電気磁気学 I 及び演習 平成 26 年度 実力試験Ⅲ 試験問題(6 月 23 日) 注 1:答だけでなく、計算過程を必ず記述すること。 注 2:クーロン定数 k 1/ 4 0 を用いてもよい。 注 3:問題1,2,3,4をそれぞれ別々の解答用紙に書くこと。また、解答用紙は裏面を用いても 良い。 問題1 図1に示すように、A 点(a,0)に電荷 q1、B 点(-a,0)に電荷 q2 がある。無限遠点の電位を 0 とし て、以下の小問に答えよ。(25 点) (1) A 点の電荷 q1 のみを考えるとき、一般に q1 が r 離れた点 につくる電位を求めよ。さらに、その点における電場 Er を、電位と電場の関係を使って求めよ。 (2) 二つの点電荷(A 点: q1 、B 点: q2 )があるとき、これら 二つの電荷が P 点(0,a)につくる全電位 V を求めよ。 (3) A 点に電荷 q1 、B 点に電荷 q2 がある状態で、電荷 q3 を y 軸上正方向の無限遠点から P 点まで運ぶのに必要な仕 事 W を求めよ。 (4) A 点、B 点、P 点にある3電荷 q1、q2、q3 の全ポテンシ ャルエネルギー U (3 粒子系ポテンシャルエネルギー)を 図 1 求めよ。 問題2 図 2 に示すように、中心に半径 a の丸い穴の開いた一様に帯電した半径 b の円板がある。円 板の面電荷密度をσとして、以下の小問に答えよ。(25 点) (1) 円板内に半径 r で微小な幅 dr のリングを考 える。このリング上の微小な領域(電荷 dq) が中心軸上の P 点(リング中心からの距離 x)につくる電位 dVP を求めよ。 (2) 半径 r で微小な幅 dr のリングの全電荷が P 点につくる電位 VP を求めよ。また、その結 果から円板の中心(x=0)における電位 VP (0) を求めよ。 (3) 半径 a~b の円板の全電苛が P 点につくる電 位 V を求めよ。 (4) (3)の結果を用いて、電位と電場の関係から P 点における電場の x 成分 Ex を求めよ。ま た、その結果から円板の中心(x=0)における 電場の大きさ Ex(0)を求めよ。 図 2 図3に示すように, y 軸に沿って長さ l の棒が,原点 (0, 0) から点 (0, l) までの間に置かれてい 問題3 る。この棒は線電荷密度 で一様に分布した電荷をもっている。無限遠点の電位を 0 として、次の小 問に答えよ。 (25 点) (1) 棒上の全電荷 Q を求めよ。 (2) 棒上の点 (0, y) にある長さ dy の電荷要素を dq とする とき,この dq が x 軸上の点 P (x, 0) につくる電位 dV を , dy, y, x などを用いて表せ。 (3) (2)の電位 dV を y について 0 から l まで積分して,棒の 全電荷がつくる電位 V を計算せよ。参考までに不定積 分の 2 つの公式を示しておく。 dx x c xdx 2 x c 2 2 2 ln x x 2 c 2 x2 c2 (4) 電位から電場を求める方法を用いて、点 P における電 場の x 成分、 E x を求めよ。 問題4 図 3 図 4 図4に示すように,内半径 a および外半径 b の厚 さのある導体球殻の中心に点電荷 Q を置いた。導体球殻 に正味の電荷はないものとする。無限遠点の電位を 0 と して、以下の小問に答えよ。(25 点) (1) 導体球殻の内面および外面に存在する電荷 Qin および Qout を求めよ。 (2) 領域 r b における電位を求めよ。 (3) 領域 a r b における電位を求めよ。 (4) 領域 0 r a における電位を求めよ。 電気磁気学 I 及び演習 問題 1 実力試験 III の略解(6 月 23 日) (25 点) q1 dV A q 。したがって電場は、E k 12 (6 点) r dr r q1 kq q2 kq 1 、 q2 が点 P につくる電位は k 2 。 (2) q1 が点 P につくる電位は k 2a 2a a2 a2 a2 a2 q q k q1 q 2 重ね合わせの原理より、 V k 1 k 2 (6 点) 2a 2a 2a k q1 q 2 q3 (6 点) (3) W q3V の関係から、 W 2a (4) U123 は、電荷 q1 , q2 , q3 の各電荷対( q1 - q2 , q2 - q3 , q3 - q1 )がつくるポテンシャルエネルギーの和 (1) q1 が r 離れた点につくる電位は、V A k に等しいので、 U 123 U 12 U 23 U 31 問題 2 kq1 q 2 kq 2 q3 kq3 q1 k q1 q 2 2 q1 q 2 q3 2a 2a 2a 2a (7 点) (25 点) dq dV P k (1) dq から P 点までの距離が r r 2 x 2 なので、電位は (2) リングの全電苛は 2rdr なので、リングがつくる電位は V P (5 点) r 2 x2 k r 2 x2 dq 2krdr r 2 x2 (4 点) 2krdr 2kdr r 中心での電位は x=0 より、 V P 0 (3) (3 点) 半径 a~b の円板が P につくる電位は b 2kr a r 2 x2 V b dr 2k r x a 2 1 2 2 rdr 2k x 2 r 2 1 2 b 2 2 2k x b a x 1 2 2 a2 1 2 (4 点) (4) P 点の電場は Ex dV d 2k x 2 b 2 dx dx x 1 2 2 a2 円板の中心での電場は x=0 より、 E x 0 0 1 2 1 2kx 2 2 x b (3 点) x2 a2 1 (4 点) 問題 3 (25 点) (1) (2) (3) Q b. (5 点) dV V dq 40 x y 2 dy 40 x y 2 40 2 .(7 点), dy l 0 2 l 2 2 log y x y 0 x 2 y 2 40 l x2 l 2 log l x 2 l 2 log x log . (8 点) 40 40 x V x 1 (3) E x 2 2 x 4 0 x x l l x2 l2 (5 点) . 問題 4(25 点) (実力試験Ⅱ問題 3 と同じ配位) まずガウスの法則を用いて電場分布を求めておく (1) まず、 Qin Qout 0 。また導体内で電場はゼロでなければならないので、 Q Qin 0. よって、 Qin Q, Qout Q. (2) 領域 r b の電場強度は E (6 点) Q 4 0 r 2 であるから、 Q 1 Q V r E dr dr (6 点) 2 40 r 40 r 40 r (3) r r r Q 導体内 a r b では E 0 であるので、 V r V b E dr 0. よって、 V r V b (4) r b 領域 0 r a の電場強度は E V r V a E dr V a V b Q 4 0 r 2 40b . (6 点) 。 であるから、 Q 1 Q Q dr . 2 40 r a 40 r 40 a 40 r Q r r a a Q より、 V r 40b Q r Q 1 1 Q 1 1 1 Q . (7 点) 40 r a 40b 40 r a b
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