数学および物理学演習 第7週 解答例 (2014.6.20) 問1 (1) 67.89 mm = 67.89103 m = 0.06789 m, 951 m = 951106 mm = 0.000951 m より, 1.2345 0.06789 0.000951 1.303341 である。最も小数点以下の桁数が少ない数値は 1.2345 (小数点以下 4 桁)であるから, 答え もそれに合わせて四捨五入し, 1.303341 m = 1.3033 m である。 (2) 1.2345 1.212 0.0225 である。最も小数点以下の桁数が少ない数値は 1.212 (小数点以下 3 桁)であるから, 答えも それに合わせて四捨五入し, 0.0225 m = 0.023 m = 23 mm または 2.3 cm である。 (3) 32.1 cm2 = 32.1(102) m2 = 32.1104 m = 0.00321 m2 より, 1.234 0.00321 1.23721 である。最も小数点以下の桁数が少ない数値は 1.234 (小数点以下 3 桁)であるから, 答えも それに合わせて四捨五入し, 1.23721 m2 = 1.237 m2 である。 (4) 27.2 ºC = 27.2 + 273.15 K より, 27.2 273.15 300.35 である。最も小数点以下の桁数が少ない数値は 27.2 (小数点以下 1 桁)であるから, 答えも それに合わせて四捨五入し, 300.35 K = 300.4 K である。 (5) kgf (重量キログラム)は, 1 kg の質量が標準重力加速度(= 9.80665 m/s2)のもとで受ける重 力の大きさであるから, 1.200 kgf = 1.200 kg 9.80665 m/s2 = 11.76798 N である(N = kg m/s2)。 乗除算の場合, 計算結果の有効数字は最も有効数字の小さいものにほぼ等しくなるので, 1 1.200 と同じ 4 桁に合わせる。従って, 11.76798 N = 11.77 N である。 (6) 12.345 km = 12.345103 m = 12 345 m であるから, 12 345 m / 987 s = 12.5075・・・ m/s であ る。答えは有効数字が小さい 987 (3 桁)に合わせて, 12.5075・・・ m/s = 12.5 m/s である。 問2 ① 物体 P に働く力は, 右図の様に, 重力 Fg (鉛直上向きを正 N F′ として, Fg = –mg), 斜面から受ける垂直抗力 N と動摩擦力 F′である。Fg の斜面に垂直な成分 Fgの大きさは, 斜面の 傾きが Fg と Fgとがなす角に等しいので, Fg = –mgcos 物体 P Fg Fg// である。N = –Fgであるので, 垂直抗力の大きさは, Fg N = mg cos である。 ② 動摩擦力の大きさ F′ = ′N より, ①を用いて F′ = ′mg cos である。 ③ 物体 P に働く斜面に平行な方向の力 F// = ma は, 重力 Fg の斜面に平行な成分 Fg// = mg sinと, 動摩擦力–F′である(いずれも斜面下向きを正とする)。従って運動方程 式は, F// = Fg// – F′より②を用いて, ma = mg sin – ′mg cos = mg (sin – ′cos )である。 ④ ③より, a = g (sin – ′cos )である。 ⑤ l (t ) 1 1 2 at より, ④を用いて, l (t ) gt 2 sin cos である。 2 2 ⑥ l(tB) = L となる時刻 tB を求めれば良い。⑤より l (tB ) tB2 2L , tB gsin cos 1 2 gtB sin cos L であるから, 2 2L である。 gsin cos ⑦ vP = atB であるから, ④, ⑥を用いて, vP gsin cos 2L 2gLsin cos である。 gsin cos ⑧ 仕事 W は, 物体 P に働く動摩擦力 F′と, 物体 P の移動距離 L の積である。また F′の方 向は物体 P の進行方向と逆向きであるから, W の符号は負である。従って②を用いて, W = –′mgL cos である。 ⑨ 床面は滑らかな水平面であるので, 物体 P は, 点 B を通過後(斜面を滑り降りた後)は速 度 vP で等速直線運動をする。