工学系研究科 MIYARA 機械システム工学専攻 A K I O 宮良 明男 教授 「低 GWP 次世代冷媒の輸送性質測定」 「微細で複雑な流路を有する熱交換器の沸騰・凝縮熱伝達特性」 「地中熱利用ヒートポンプ」 [キーワード] 地 球 伝熱工学,二相流,冷凍空調工学,ヒートポンプ,低 GWP 冷媒,熱物性, 再生可能エネルギー 温 暖 化 防 止 技 術 の 研 究 開 発 研究紹介 ◆研究概要 エネルギーや冷凍空調分野の省エネ技術や地球温暖化防 止技術の進歩に貢献するため,低 GWP 冷媒の活用,熱エ ネルギー伝達技術の高性能化,再生可能エネルギーの有効 利用などのさまざまな研究に取り組んでいます. ◆低 GWP 冷媒の熱物性測定 写真2 冷凍・空調技術は食料の確保や快適な生活空間,また医 療などの最先端技術での利用など,人類の生活に欠かせな いものです.しかし,現在冷凍空調機で使用されている冷 媒は地球温暖化の影響を表す GWP の値が高い冷媒が使用 されており,世界的な協定による規制により近い将来使用 できなくなります.本研究では,低 GWP 新冷媒の実用化 に必要な輸送性質の測定とデータベース化を国際的に連携 しながら行っており,地球温暖化防止に貢献しています. ◆地中熱利用ヒートポンプ 地中熱は再生可能エネルギーの一つであり,地表から 100m 程度までの深さの地中を利用して空調機の省エネを 行う技術です.本研究では,地中に設置する熱交換器や地上 に設置するヒートポンプシステムの低コスト化と高性能化を 目的に研究を進めています. 図1 写真1 扁平多孔管とプレート式熱交換器の実験装置 水平横置スリンキー型地中熱交換器周りの温度分布 熱伝導率測定装置と粘度測定装置 ◆除霜運転時における蒸発器内の冷媒流動 ◆微細で複雑流路を有する熱交換器の沸騰・凝縮熱伝達 現在低 GWP 冷媒の開発が進められていますが,性能低下 や可燃性などの課題があります.それを解決するためには, 性能低下を補う伝熱促進技術の開発と機器に充填される冷 媒量の削減が必要です.本研究では,流路の微細化による冷 媒充填量の削減,複雑流路の採用による伝熱性能の改善を目 的に研究を進めています.具体的には,細径溝付銅管の伝熱 促進,微細流路を有する扁平多孔管やプレート式熱交換器の 高性能化で,伝熱特性の把握や新しい伝熱促進技術の開発を 行っています. 蒸発器に霜が付くと性能が低下するため,除霜運転を行い ます.その基本特性を理解して性能を改善するために,除霜 運転時の蒸発器内の冷媒挙動に関する研究を行っています. ◆ループヒートパイプ(LHP)の伝熱特性 電子機器などの冷却に使用される LHP の蒸発器のウィッ ク構造や流路形状などの改良による,冷却性能の高性能化を 研究しています. 掲載情報 2016 年 12 月現在 産業界や地域の皆様へ 一言アピール 熱が関係する問題は,エネルギー分野や冷凍空調分野だけでなく,生産プロ セスや装置の安定運転・安全確保,医療分野など,さまざまな分野で発生し ていると思います.皆様のご相談をお待ちしています. 産学・地域連携機構より 宮良研究室では,「プレート式熱交換器の沸騰・凝縮熱伝達特性」, 「低 GWP 次世代冷媒の輸 送性質測定」, 「地中熱ヒートポンプシステムに関する研究」など,省エネルギー化技術や地球 温暖化防止技術に関する研究開発を進めています.詳細は,宮良・仮屋研究室 HP をご覧くだ さい.(http://www.me.saga-u.ac.jp/heat/miyara_lab/studies.html) 佐賀大学研究室訪問記 2016 佐賀大学 産学・地域連携機構 (佐賀県佐賀市本庄町1番地) (お問い合せ先) 国立大学法人 佐賀大学 学術研究協力部 社会連携課 TEL:0952-28-8416 E-mail:[email protected]
© Copyright 2024 ExpyDoc