リカバリーアットホーム

2014/2/18
回復するということ
リカバリーアットホーム
Recovery at home
順天堂大学大学院医学研究科
リハビリテーション医学
長岡正範
2014/2/18
コーラルクリニック2013年度第2回公開講座
SiCKO
米国民の医療保険
by Michael Moore
民間医療保険
政府医療保険・Medicare
政府医療保険・Medicaid
Medicare 65歳以上の高齢者
Medicaid 低所得者用と障害者
US Census Bureau 2005
米国急性期入院期間は短い!
• 急性期の入院期間は
• ベッド100床に対して
7~8日
– 医師 71.8人、看護師 221人
米国の例
• 人工膝関節全置換術
• 人工股関節全置換術
• 大腿骨頚部骨折
整形外科4日間
整形外科4日間
整形外科4~5日間
その後、リハビリテーションは2週間
• 日本では、1960年代は28日
1990年代は40日
最近は減少し始めているが・・
• ベッド100床に対して
– 医師 12.5人、看護師 43.5人
• 脳卒中
内科あるいはICU 5日間
その後、リハビリテーションは2~3週間
• 頭部外傷
ICU 5~7日間
その後、リハビリテーションは2~5週間
• 脊髄損傷
ICU 5~7日間
その後、リハビリテーションは4~6週間
1
2014/2/18
入院時と退院時のBI値
急性期病院(順天堂医院)に入院した
脳卒中患者の50%は直接自宅退院している
2006年
2006年 順天堂医院
90
80
80
70
70
60
60
50
50
40
40
30
30
20
20
10
10
0
0
**
*
**
BI_入院時
BI_退院時
リハビリテーション病院に転院した群
*
D2
入院時
入院時BI
退院時BI
退院時
直接自宅へ退院した群
B
I_
A
i1
BI
_D
BI
_A
D
1
入院時BI
入院時
退院時
退院時BI
リハビリテーション病院
転院群
i2
90
I_
D
100
B
100
BI_入院時
BI_退院時
直接自宅退院した群
BI Barthel Index は日常生活動作の評価であり満点は100
Recovering at home after a stroke
直接、自宅に退院するの?
•
•
•
•
The Howard A. Rusk Institute of Rehabilitation Medicine in1994
病院を退院するとき
順天堂の近くに居住
併存疾患がある(循環器・腎臓・糖尿病etc)
麻痺はやや軽症である可能性
それでも自宅で困っていることはないか?
自宅で回復する
安全に暮らす
家族の努力
– 病気の管理
– 軽くても残っている麻痺については・・?
– 日常生活(食事、入浴、買い物・・)
– 通院手段
自分の健康に責任を持つ
生涯を通じて学ぶ
インフォメーション・サービス・製品
病院を退院するとき
自宅で回復する
家に帰る
経験者のアドバイス
毎日の生活は
代弁者を選ぼう
時間に従って生活する→スケジュールを作る
誰に聞いたら良いか
ポジショニング
多くは退院時に手続きをとっている
移乗を安全に
入浴
退院計画書
ROM関節可動域訓練
処方が必要(薬、訓練、装具、福祉用具)
下肢の訓練
PT・OT・ST・MSWに特に聞いておくこと
スキンケア
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2014/2/18
安全に暮らす
家族の努力
安全な家
家族は何を知っている必要があるか→必要な目標
家族が理解しておくこと
脳卒中の徴候→家族の対応は
家族のできること→リスト制作
救急医療体制へ(救急車の要請)
家族が疲れないように
掛かりつけ医の役割
CPR(心肺蘇生)を習う
在宅サービスとは
個人で使う緊急連絡装置
保険がカバーするものは
安全な運転
自分の健康に責任を持つ
生涯を通じて学ぶ
はじめに 危険因子
二人と同じ症状の患者はいない
二つと同じ脳卒中はない
自分にとって大事なこと
脳卒中リハビリテーションの目的は何か?
左脳、右脳の特徴
主治医に聞いてみよう
感情の問題
自分の病気のこと(運動、食事、内服、起こりうる副作用)
何を食べるか?
最高のケアを受けよう
エアロビクス、禁煙
服薬に責任を持つ
復職
インフォメーション・サービス・製品
パーキンソン病の場合
地域のサービスを見つける
在宅サービス
視覚障害リハビリテーション
団体の情報
支援グループ
便利な道具 教材・用具・パソコン・プログラム
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2014/2/18
リハビリテーションの具体的内容
パーキンソン病でも改善する
• 筋力、関節可動域、バランス
生体力学的アプローチ
• 起き上がり方の工夫
発達的アプローチ
• 道具や人による解決
リハビリテーション的アプローチ
20
体幹の伸展運動(パーキンソン病)
手すりを運動用に設置
自宅で回復する パーキンソン病の場合
富山県 地域リハビリテーション支援室・タムラ 田村 茂
環境を変える・道具を工夫する
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屋内移動歩行に(白線を目印)
(パーキンソン症候群)
パーキンソン病で円背・小刻み歩行
手すりが通常の高さでは姿勢を
直立位に正すことができない。
直立位保持でき、かつ歩き安い
位置まで高くする。
*直立位保持できても
歩行しづらい場合あり。
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パーキンソン病用
ジャンピングステッキ
コップの最後まで飲めなかった
飲めるようになる
カットしたカップ
住宅改修・手すり
(パーキンソン症候群)
リハビリテーションの具体的内容
• 筋力、関節可動域、バランス
生体力学的アプローチ
• 起き上がり方の工夫
発達的アプローチ
• 道具や人による解決
リハビリテーション的アプローチ
まとめ
• 自宅で回復しよう!
– 訓練
– 医療
– 家族の役割
– 健康管理
– 環境や道具の工夫
徹底的に!
在宅だから出来ること
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