従って, 床面を運動している物体 P の衝突前の運動量は mvP である。他方, 物体 Q は衝突前には静止しているので, 運動量は 0 である。従って 衝突前の運動量の総和は mvP である。 2 ⑩ 衝突後の物体 P の運動量は mv′P, 物体 Q の運動量は Mv′Q であるから, 運動量の総和は mv′P + Mv′Q である ⑪ はね返り係数は, e vP vQ で与えられる。ここで vQ は物体 Q の衝突前の速度である vP vQ から, vQ = 0 である。従って, e vP vQ vQ vP である。 vP vP ⑫ 運動量保存の法則より, mvP = mv′P + Mv′Q (式 A)である。また⑪より evP = v′Q – v′P, v′Q = evP + v′P (式 B)であるから, これを式 A に代入すると, mvP = mv′P + M (evP + v′P)が得 られる。これを整理すると, mvP – eMvP = mv′P + Mv′P, (m – eM)vP = (m + M)v′P より, vP m eM vP である。 mM ⑬ ⑫で求めた v′P を⑫の式 B に代入すると, vQ evP m eM em M m eM vP vP mM mM 1 e m v である。 em m vP P mM mM ⑭ 物体 P が床面を左側(–x 方向)に移動するので, v′P < 0 となる e を求めれば良い。⑫より, m eM 0 であれば良い。m + M > 0 である mM v′P < 0 となるためには, vP > 0 であるから, から m – eM < 0, m < eM, 従って, m e である。 M 3 問 3 物体 P の入射方向を+x, 物体 P が散乱された方向を+y とする。物体 Q は, 下図の様 に第 4 象限の方向に散乱される。衝突前の物体 P の速度を vPx とすると, 運動量の x 成分は mvPx, y 成分は 0 である。また, 衝突前の物体 Q の運動量は 0 である。従って衝突前の運動 量の x 成分の総和はpx = mvPx, y 成分の総和はpy = 0 である。 y y v′Py 物体 P 物体 Q vPx 物体 Q x 物体 P x v′Qx v′Qy v′Q 衝突前 衝突後 運動量保存の法則より, 運動量の総和の x 成分と y 成分は衝突の前後で等しい。衝突後の 物体 P の速度の x 成分は 0, 物体 Q の速度の x 成分を v′Qx とすると, 衝突後の運動量の x 成 分の総和のp′x = 2mv′Qx である。従って, x 方向の運動量保存の法則px = p′x より, mvPx = 2mv′Qx, vQ x vPx (式 A)である。 2 衝突後の物体 P の速度の y 成分を v′Py, 物体 Q の速度の y 成分を v′Qy とすると, 衝突後の 運動量の y 成分の総和のp′y = mv′Py + 2mv′Qy である。従って, y 方向の運動量保存の法則 py = p′y より, 0 = mv′Py + 2mv′Qy, vQ y vP y 2 (式 B)である。 また弾性衝突であるので, 衝突の前後で力学的エネルギーも保存される。水平な床面上で の運動であるので, 位置エネルギーは変化しないため, 運動エネルギーが保存されること 1 2 1 1 mvPx mvP2y 2m vQ2x vQ2y , vP2x vP2y 2 vQ2x vQ2y である。これに式 A, 2 2 2 になる。従って, 2 vP2x vP2y vP2y vP2x 3 2 vP2x vP2x vPy 2 2 2 vP y , vPy vP y , vPx , B を代入して, v v 2 4 2 2 2 2 2 2 4 2 Px 2 Py 1 vP2x 3vP2y , vP2y vP2x である。物体 P の衝突前の運動エネルギーを K, 衝突後の運動エネル 3 ギーを K′とすると, K 1 2 1 1 K 1 mvPx , K mvP2y mvP2x であるから, である。つまり衝 2 2 6 K 3 突後の物体 P の運動エネルギーは, 衝突前の 1/3 に減少している。つまり, 残りの 2/3 の運 動エネルギーが, 物体 Q に与えられたことになる。 4
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