CD application data 新しい CD 分析情報 Date 260-CD-0020 2014/1/22 DRCD 法とマルチプローブ機能を利用したアラニンの とマルチプローブ機能を利用したアラニンの粉末 アラニンの粉末 CD 測定 はじめに 通常 CD 測定は溶液試料を対象としますが、難溶解性試料や溶液中で構造が変化する試 料の CD も測定したいというケースが増えてきています。このような試料は固体状態のま ま測定する必要があります。固体試料の測定には透過法による CD 測定が利用できますが、 試料の希釈が必要な場合には試料回収が困難であり、錠剤成型などの前処理も必要です。 これらの問題を解決する測定手法として拡散反射(DR)CD 法が挙げられます 1), 2)。ここでは 円二色性分散計 J-1500 に最適化した付属品 DRCD-575 (Fig.1) と、J-1500 のマルチプローブ 機能とを組み合わせた DRCD 法の測定例について報告します。 DRCD 法とは、積分球の拡散反射測定位置に粉体試料を設置し、その拡散反射光で CD を測定する手法で(Fig.2)、粉体試料の CD 測定に有効です。しかし、試料が固体であるた め試料の光学異方性に由来する LD 信号が CD 信号に悪影響を及ぼす可能性があります。 そのため、DRCD 法による測定では CD に加えて LD も確認しておく必要があります。J1500 ではクアッドデジタルロックインアンプを採用し、CD 信号のみならず LD 信号を同 時に検出するマルチプローブ機能を搭載していますので、CD スペクトル測定時にその確 からしさを確認できます。DRCD 法による測定の一例として、ここでは L-及び D-アラニン 粉末を測定試料としました。 <Key word> 粉末試料、アミノ酸、DRCD 法 試料 検出器 入射光 積分球 DRCD-575 Fig.1 DRCD-575 粉末 CD 測定ユニット Fig.2 DRCD 法測定時の概略(上面図) <DRCD-575 について> 試料を積分球の出口開口に置き、検出器を積分球の側面開口に密着させて置くことで DRCD 測定ができます。また、試料を積分球の入射開口に置き、出口開口に白板を置くこ とで拡散透過 CD 測定も可能です。拡散透過 CD 測定では、希釈が必要な場合が多いもの の、少量の試料で測定できる利点があります。 測定方法 乳鉢で十分に粉砕し、光学異方性の影響を最小限にした粉末のアラニンを DRCD 法により 測定しました。測定は J-1500 のマルチプローブ機能を活かし CD スペクトルと LD スペク トルを同時に測定しています。 本社・工場 192-8537 東京都八王子市石川町 2967-5 TEL 042(646)4111 代表 FAX 042(646)4120 東京 03(3294)0341/北海道 /北海道 011(741)5285/北日本 /北日本 022(748)1040/ /西東京 042(646)7001/筑波 /筑波 029(857)5721/ / 神奈川 045(989)1711/名古屋 /名古屋 052(452)2671/大阪 /大阪 06(6312)9173/広島 /広島 082(238)4011/九州 /九州 092(588)1931 <測定装置> J-1500, DRCD-575 <測定条件> 測定波長: CD/LD 感度: 走査速度: レスポンス: 積算回数: 300-200 nm 10000 mdeg/1.0 dOD 100 nm/min 1 sec 5回 測光モード: DRCD, DRLD データ間隔: 0.1 nm バンド幅: 2 nm 結果と考察 L-及び D-アラニンの DRCD,DRLD スペクトルを Fig.3 に示します。CD においては、L-/D体間で符号が反転したスペクトルが得られました。また、LD においては、LD 信号の強度 が±0.005 dOD 以下と極めて小さな値であることから試料の光学異方性の影響は無視でき るレベルと考えられます。これらの結果から、十分に粉砕した固体・粉体試料を、DRCD575 で測定できることが確認できました。J-1500 のマルチプローブ機能と DRCD-575 を組 合せることで、金属錯体や超分子などの固体・粉体試料の CD スペクトル測定の可能性が 広がるものと期待しています。 60 CD [mdeg] L-アラニン D-アラニン 0 -60 0.005 LD [dOD] 0.002 0 -0.002 -0.005 200 220 240 260 280 300 Wavelength [nm] Fig.3 L-/D-アラニンの測定スペクトル(積算後) <Reference> Ettore Castiglioni and Paolo Albertini, CHIRARITY, 2000, 12, 291-294. Huibin Qiu, Yoshihira Inoue and Shunai Che, Angew. Chem. Int. Ed. 2009, 48, 3069-3072. 1) 2) 本社・工場 192-8537 東京都八王子市石川町 2967-5 TEL 042(646)4111 代表 FAX 042(646)4120 東京 03(3294)0341/北海道 /北海道 011(741)5285/北日本 /北日本 022(748)1040/ /西東京 042(646)7001/筑波 /筑波 029(857)5721/ / 神奈川 045(989)1711/名古屋 /名古屋 052(452)2671/大阪 /大阪 06(6312)9173/広島 /広島 082(238)4011/九州 /九州 092(588)1931
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