楽読 (ラクヨミ) 2014年12月17日 Vol.902 利回りから考えるJ-REIT価格 ~利益成長に沿う堅調な推移が期待される 相対的に高い分配金利回りが魅力であるJ-REITは、2011年以降堅調な値動きが続き、かつて見られた大幅 な割安感は薄らいでいます。 J-REITの分配金利回りは3.0%(2014年11月末現在)と、国内では依然として高い利回り水準となっているも のの低下傾向にあり、一部では、J-REITの価格は割高との見方があります。ただし、利回りにおける上乗せ 部分(リスクプレミアム)を見た場合、足元のJ-REITは割高とは言い切れないと考えられます。 一般に、投資における利回りは、安全資産の利回り(ベース部分)と、その資産のリスクに応じて上乗せされる 部分(リスクプレミアム)から成り立つとされています。これをJ-REITに当てはめると、ベース部分(一般的に10 年国債利回りに相当)が0.4%程度、上乗せ部分が2.6%ということになります(2014年11月末現在)。J-REIT の場合、この上乗せ部分は、賃料収入の増減や地震などリスクなどを負担する見返りとして獲得できるリタ― ンであるということが出来ます。 J-REITの分配金利回りの上乗せ部分は、米国のサブプライム・ローン問題や世界的な金融危機が落ち着く 過程で徐々に低下し、アベノミクスへの期待が高まった2013年以降は2.5%程度まで低下しています。しかし、 米国のサブプライム・ローン問題が表面化する以前の水準に比べると依然として高く、J-REITが買われすぎ ているとは言い切れません。また、今後は、景況感の改善などによるJ-REITの賃料収入の増加が予想され、 連れて分配金が増えることで利回り水準が改善することも期待されます。これまでのような速度の価格上昇 は考えにくいものの、この先も、収益状況を織り込む形でJ-REITの価格は堅調な推移となると考えられます。 3,000 J-REIT(東証REIT指数)の価格と利回りの推移 12 (%) 2,500 (2004年1月末~2014年11月末、月次) 東証REIT指数(左軸) 10 分配金利回り(右軸) 上乗せ部分は、 米国のサブプライム・ ローン問題以前の 水準を上回る 2,000 8 1,500 6 1,000 4 500 2 利回りの上乗せ部分(分配金利回り-10年国債利回り):右軸 0 2004年1月 2005年7月 2007年1月 2008年7月 2010年1月 2011年7月 2013年1月 0 2014年7月 ※信頼できると判断した情報をもとに日興アセットマネジメントが作成 ※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。 ■ 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資 料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成 時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産に は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。 投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご 覧ください。 1/1
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