化学反応の研究 原子核と電子から成る有限多体系がクーロン力(1/r2)を介して 相互作用する際現れる多様な多体効果、量子効果を研究する 原子核と電子・・・無限の組み合わせ 反粒子まで拡張 中性子 原子核 粒子 電荷の符合以外は粒子と同じ性質 Ps 電子 陽子 原子 分子 陽電子 反粒子 反陽子 反中性子 反原子核 反原子 反分子 pHe+ 物質 反物質 宇宙 反宇宙? E=mc2 反応 L A L A 違う世代へ拡張 クォーク レプトン 反クォーク 反レプトン 第1世代 第2世代 第3世代 u c t d s b e − e − u c t d s b e + e + + ミュオン − , + m = 207me 寿命∼2.2 µs ミュオン原子・分子、Mu・・・・ミュオン触媒核融合、µSR 反粒子と原子・分子との化学反応 核間クーロン斥力 核間クーロン引力 A+B A+B 無 無視出来ない 視 断熱近似破綻 衝突エネルギー E E 内殻まで到達 Inter-nuclear distance Inter-nuclear distance (原子・分子)+陽電子、 反陽子、 ミュオン、、=エキゾチック原子・分子 me 1836me 207me +e −e ±e 多彩な質量と電荷の組合せ 原子・分子の系では見えなかった 多体効果、量子効果が現れる (例)反陽子ヘリウム原子 p He + (= p + He 2+ + e− ) eZ=-1 He2+ Z=+2 e- m=1 p Z=-1 He原子的描像 He2+ m=7294 p m=1836 HeH分子的描像 三体系の多体効果 寿命に強い量子状態依存性 新しい計算方法の開発が必要 前回(98年)のコロキウムでは、 p He + (= p + He 2+ + e− ) 量子三体系の精密計算 「非断熱組替えチャネル結合法」 開発 レベル間の遷移波長が実験値と ppmの精度で一致 実験:LEAR@CERN by Univ. of Tokyo 反陽子(連続)ビーム 数千個/秒 (1996年末閉鎖) 反陽子の物質中での寿命 ∼ps 新実験施設:AD@CERN by ASACUSA (2000年実験開始) 反陽子(パルス)ビーム 2×10 7個/秒 巾250 ns 実験精度2桁向上 今回(98年∼現在) p He + のエネルギーの精密計算( 2桁精度向上) + 2+ − Auger 崩壊 p He → pHe + e の効果を取り込む p He + の分光精度から反陽子の質量 m p (ep ) の精度を決定 Particle DATA に採用 p He +の超微細構造の計算 反陽子の磁気双極子能率を精密に決定(実験待ち) 完全に量子論に基づく反粒子と原子・分子との化学反応 p + Ps → H + e − H = ( p + e+ ) H + e + → H + + Ps Ps = (e − + e + ) pHe+生成 励起 -p He+ E=5.3 MeV He* p + He → p He + + e − e- E<25 eV p- e- He イオン化 eHe2+ p He + 散乱 ヘリウムのイオン化エネルギー以下になった反陽子は 電子と入れ替わり反陽子ヘリウム原子を生成 反陽子は電子とほぼ同じエネルギー(半径)を持つ軌道に入る 電子と反陽子の質量の違いから、 反陽子の主量子数 -2.0 0 Mp n≈ ≈ 38 me 高励起状態 軌道角運動量/a.u. 30 35 40 -pHe2+イオン Stark 混合 Auger 崩壊 反陽子の吸収 J=0 n≈ - +生成 中性pHe -3.0 He原子核による v 電磁遷移 J 長寿命状態(∼ s) 短寿命状態(∼ns) 不安定状態(∼ps) Mp me 1 kgの反物質 LEAR(Low Energy Antiproton Ring)において、 1996年まで14年間に 3×1014 個 = 0.5 ng 全ての建設費+運転経費 = 約180 円/百万個 総反陽子数 反陽子ヘリウム原子のレーザー分光 共鳴 長寿命状態(∼ s) 短寿命状態(∼ns) 遷移波長 597 nm レーザーのバンド巾 0.007 nm 準位の自然巾 0.00003 nm 長寿命状態は全入射反陽子の3%・・・・150個/秒 各状態へは、多くて数個/秒 共鳴波長を見つけるためには精密な理論計算に予言が必要 反陽子ヘリウム原子の研究 ヘリウム原子や、他の原子・分子との化学反応 反応により寿命が大きく変化 (内部構造をもつ水素ラジカル) 反水素等の反物質生成への足がかり 陽子と反陽子の質量、電荷、磁気双極子能率の精密比較 もし粒子・反粒子の対称性が破れていれば、 基本的な自然法則の書き換え 反陽子ヘリウム原子のエネルギー準位に対する Auger崩壊チャネルの影響 長寿命状態 共鳴遷移 短寿命状態 Auger崩壊 p He + → p He 2+ + e − 自動イオン化 束縛状態でない 反陽子ヘリウム原子は共鳴状態 散乱波(連続状態) 時間とともに拡散(崩壊) R 束縛状態近似 ∝ exp( − R) 複素座標回転法 複素数に変換 → R +i ∝ exp( − R R−i I 連続状態との結合によるエネルギー準位のズレと 幅(崩壊率)を同時に計算できる I R) 振動項 反粒子と原子・分子の化学反応の新しい計算方法 ・非断熱に計算(断熱近似は破綻) 粒子の運動を分離(電子と原子核) ・全ての粒子に対して量子力学を適応 (化学反応の計算では原子核の運動を 古典力学で記述する場合が多い) 反粒子原子は強い量子状態依存性を示す 計算が大規模になりすぎる 新しい計算法の開発 時間に依存するチャネル結合法 波動関数を波束として取り扱い、その時間発展を計算 計算をする空間を節約できる 多次元の波動関数を数値的に取り扱う 関与するチャネル数を大幅に節約 実時間で反応を追うことができる 波動関数の時間変化のアニメーション 反粒子の消滅の時間と場所が特定できる e- p まとめ He2+ 反陽子ヘリウム原子の高精度計算を行った。 