ポイント11 『三角形の合同条件』 ア) 3辺の長さが等しい

ポイント11 『三角形の合同条件』
ア) 3辺の長さが等しい。
イ) 2辺と挟む角が等しい。
ウ) 1辺と両端の角が等しい。
ア), イ), ウ) のどれかが成り立てばよい。
※入試では、イ),ウ)の場合がほとんど全てです。
また、直角三角形では
a) 斜辺と1つの鋭角が等しい。
b) 斜辺と他の1辺が等しい。
a) または b) が成り立てばよい。
※ 答案で直角三角形の合同条件を用いる場合は、その三角形が
直角三角形であることを示す必要があります。
基礎編 練習34
長方形の紙ABCDを図のようにEFで折り返したとき、
点C, 点Dはそれぞれ点C', D' に移動しました。
このとき、AFとC'Eの交点をGとし、点GからEF, FC'に
それぞれ垂線GH, GIを引きました。
EG=GC'=AG であり、EG=6, EH=3, ∠EFC'=90°のとき、
以下の問いに答えなさい。
(1) △EHGと△GIC' が合同であることを証明しなさい。
(2) ABの長さはいくつですか。
(3) 長方形ABCDの面積はいくつですか。
基礎編 練習34
解き方) 県入試によく登場する、折り返し図形の応用問題です。ポイントは、『折り返し図形で
あることの特徴(平行線の性質など)を使う』 『相似な図形、合同な図形に着目する』です。
なお、県入試では、辺の比が1: 2 である長方形を1回折った後に、さらにもう1回折るという
パターンが続いています。
(1) △ EHGと △ GIC′ において
∠EHG = ∠GIC = 90° ・・・①
∠EFC′ = ∠GIC′ より EF//GI となるから、
∠GEH = ∠C′GI ・・・② 平行線の同位角は等しい
条件より GE = C′G ・・・③
①, ②, ③ より 直角三角形の斜辺と1つの鋭角がそれぞれ
等しくなるから、 △ EHG ≡△ GIC′ である。
※①がないと、直角三角形の合同条件を満たさないので注意。
(2) GE:EH = 2:1 より、 △ GEHは鋭角が30°, 60°の直角三角形
になり、GH = 3 3 になる。
△ EC F ∽△ EGH より、C F = 2 × GH = 6 3
∠EGH = ∠GC I であり、C E//D F であるから、
(※ 元々、長方形の向かい合う辺同士なので平行になります。)
∠GC I = ∠C FD = 30° となる。
したがって、 △ C FD も鋭角が30°, 60°の直角三角形になり、
1
1
C D = ×C F= ×6 3=3 3
2
2
C D = CD = BA であるから、AB = 3 3 ・・・(答
(3) GH//C F であり、GはEC′の中点であるから、HはEFの中点になる。
(※中点連結定理より)
よって、GHは∠EGFの二等分線となり、∠EGF = 60°であるから、
△ GEFは正三角形となり、GF = 6 である。
AD = AG + GF + FD であり、AG = GC = 6, GF = 6, FD = FD = 6 3 ×
AD = 6 + 6 + 9 = 21
以上より、長方形ABCDの面積 = AB × AD = 3 3 × 21 = 63 3
・・・(答
3
= 9 より
2
※この問題を通して学べることは・・・
□ (直角)三角形の合同条件
□ 三角形の相似
□ 二等辺三角形の頂角の二等分線
□ 平行線の性質
□ 特別な形の直角三角形
□ 中点連結定理
今回は登場しませんが、三平方の定理が絡んでくる場合も多いです。
1つの問題で、少なくともこれだけ多くの内容を含むので、毎年のように出題されるのも
何となく理解できる気がします。