30amF-547

30amF547
小 児 てんか ん患 者 の高 ア ンモニ ア血 症 の危険 因子 に関す る検 討
○ 山本 吉章 1
,
2
,高 橋 幸 利 2,今 井 克 美 2,矢 揮 嶺 1,井上 和幸 1,伊藤 邦 彦 1,
賀川 義 之 1,井上 有 史 2(1
静 岡県大 薬 ,
2
静 岡てんか ん神 経 医療 セ ンター )
【目的】小児 てんかん患者 29
44名 を対象 とし,
高ア ンモニア血症発症 に寄与す る危
険因子 を検討 した。
【
方法 】
対象患者 (
01
5歳)は Ⅰ群 (
抗 てんかん薬服用 な し,
n-445
)
,
Ⅰ
Ⅰ群 (
va
l
pr
oi
ca
c
i
d
(
VPA)
以外 の抗 てんかん薬 を服用 ,n-673
)
,Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ群 (
vpA を服用 ,n-1
8
26
)
の 3群 に分類
00pg
/
dl
し,
各群 の高ア ンモニア血症 の危険因子 を推定 した。 なお,
ア ンモニア値 が 1
以上 を高ア ンモニア血症 と定義 し,
危 険因子 の推 定 は重 回帰分析 で影響 因子 を抽 出
し,
ロジステ ィ ック解析 で調整 オ ッズ比 (
OR)
を算 出 した。
【
結果 】
I群 ,
I
I群 ,
I
I
I群 のア ンモニア値 の平均 はそれぞれ 3
6.
0,56.
0,8
6.
8pg
/
dlであ
Ⅰ群 の高 ア ンモ ニ ア血症 の危 険 因子 は年 齢 [
oR:0.
8
9;95
%信 頼 区間 (
CI
)
:
った。 Ⅰ
0.
8
20.
96]
,t
o
pi
r
a
ma
t
eの併用 [
oR:3.
9;95
%CI
:1
.
79.
2]
お よび z
o
ni
s
a
mi
deの併用 [
oR:
3.
5;95
%CI
:1
.
96.
5
]
であった。一方 ,
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ群 の危 険因子 は VPA投与量 [
oR:1
.
05;95
%CI
:
1
.
06]
,女性 [
OR:1
.
3;95
%CI
:1
.
01
.
6]
,症候性 全般 て んか ん [
OR:1
.
4;95
%CI
:
1
.
031
.
ト1
.
8
]
,phe
nyt
oi
nの併用 [
oR:4.
7;95
%CI
:3.
36.
9
]
,phe
no
ba
r
bi
t
a
lの併用 [
oR:2.
2;
95
%CI
:1
ふ3.
2]
,
a
c
e
t
a
z
ol
a
mi
deの併用 [
oR:6.
6;95
%CI
:2.
51
7.
2]と示 され,
さらに Ⅰ
Ⅰ群
と同様 に年齢 ,
t
o
pi
r
a
ma
t
eお よび z
oni
s
a
mi
deの併用が有意 な危 険因子であった。
【
考察 】年齢お よび炭酸脱水素酵素阻害作用 を有す る抗 てんかん薬 の併用 は VPA
併用 の有無 に関わ らず,
ア ンモニア値 を上昇 させ る危 険因子 であった。一方,
肝薬物
代謝酵素誘 導作用 を有す る抗 てんかん薬 は VPAの代謝 を克進 し,
高アンモニア血症
の リス クを大 き く増加 させ るた め,
その併用 には注意 が必要 である。本研 究 は小児
てんかん患者 の高ア ンモニア血症 の発生 リス クを明 らかに し,
その副作用 回避 に貢
献で き うる と考 える。