小学校理科 福島県学力調査を振り返って №3

会津域内において、全国の平均正答率より正答率の特に低かっ
た問題を振り返り、授業改善策を提案します。今後の授業改善に
つなげることが大切です。福島県学力調査の問題は公表できない
ので、同様の問題を「定着確認シート」の問題で説明します。
正答率の低かった問題(会津域内)
試験管の口にせっけん水のまくをはり、試験管を手で軽くにぎってあたため
ると、右の図のようにまくがふくらみました。
次に、試験管を下に向けてあたためると、どうなりますか。下の図で、正し
いものをア~エからえらび、記号を書きましょう。
(H26 第6回 小5理科 改題)
解答は 「 ウ 」 になります。な
ぜ、この問題の正答率が低いのでし
ょうか。参考までに、会津域内の反
応率は次のとおりです。
ア(不正解)8.8% イ(不正解)16.4%
ウ(正解)58.0% エ(不正解)16.7%
試験管を温めることで、試験管
内の空気が膨張することと、せっ
けん水の膜が膨らむことを関連付
けて理解させることができなかっ
たのかもしれません。
単元の導入の演示実験だけで終わって
しまったので、まとめが不十分だったか
もしれません。空気を温めると膨張する
ことぐらい、児童は分かっているだろう
と安易に思っていたかもしれません。
単元の導入でこの実験を行うと、児童は試行錯誤しながら意欲的に取り
組みます。さらに、この実験を通して、温度による空気の体積変化の関係
を意識付けることができます。単元終了後に、再度この実験を振り返り、
空気を温めると空気の体積が大きくなることと、せっけん水の膜が膨らむ
ことを関連付けて理解させることができれば、この問題の正解率が高くな
るのではないでしょうか。
この実験は、児童一人一人が実験に参加することができ、しかも比較的
簡単な準備で、実感を伴った理解を得ることができます。試験管をいろい
ろな方向に向けて実験を行い、温度による空気の体積変化をせっけん水の
膜のふくらみ方により、視覚的に認識させることができます。
せっけん水作り
準備するもの
①
ぬるま湯(30℃~40℃)
②
せんたくのり
③
食器用洗剤
「せんたくのり」
は、裏面の成分表示
に、「ポリビニルア
ルコール」または
「PVA」と表示さ
れているもの。
食器用洗剤は、どんな
種類でも大丈夫です。
「せんたくのり」
裏面成分表示
作り方
①
ペトリ皿等に、ぬるま湯、せんたくのり、食器用洗剤
をおおよそ5:4:1の割合で加えます。
割れにくいせっけ
② よくかき混ぜます。
できあがったせっけん水
試験管の口にせっけん水をつけ、
両手で試験管をあたためる。
ん水の膜を作ること
で、実験を繰り返し
行うことが可能にな
ります。
試験管を横向きや、逆さ向きにしたとき
の、せっけん水の膜の様子を予想する。
この段階で、「試験管を横向き
や、さかさ向きにしたとき、まく
はどうなりますか。」と児童に予
想させます。
結果を予想することで、児童の
課題意識が明確になり、目的を持
って実験に取り組みます。
試験管を横向きや、逆さ向きにし
た時の膜の様子を観察する。
せっけん水の膜が割れた場
合、せっけん水を試験管につ
けて温め直しても、試験管の
中の空気が温まっているため
膜はふくらみません。試験管
を一度水で冷やしてから、再
び温め直しましょう。
この実験では、温度変化による空気の体積変化を視覚的に認識
させることがポイントです。
空気は温められると体積が大きくなることを、温められた試験
管のせっけん水の膜が膨らむこととを関連付けて理解すると、
「活用」の能力も向上します。
実験準備も比較的簡単ですので、ぜひ、児童一人一人に実験を
行わせてみてください。