2014年度後期 第7回

2014年度後期
第7回
状態空間表現による倒立振子の安定化制
御系の設計
フィードバック制御により、不安定な系を安定化する
倒立振子の力学モデル
線形化
制御入力 u によって(台車+振子)
の系が加速度運動を行う。
このときの加速度による慣性力に
よってθ の運動が制御できる
倒立振子の力学モデル
制御入力 u によって動くθ の運動
を表す式としてまとめる
4M  ml   M  mg  u
6
状態方程式
 4M  m l

6

0

状態変数
状態方程式

0  0 M  m g   1
   
    u

0
   0
1   1

X  
Y 
出力
 
X  AX  Bu
Y  CX
6M  m g 
6



0

0
A

4M  m l , B   4M  m l , C   




1
1
0
0




状態方程式
状態方程式
X  AX  Bu
Y  CX
6M  m g 
6



0

A

4M  m l , B   4M  m l , C  0 1




1
0
0




この系の制御入力 u が作用しないとき(開放系という)の安定性は、
行列 A の固有値によって決まる
固有値
開放系の安定性
不安定
可制御性
状態方程式 X  AX  Bu
システムの初期時刻 X(0)=X0 が与えられたとき,適当な有限時刻 tf
まで適当な入力 u を加えることによって,X(tf)=0 とすることができる
ならば,システムは「可制御」であるという。
系が「可制御」であるための必要十分条件

rank B
n 1

AB  A B  n
可制御性
状態方程式 X  AX  Bu
系が「可制御」であるための必要十分条件

rank B
AB

An1B  n

X (t )  e X 0   e A(t  ) Bu  d
t
At
0
システムが可制御であるならば,適当な有限時刻 tf まで適当な入力
u を加えることによって,X(tf)=0 とすることができるから
X (t f )  e
すなわち,
At f
tf
X0   e
0
A( t f  )
Bu  d  0
X 0   e A(  ) Bu  d  0
tf
0
可制御性
系が「可制御」であるための必要十分条件
rank B AB  An1B  n


X 0   e A(  ) Bu  d  0
tf
0
e   0 I  1 A     n1 A
t
X 0     0 1 A   n 1 An 1 Bu  d
0
ここで,
n 1
At
を代入して,
f


T
 t f
 B AB  A B    0ud 

 0
n 1
X0 が任意の対して
には,係数行列

rank B
  ud 
 0 1

tf
T



    n 1ud  
0
 
tf
T
の中のベクトルが定義できる(存在する)ため
が正則でなければならない.したがって,
AB


An1B  n
可観測性
状態方程式 X  AX  Bu
Y  CX
ある有限時刻 t=tf までの零入力に対する応答 Y(t) を観測することに
よって初期状態 X(0) を一意に決定できるとき,システムは「可観測」
であるという。
系が「可観測」であるための必要十分条件

rank C
T
T
AC
T
n 1 T

 (A ) C  n
T
系の可制御性・可観測性
可制御性
6

 4M  m l
AB   rank 

0

rankB


  2 フルランク
6

4M  ml 
0
可制御
可制御性

rank C
T

0 1
A C  rank 
 2 フルランク

1 0
T
T
可観測
状態フィードバック制御の実現
状態方程式 X  AX  Bu
状態フィードバック制御 u   KX , K  k1
閉ループ系の状態方程式 X  A  BK X
v


u
B
X

A
K
X
C
Y
k2 
フィードバックゲインの決定
閉ループ系の状態方程式 X  A  BK X
状態フィードバックの設計
= この系が安定になるように,フィードバックゲイン K
を決定する
=係数行列 A-BK の全ての固有値の実部が 負
フィードバックゲインの決定
閉ループ系の特性方程式
得られた条件式
2次関数の軸が負
Y切片が正
ゲインが満たすべき条件