11f 今AF

留萌にネコ、ける地震記象型の調査*
菊池
正敏料
550.340.1
た.記録が完全でしかも震源の判明しているものを選び
1
. まえがき
~
9
個しかないためこれをさらに深
だしたところ,わずか 3
留萌において観測された地震観測結果を気象庁地震課
発,浅深にわけると数が少ないので今回は深発,浅発に
から提案されていた地震予知のための予備調査の一環と
わけないで 3
9個の地震を対象にして 5種類の記象型にわ
して調査要領に従って A調査をした.
けたのが第 1図と第 2表である.
調査の基準は測候時報第2
6
巻 8号に掲載しであるもの
第 2表
に基ずいた.
当所の地震観測は昭和2
8
年 2月1.日から 5
2
年型強震計
深会
により観測を開始し昭和3
5
年 6月 1日から 5
4
型普通地震
計によって観測を実施して昭和3
9年 1
2月で 4年 6ヶ月の
発 現 時
型
震計室より 25mの所に市道が通っているため最近車の乗
入れがあり人工的雑微動が多くなってきた.
本調査には前記調査基準に該当する地震が 3
9個しかな
かったが,一応この資料によってまとめた.
本調査期間中の地震計の常数値は第 1表のどおりであ
る.
第 l表 ・ 地 震 計 常 数 値
昭 和3
9年 1
2月2
2日 検 定
成分│重等改量│倍率 1
1
f
│今A
F
│制振度
南北動
東西動
上下動
同州2.1{2.0)10附 ω)1 8(8)
2
2
.
5 !
S
.
4
(叫 m 州側州民8
)
5
2(
I
'
.22.5 .1
叫仰り ω(0州仰)
c
p
A
.
深
さ
。N 。E km
資料を得た.
測候所は標高 22mの高台にあって地盤は割合良いが地
各 記 象 型 の 実 例
100km以 下
震
震央地名
度
4
0
.
36
A
I
1
9
6
11
3
.
61
11
21
70
34
0積 丹 半 島 北 方 沖
4
7
.
26
B
I
1
9
6
4 53
10
94
14
3
.
31
0根 室 東 方 沖
4
2
.0 6
C
I
1
9
6
0 6 40
11
8 41
.51
0尻 屋 崎 東 方 沖
D
I
1
9
6
1 42
3
.
31
4
9
.
36
0千 島 南 部
31
80
14
4
4
.
0
1
5
0
.
0
1
0
1
3
1
4
1
9
4
0
E
l
1
9
6
3
1
エトロフ
1
O
O
O
O
深さ 1
00km以 上
4
0
.71
A
I
1
9
6
3 4 11
32
94
5
.
91
5
0稚 内 北 西 沖
0
.
81
41
.31
B
I
1
9
6
01
0 91
80
04
2
0青 森 県 東 部
2
.
51
4
3
.
61
C
I
1
9
6
01
12
80
01
74
1
0北 海 道 南 岸
5
.
21
4
9
.
51
D
I
1
9
6
1 81
80
61
64
2
0千 島 列 島
4
8
.
01
E
I
1
9
6
3 32
70
44
74
3
.
81
1
0エトロフ南方沖
O
O
O
O
O
I2
2
.5
5
4型普通地震計
( ),内は昭和3
5年 6月検定
b
. 分類型(第 3
,表参照)
A型 :P
,S とも明りょうであるが
P 波の振幅は小
さく ,S波から急に振幅が大きく顕著になり、振動の減衰
は早い.
100km以上で、は S波の周期が比較的長い.
B型 :P波は明ーりょうであるが S波があまりはっきり
~ 2
. 地震言E象からみた地震活動について
しない,振動の減衰はおそい.
a. 調査の方法
100km以上で、はP波の振幅が比較的大きし¥
5
4
型普通地震計による留萌での観測から,どの地域の
C型 : P,S とも A型と同じように出現しているが A
地震がどのような型に記録されるか,その特徴を調査し
型にくらべて S波の減衰がおそく 3成分とも同じような
型になる.
