埼玉工業大学 テーマ J05: 機械工学学習支援セミナー(小西克享) 動圧と静圧-1/3 動圧と静圧 ベルヌーイの定理は,流れにおけるエネルギー保存を表すものですが,液体(非粘性・ 定常流)の場合には, 1 2 w p gy const 2 と表されます. 参考:ベルヌーイの定理の導出過程は,研究室ホームページ内の「学習支援」にある J01.ベルヌーイの定理 http://www.sit.ac.jp/user/konishi/JPN/L_Support/SupportPDF/Bernoulli_theorem.pdf を参照してください. 淀み点 w=0 w 上の図に示すように,一様流(流速 w)が流れている流路中に,淀み点(流れを遮り w 0 となる場所)を置いた場合,ベルヌーイの定理から 1 2 w p1 gy p2 gy 2 1 p2 p1 w 2 2 1 となり,一様流内の圧力 p1 に比べて,淀み点の圧力 p2 は w2 だけ増加することがわかり 2 1 ます.このように, w2 は流れがせき止められた場合に圧力に変換される分であることか 2 1 ら,動圧と呼ばれます.一方,p1 や p2 は静圧と呼んで区別しています.動圧 w2 と静圧 2 p の合計を全圧といいます.ベルヌーイの定理は全圧が保存されるという意味を持ってい ます. 管内一様流の圧力をマノメータで計測することを考えます.図で,マノメータ A の圧力 検出孔 a は流れに垂直なため,流れの流入はありません.このため,マノメータ A は静圧 p のみを測定することになります.一方,マノメータ B の圧力検出孔 b では流れがせき止 1 められるために動圧分が静圧分に変換されます.このため,マノメータ B は動圧 w2 と 2 1 静圧 p の合計である全圧 w2 p を検出することになります.A と B のマノメータには水 2 埼玉工業大学 機械工学学習支援セミナー(小西克享) 動圧と静圧-2/3 柱差Δh が生じ, h 1 2 1 w p p w2 2 2 1 となることから,この水柱差は動圧 w2 に一致することがわかります. 2 A B Δh w a b ベルヌーイの定理から,流れがあるとその場の静圧は流れのない場所の静圧より小さく なることがわかります.また,流速が大きければ大きいほど静圧が小さくなります.この ことから,断面積の異なる異径管では,静圧差は図のようになります. Δh 静圧差は,次式で表されます. 1 2 1 v1 p1 v2 2 p2 2 2 1 1 2 1 2 2 2 h p1 p2 v2 v1 v2 v1 2 2 2 気体(非粘性・定常流)の場合,ベルヌーイの定理は 1 1 2 w p const 2 埼玉工業大学 となります.この場合,動圧は 機械工学学習支援セミナー(小西克享) 動圧と静圧-3/3 1 1 2 w に相当し,静圧は p となります. 2 http://www.sit.ac.jp/user/konishi/JPN/Tech_inform/Pdf/DynamicStaticPressure.pdf Copyright ⓒ 2014 小西克享, All Rights Reserved. 個人的な学習の目的以外での使用,転載,配布等はできません. お願い: 本資料は,埼玉工業大学在学生の学習を支援することを目的として公開しています.本資 料の内容に関する本学在学生以外からのご質問・ご要望にはお応えできません.
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