代数学特論 第1回レポート • 1、2 において、「写像 f 、g の合成 f ◦ g は一意に定まる」、「写像の合成は結合法則を満たす」ことは証明なしに用い てよい。また、3 において、 「行列の積は一意に定まる」、 「行列の積は結合法則を満たす」ことは証明なしに用いてよい。 1. 有理式 fj (j = 0, · · · , 5)を、 f0 (x) := x, f1 (x) = 1 − x, f2 (x) := x , x−1 f3 (x) := 1 , 1−x f4 (x) := x−1 , x f5 (x) := 1 x で定義する。 (1) ◦ を写像の合成とするとき、例えば、 (f0 ◦ f0 )(x) = f0 (f0 (x)) = f0 (x) = x = f0 (x) ∴ f0 ◦ f0 = f0 , (f0 ◦ f1 )(x) = f0 (f1 (x)) = f0 (1 − x) = 1 − x = f1 (x) ∴ f0 ◦ f1 = f1 , (f1 ◦ f1 )(x) = f1 (f1 (x)) = f1 (1 − x) = 1 − (1 − x) = x = f0 (x) ∴ f1 ◦ f1 = f0 , ( ) x 1 x (f1 ◦ f2 )(x) = f1 (f2 (x)) = f1 =1− = = f3 (x) ∴ f1 ◦ f2 = f3 , x−1 x−1 1−x 1−x x−1 (f2 ◦ f1 )(x) = f2 (f1 (x)) = f2 (1 − x) = = = f4 (x) ∴ f2 ◦ f1 = f4 , (1 − x) − 1 x ( ) 1 1 1 (f2 ◦ f3 )(x) = f2 (f3 (x)) = f2 = 11−x = = f5 (x) ∴ f2 ◦ f3 = f5 , 1−x x 1−x − 1 となる。同様に、fi ◦ fj (i, j = 0, · · · , 5)を求め、右の乗 積表を完成させよ。 f0 (2) G = {f0 , f1 , f2 , f3 , f4 , f5 } とする。(G, ◦) は群であるこ とを示せ。 f1 f2 f3 f0 f1 f0 f1 f2 f0 f4 f3 f4 f5 f3 f5 f4 f5 2. 複素数係数の有理式の集合 G を def. { G := f (z) = az + b cz + d a, b, c, d ∈ C, } ad − bc = 1 で定義し、◦ を写像の合成とすると、(G, ◦) は群になることを示せ。 3. 行列の集合 SL (2, Z)、GL (2, Z) を ] SL (2, Z) := a, b, c, d ∈ Z, c d { [ ] a b def. GL (2, Z) := a, b, c, d ∈ Z, c d { [ def. a b } ad − bc = 1 } ad − bc ̸= 0 で定義し、· を通常の行列の積とする。このとき、(1) (SL (2, Z), ·)、(2) (GL (2, Z), ·) は群になるか。群になるときは、 定義の条件を満たすことを示し、群にならないときはどの条件を満たさないかを反例を挙げて述べよ。 • 提出は A4 の市販のレポート用紙を使ってください。ルーズリーフは使用しないこと。 • 必ず全ての問題に解答してください。解答されていない問題がある場合は、添削はしますが評価はしません。 • あくまでも人に読ませるものであることを意識してください。解読できない乱雑なもの、文章が成立していないもの は提出したとみなしません。 • 丸写しと認められるレポートは提出したとみなしません。また、ファイルを丸ごとコピーするおそれがあるので、ワー プロ等での提出は認めませんので、ご了承ください。 • 3年生は 6 月 2 日 17:00 までに提出してください。4年生は実習が終わり次第提出してください。
© Copyright 2024 ExpyDoc