Auger崩壊の効果を取り込むことにより精度が2桁向上 最新の実験値と最高 0.02 ppmの精度で一致 反陽子の質量(電荷)を 0.5 ppmの精度で決定した 最新の実験値を用いると 0.08 ppmの精度 (あと一桁で陽子の質量の精度を追い越す) 反陽子の磁気双極子能率を 1 ppmの精度で予言 粒子・反粒子衝突(化学反応)を精密に取り扱うための 新しい計算方法を開発 反水素(H)生成、ポジトロニウム(Ps)生成断面積 Ps生成断面積は実験値と一致 反水素生成反応 p + Ps → H + e − CERNのAD(Antiproton Decelerator)において、 ATHENAグループにより合成が進行中 p + e+ → H + h または、 p + Ps → H + e − 遅い 速い 電荷の符号を入れ替え、時間の向きを逆転すると ポジトロニウム生成反応 ・・・・実験が可能になった H + e + → H + + Ps S行列の対称性を使うと 理論計算では2つの反応は同時に計算可能 水素原子:1s状態 t=0 陽電子−水素原子間:運動エネルギー E (eV) JM (r, R,t = 0) = H 1s (− ) (r)FJM (R) 内向波 ∂ ih ∂t H JM (r,R,t) = H JM (r,R,t) e- e- ri Ri Ri H+ H+ e+ 入射チャネル Ps = k 2 ri e+ Ps生成チャネル ∑ (2J +1)∑ ∫ dR ∫ dr f J Ps nlm f * JM (ri ,R i ,t∞ ) Ps nlm 2 (rf ) 波動関数の時間発展( E=23 eV、J=0) (s波, s波) (p波, p波) t=0 a.u. t=0 a.u. t=22 a.u. t=22 a.u. E 入射波と反射波の干渉 イオン化 t=44 a.u. r=R Ps生成 励起 弾性散乱 10 20 イオン化 t=44 a.u. r=R Ps生成 励起 H* 0 波動関数の湧き出し H* 30 0 10 20 R 陽電子座標/a.u. 30 40 pHe+生成 励起 -p He+ E=5.3 MeV He* e- p + He → p He + + e − e- E<25 eV pHe イオン化 eHe2+ p He + 散乱 ヘリウムのイオン化エネルギー以下になった反陽子は 電子と入れ替わり反陽子ヘリウム原子を生成 p + He → p He + + e − 反陽子は電子とほぼ同じエネルギー(半径)を持つ軌道に入る 電子と反陽子の質量の違いから、 Mp ≈ 38 反陽子の主量子数 n ≈ me 高励起状態 -2.0 軌道角運動量/a.u. 30 35 0 40 -pHe2+イオン v Auger 崩壊 -3.0 Stark 混合 軌道角運動量=0 He原子核による 反陽子の吸収 共鳴遷移 n≈ Mp me - +生成 中性pHe 電磁遷移 軌道角運動量=大 遠心力障壁により 核同志が近付けない - 2+ - +では電子により p-He pHe 間の縮退解ける pHe+ formation Excitation -p e- E<25 eV p- e- He+ E=5.3 MeV He* p + He → p He + + e − He Ionization eHe2+ p He + Scattering p + He → p He+ + e− Ep ≈ Ee rp ≈ re principal quantum number of antiproton -2.0 0 Mp n≈ ≈ 38 me Highly excited state Angular momentum/a.u. 30 35 40 -pHe2+ ion v Auger decay n≈ -3.0 - pHe+ formation Stark mixing Angular momentum=0 nuclear absorption Mp me resonant dipole transition transition large angular momentum centrifugal barrier no nuclear absorption -p-e correlation no stark mixing Fine and Hyperfine Structure スピン依存相互作用 VSO + VSScontact + VSStensor = SO e J ⋅ se + T + SO p J ⋅ sp + C se ⋅ s p {3( J ⋅ s )(J ⋅s ) − J ( J + 1)s e p J = 35 e ⋅ sp } F=J K=J+1/2 0.160 894 GHz F=J-1 (J=35,v=1) 12.908 648 GHz SO e K = J + se C , F=J+1 F = K + sp 0.132 987 GHz K=J-1/2 1 a.u. = 6.579857 × 10 6 GHz SO p , F=J ppmの精度 T Wave function 3 vJM =∑ ∑ ∑ C r R c =1 l c Lc aA lc vJ c Lc e −arc2 − AR 2 [Y (rˆ ) ⊗ Y (Rˆ )] lc c Lc JM electron lc Lc = 0 1 + J J±1 4 4 + 2 2 + J 3 + 3 + J±1 J±2 J±3 antiproton + + + J J±2 4 5 J-4 + 4 + + J+4 ...... Bound states like 6 + J-5 Resonant states 6 J-4 + J-6 + ...... pHe 2+ + e-(l) (l=0 main) pHe+ l=4 3-Body Metastable State l=5 (not true bound state) J 2-Body Threshold Auger decay channel J-1 J-2 J-3 J-4 J-5 Energies and Widths of the Metastable (Resonant) States were Calculated with ♦ Complex Scaling Method ( Complex Coordinate Rotation ) r → αeiθr
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