W hite Paper GW P Verification - メトラー・トレド - Mettler

GWP®
White Paper GWP® Verification
Good Weighing Practice™
計量機器の
品質保証
はじめに
計量機器にとっての最重要課題は、微量サンプルを信頼できる精度で計量することです。計量機器の
最小計量値を知ることによって、この課題を解決することができます。さらに、定期的な性能検証によ
って、計量結果の妥当性を一貫して保証することができます。最小計量値の決定と機器の性能検証は
どちらも、計量プロセスの品質保証に不可欠です。
保証された精度 - 最小計量値の決定と定期的な校正
正確な結果は、満たすべき品質の要求精度を達成し、許容範囲内に収まっています。これは計量にお
いて、サンプル測定の不確かさが、必要とされる計量精度よりも常に小さくなる必要があることを示し
ています。この規則は、微小サンプルの計量において特に重要な意味を持ちます。相対的な測定の不
確かさは、サンプルのサイズが小さくなるほど増加するからです(図 1)。計量装置には必ずこのよう
な精度に関するしきい値があり、これを最小計量値といいます。最小計量値の決定は、計量プロセス
の品質保証において最も重要なファクターです。最小計量値以上のルーチンテスト用分銅で計量する
限り、精度要件は満たされます。
図 1:
天びんの計量範囲における測定
の不確かさに関する一般的特性
相対的な
不確かさ
サンプル量が小さくになるにつ 絶対的な
れて相対的な不確かさが増加 不確かさ
rel
[%]
微小なサンプルの計量では、相対的
な測定の不確かさが高まり、計量結
果の正確性は保証されません。
計量装置におけるこの精度の
限界が、最小計量値です。
0
サンプル重量 mS [g]
最大ひ
ょう量
測定の不確かさおよび最小計量値は、天びんの設置場所や周囲環境など、さまざまな要因の影響を受
けます。したがって、最小計量値は定期的に評価する必要があります。2 回の校正間における環境の変
化やその他の予測されない影響は、最小計量値の計算に安全係数を適用することで排除できます
(「安全係数」を参照)。
計量機器の定期的な性能検証
校正および最小計量値の決定に加えて、簡単で効果的なルーチンテスト(ユーザーテスト)を定期的
に実行し、計量機器の性能を監視して文書化する必要があります。これによって、計量結果の妥当性
が保証され、予期しない偏差を最小化することができます。
White Paper GWP® Verification
メトラー・トレドの品質保証ソリューション
最小計量値を記載した校正証明書(SCC校正証明書)
校正証明書には、さまざまな計量精度と安全係数に対する測定の不確かさと最小計量値が記載されていま
す。要求精度に適用される最小計量値を選択し、安全係数を掛け、2 回の校正間の誤差を排除します。標準的
なプロセスでは、安全係数 2 が推奨されます。
各計量精度と安全係数別の最小サンプル計量表示値(最小計量値)の表
計量精度
0.1%
0.2%
0.5%
1%
2%
1x(安全係数なし)
0.16497 g
0.08224 g
0.03284 g
0.01641 g
0.00820 g
2x(安全係数 2)
0.33191 g
0.16497 g
0.06575 g
0.03284 g
0.01641 g
3x(安全係数 3)
0.50085 g
0.24819 g
0.09875 g
0.04929 g
0.02462 g
5x(安全係数 5)
0.84489 g
0.41613 g
0.16497 g
0.08224 g
0.04106 g
5%
0.00328 g
0.00656 g
0.00984 g
0.01641 g
図 2: 計量精度 1% で安全係数 2 の場合の最小計量値の関係
(メトラー・トレド SCC校正証明書(Standard Calibration Certificate)より)
性能検証 – GWP® Verification
計量結果の妥当性を確保するには、計量機器に対する明確な校正および管理スキームを確立し、少なくとも
2 つのテスト(必要なテストをすべて)含める必要があります。計量機器のの安全で効果的な性能検証では、
以下の項目が定義されます。
• 計量機器の精度の限界 - 最小計量値
• テスト方法と頻度 - リスクおよび計量プロセス要件に基づく
• テストの許容限度 - 精度および安全係数に基づく
• テスト分銅 - 天びんの特性に基づく
図 3: 計量装置のパフォーマンス検証に対する GWP® Verification の
性能検証結果レポートの例
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©09/2010 Mettler-Toledo K.K.,
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●サービス内容は予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください
グローバル計量ガイドライン GWP® は計量プロセスに関するリ
スクを軽減し、さらに以下のメリットを持っています。
• 適切な天びんの選定
• テスト手順の最適化によるコストの削減
• 最も一般的な規制要件への準拠
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