応用解析・レポート問題 (7 月 11 日) 問題の解答例 問題 13.1. α > 0 に対し、級数 ∞ ∑ αn sin nx n! n=1 の和を求めよ。求まった和を f (x) とすると、上の級数が f のフーリエ級数であるか、理由をつけて答えよ。 ―――――――――――――――――――――――――――――― sin(nx) = Im(cos(nx) + i sin(nx)) = Im einx であるから、 ∞ ∑ αn sin(nx) = n! n=1 = ∞ ∞ ∑ ∑ αn (αeix )n Im einx = Im n! n! n=0 n=0 Im eαe ix = Im eα cos x+iα sin x = eα cos x Im eiα sin x = eα cos x Im (cos(a sin x) + i sin(α sin x)) = eα cos x sin(α sin x) と計算できる。 また、 ∞ n ∞ ∑ α ∑ αn ≤ sin(nx) = eα n! n! n=0 n=1 と評価されるから、Weierstrass の定理より級数は x ∈ R において f (x) に一様収束する。f は明らかに周期 2π をもつ。 f のフーリエ級数 ak , bk を計算する。f が奇関数より ak = 0。 bk = = = ∫ ∞ 1 2π ∑ αn f (x) sin(kx) dx = sin(nx) sin(kx) dx π 0 n=1 n! 0 ∫ ∞ ∞ 1 ∑ αn 2π 1 ∑ αn sin(nx) sin(kx) dx = πδkn π n=1 n! 0 π n=1 n! 1 π ∫ 2π αk k! ここで、級数が一様収束するから積分と極限の交換ができるということを用いた。よって、上の級数は f のフー リエ級数である。 問題 13.2. 関数 f (x) = 1 − x2 , x ∈ (−1, 1) を周期 2 を持つように拡張した関数に対しフーリエ級数を求め、得られた フーリエ級数が f に収束するか調べよ。さらに、 1− 1 1 1 1 + 2 − 2 + 2 − ... 22 3 4 5 の和を計算せよ(計算が正しい根拠を述べること)。 ―――――――――――――――――――――――――――――― 関数 f が偶関数であるから、sin の係数は 0 になる。また、 ∫ a0 (1 − x ) dx = 2 = −1 1 = −1 1 (1 − x2 ) dx = 2 ∫ an ∫ 1 0 ∫ 4 3 1 (1 − x2 ) cos(πnx) dx = 2 (1 − x2 ) cos(πnx) dx 0 [ 1 − x2 2x 2 = 2 sin(πnx) − 2 2 cos(πnx) + 3 3 sin(πnx) πn π n π n 4 4 = − 2 2 cos(πn) = 2 2 (−1)n+1 π n π n よって、f のフーリエ級数は ]1 0 ∞ 2 4 ∑ (−1)n+1 + 2 cos(πnx) 3 π n=1 n2 となる。 f が可積で有界変動で連続だから、Jordan-Dirichlet の定理より、フーリエ級数は R において f を周期 2π で 拡張した関数一様収束する。Weierstrass の定理よりも同じことが言える(フーリエ級数の第 n 項目の絶対値が 1/n2 でおさえられるから)。従って、 1 − (x − 2k)2 = ∞ 2 4 ∑ (−1)n+1 + 2 cos(πnx), 3 π n=1 n2 ここで x = 0, k = 0 とすると、 1= つまり、 を得る。 ∞ 2 4 ∑ (−1)n+1 + 2 3 π n=1 n2 ∞ ∑ π2 (−1)n+1 = 2 n 12 n=1 x ∈ [2k − 1, 2k + 1], k ∈ Z
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