* M.Kikuchi:Classificationo
ft
h
eTypeso
f
S
e
i
s
m
o
g
r
a
m
so
b
t
a
i
n
e
da
tRumoi
. (
R
e
c
e
i
v
e
d
March4
,1
9
6
5
)
料留茄測候所
D型 :P波は明りょうで振幅が小さく , S波ははっき
りしないが振幅が次第に大きく周期も比較的長くなって
減衰はおそい.
-1
5ー
9
8
験 震 時 報
H三
ト
“
N
S
宝~
H
τア
100 l(..抗
D
",
U
叩
M
100 '
/
.
.
.
.
恥
3 0一U
N一
A
3
0巻 3 号
…
,W
E一
E h ι一 W
B
き
と
亡
N
N
s
S
D
き
と
U
'
E
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,
、
.
宮、
ぃ
J
N
,.",....九~h耐ー
s~ ~
e
'
)
U
E
M'
w
W
第
1図
各 記 象 型 の 実 例
- 1
6ー
on
99
留萌における地震記象型の調査一一菊池
第 3 表 各 記 象 型 分 . 類 表
央
1
雨竜川流域.北海道北部
※
積丹半島北方沖.浦河沖
名
A
地
震
p;
.
, s(
秒)
I
深さ
03.9-22.8
ekm)
20 - 6
0
I記 象 型 の 特 徴
P
.S とひ明りょう
Pの振幅小 さく
I
2,
型
'
1,
B
型
1
C
.
1
2
1
型
2
D
1
稚内北西沖.樽前山附近
北海道南四部.留萌沖
岩手県沖.根室東方沖
北海道東方沖.北海道南東沖
2
型
35.2-76.8
40-8
0
3
5
.
6
青森県東部
北海道南部.北海道南万沖.浦河南方沖
21
.6-29.9
尻 屋 崎 東 方 沖1
. ェリモ岬附近
.
北海道南東岸.北海道東部
北海道南部
北海道南東沖.千島南部
越前岬沖.エトロフ沖
北 海 道 南 東 沖i エ ト ロ フ . 千 島 中 部
千島南方沖.新潟県沖、
1
1
0
40- 7
0 ! A型と同じ
S波の減衰 A型にくらべてお
22.3-29.0
110-120
03.3-75.4
20-8
0
4
9
.1~157. 3
1
1
0,:
,6
5
0
32.3
40-8
0
b
•
ム
回
H三 l
o
o
k悦
P明りょう.
S はっきりしなわが振幅次第
t
乙天きくなる.
P明りょう.
1
6
5
パンダ海
。@口問 A
>E
A B C1
そい.
S ばっきりしない.
※
A
P明りょう.
振動の減衰おそい.
日本海北西部
1
1
1
5
'
:
"
'
"
'
2
2
0
S はっきりしない.
エトロフ沖.鳥島近海.千島列島
E
1
8
.
0
2
6
'
.
6
S の振幅大きい
1
1
>100jq.札
・@阻因企
A
. ac 1>.E
第 2図
J
各記象型の震央分布と発現地域
-17-
1…...:..H<100km
2,
.
.
.
.
.
.
.
.
.
H
>
1
0
0
k
m
1
0
0
験 震 時 報
E型 :P波は明りょうであるが S波は,はっきりしな
い.
, P波から振幅小さく短周期が比較的長く続き減衰は
30巻 3 号
たが,これらについては資料の蓄積をまって検討した
U¥
おそい
~
なお,最後にこの調査に御指導を頂きました札幌管区
気象台長宗調査官に厚くお礼申し上げます.
3
. むすび
以主の結果から各分類型によって地図上にプロットし
参考女献
気象庁地震課(
1
9
5
9
):地震予知のための予備調査
たのが第 2図である.
、今回の調査では資料が少く, B, C調査はできなかっ
--1
8ー
(2).測候時報, 26,368-374.