エトポシド点滴静注液 100mg「DK」の 希釈液の安定性に関する資料

エトポシド点滴静注液 100mg「DK」の
希釈液の安定性に関する資料
大興製薬株式会社
2012.1
【はじめに】
エトポシド点滴静注液 100mg「DK」について、希釈液の安定性について検討するために希釈
後の析出時間を測定した。
【製剤】
エトポシド点滴静注液 100mg「DK」
1 バイアル(5mL)中にエトポシド 100mg を含有する。
【希釈用輸液】
生理食塩液
5%ブドウ糖注射液
ソリタ‐T3 号輸液
【保存条件】
室温、室内散乱光下(約 100lx)
【試験方法】
エトポシド点滴静注液 100mg「DK」を各種輸液で希釈した。この希釈した製剤を室温、室内
散乱光下(約 100lx)で保存し、析出までの時間を測定した。析出の有無の確認は照度約 10000lx
の白色蛍光灯下にて肉眼で観察した。
【試験結果】
析出までの時間(hr)
輸液中の
エトポシド
濃度
最短
0.2mg/mL
5%ブドウ糖注射液
ソリタ-T3 号輸液
平均
最短
平均
最短
平均
4
>26.3 1)
>48 2)
>48.0 2)
>48 2)
>48.0 2)
0.4mg/mL
3
4.0
9~24 3)
9.0~24.0 3)
9~24 3)
9.0~24.0 3)
0.6mg/mL
2.75
2.9
3.5
3.5
3
3.0
0.8mg/mL
1
1.0
0
0.5
1.5
1.5
1.0mg/mL
生理食塩液
1
1.25
n=6(0.2、0.4mg/mL)
、n=3(0.6、0.8mg/mL)
、n=1(1.0mg/mL)
1)6 検体のうち 3 検体は 48 時間以内に析出が認められなかった
2)6 検体とも 48 時間以内に析出が認められなかった
3)9 時間後は析出なし、24 時間後に析出が認められた
-1-
0.75
【考察】
エトポシド点滴静注液 100mg「DK」について希釈液の安定性試験を実施した結果、エトポシ
ドの濃度が高いほど、析出までの時間が短くなることが示唆された。従って、製剤希釈から点
滴終了までの時間設定を、濃度を考慮し充分注意して行う必要がある。
また、0.4mg/mL 以下の濃度では、ブドウ糖注射液やソリタ-T3 号輸液で希釈した場合、析
出までの時間が生理食塩液を用いた場合よりも長かった。
なお、本剤の投与には、フィルターの使用を推奨する。
以上
-2-