マイナス金利で注目されるJ-REIT ~その実力を検証~ マーケットレポート

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マイナス金利で注目されるJ-REIT ~その実力を検証~
■ マイナス金利で注目されるJ-REIT
2016年6月7日
東証REIT指数とTOPIXの推移
日銀によるマイナス金利政策の導入は、多くの投資家の資
産運用姿勢に変化をもたらしつつあるようですが、その中で 130
注目されている資産の1つがJ-REITです。その理由としてマ
イナス金利は、J-REITの資金調達コストの引き下げ、また10 120
年国債利回りがマイナスに沈む中でJ-REITの相対的に高い
利回りの魅力が増す、といったことがあげられます。
110
(2015年12月30日~2016年5月31日、日次)
東証REIT指数
TOPIX(東証株価指数)
実際、日銀がマイナス金利政策導入を発表して以降、海外
投資家がJ-REITの大幅買い越しに動いています。価格面で 100
も年初末から5月末の東証REIT指数は+8.5%上昇と、同時期
の日本株式(TOPIX)▲10.8%下落と比較すると対照的な動
90
きになっています。
しかし今後のJ-REIT投資を考える上で、マイナス金利が優 80
位に働くから、という理由だけでは投資判断として十分ではあ
70
りません。今後、J-REIT投資における基本的なポイントを確
15/12
認しておきます。
16/1
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16/5
(年/月)
※2015年12月30日を100として指数化
※上記指数は配当除く
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジ
メント作成
【今後のJ-REIT投資における基本的なポイント】
「国債との利回り差=リスクプレミアム」
からみた割安・割⾼評価
J-REITの業績改善は続く⾒通し
J-REITの業績改善は続く⾒通し
J-REITの業績は順調です。保有不動産のうち、用途別で
最も多いオフィスは空室率が低下し、賃料単価は上昇傾向
にあります。また、訪日外国人の増加等により、ホテルや商
業施設も概ね好調とみられます。
J-REITは利益の大半を配当として投資家に還元している
ため、利益≒配当と考えることが出来ますが、足もとでは1
口当たり配当金は着実に増加しています。
また、J-REITが行う不動産賃貸ビジネスは、通常、年単位
の契約に基づいた売上(賃料収入)が見込めるため、一般
企業に比べて業績予想の確度が高いと考えられ、2016年
末で約8%程度、2017年末で約6%程度の増配が見込まれ
ており、当面J-REITの業績改善が続くことが見込まれま
す。
一口当たり配当金の推移
(2011年5月末~2016年5月末、月次)
(円)
65
2017年末予測
2016年末予測
60
55
50
45
11/5
12/5
13/5
14/5
15/5
16/5
17/5
(年/月)
※一口当たり配当金は東証REIT指数の一口当たり実績配当の直近
12ヵ月合計、2016年末以降はBloomberg予測
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジ
メント作成
※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当資料は、三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、
証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。
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「国債との利回り差=リスクプレミアム」からみた割安・割⾼評価
J-REITの価格水準の割安・割高評価を行う際の尺度の1つに「国債との利回り差=リスクプレミアム」があります。これ
はJ-REITの配当利回りから10年国債の利回りを差引いたもので、J-REITは国債に比べて価格変動リスクが大きい分、
高い利回り、すなわちリスクプレミアムが求められるという考え方に基づく指標です。
このリスクプレミアムが大きければ割安、小さければ割高と判断されますが、足もとの5月末時点では、3.1%となって
おり、インフレ傾向であった2005年から2007年の平均1.7%と比較すると相対的に割安感があるといえます。また、デフ
レ脱却への期待感が膨らんだ2012年12月以降のリスクプレミアムの平均値2.8%と比較しても、現在の価格水準は「割
安感が強い」と考えられます。
また日本では、デフレ経済の下ではJ-REITの保有不動産が値下がりする懸念もありましたが、2016年3月期でJ-REIT
の含み益が過去最高となる1兆4,765億円となっており、今後のJ-REIT市場の上昇を中長期的に下支えしていくものと
期待されます。
以上から、J-REITはマイナス金利政策の導入で利回り面での魅力が高まっていることに加え、価格面でも期待が高
まっています。
J-REIT配当利回りと10年国債利回りの格差(リスクプレミアム)の推移
(%)
12
(2005年1月末~2016年5月末、月次)
J-REIT配当利回り
リスクプレミアム
インフレ時リスクプレ
ミアムの平均
10
10年国債利回り
デフレ脱却期待
(アベノミクス)以降
(2016年5⽉末現在)
8
リスクプレミアム
3.1%
6
J-REIT
配当利回り
3.0%
4
2
10年国債利回り
▲0.1%
1.7%
0
-2
05/1
06/1
07/1
08/1
09/1
10/1
11/1
12/1
13/1
14/1
15/1
16/1 (年/月)
<デフレ脱却期待(アベノミクス)以降のリスクプレミアムの推移>
(2012年12月末~2016年5月末、月次)
(%)
4.0
リスクプレミアム
デフレ脱却期待(アベノミクス)以降
割安感 強
3.5
2016年5⽉末現在
3.0
リスクプレミアム
3.1%
2.5
デフレ脱却期待
(アベノミクス)以降
平均 2.8%
2016年5⽉末現在、
リスクプレミアム3.1%は
デフレ脱却期待(アベノミクス)
以降の平均2.8%に対して、
「割安感が強い」と考えられます。
割安感 弱
2.0
12/12
13/12
14/12
15/12
(年/月)
※J-REIT配当利回り:東証REIT指数の実績配当利回り
※本ページにおけるインフレ時とは、消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、全国、年平均)が対前年比でマイナスを記録しなかった2005年~2007
年の期間を三井住友トラスト・アセットマネジメントが独自に定義するもので、一般的なインフレ時の定義とは異なります。
※データは小数点以下第2位を四捨五入しています。
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
※上記は過去のデータであり、将来の運用成果を示唆あるいは保証するものではありません。
当資料は、三井住友トラスト・アセットマネジメントが作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではなく、
証券取引の勧誘を目的としたものでもありません。当資料のお取扱いについては最終ページをご覧ください。
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