:2:4 回収率が塩酸濃度に大きく依存した。 CONOSTAN Pb 5000 ppm Pb 1 mol/L 1:1:4 酸混合比 2~6 の間で回収率高い。 CONOSTAN Zn 5000 ppm Zn 1 mol/L 1:0:2 ヘキサン混合比 0~4 の間で回収率高い。 CONOSTAN Fe 5000 ppm Fe 6 mol/L 1:0:2 ヘキサン混合比 0~4 の間で回収率高い。 エンジンオイル Fe 6 mol/L 1:1:2 CONOSTAN Fe と類似の結果だが、ヘキサン が少ないと、回収率が下がった。 株式会社マイクロエミッション 〒923-1211 石川県能美市旭台 2-13 いしかわクリエイトラボ TEL 0761-51-1420 Mail [email protected] http://www.microem.co.jp/ LEP: Liquid Electrode Plasma(液体電極プラズマ)
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