市販直後調査;pdf

市販直後調査
2015 年 3 月作成(第 1 版)
販売開始後 6 ヵ月間
― 医薬品の適正使用に欠かせない情報です。使用前に必ずお読みください。―
新医薬品の「使用上の注意」の解説
処方箋医薬品注)
COPD 治療剤
(アクリジニウム臭化物吸入剤)
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
1. 閉塞隅角緑内障の患者
[抗コリン作用により、眼圧が上昇し症状が悪化するおそれがある。]
2. 前立腺肥大等による排尿障害がある患者
[抗コリン作用により、尿閉を誘発するおそれがある。]
3. 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
注)注意-医師等の処方箋により使用すること
製造販売元
杏林製薬株式会社
はじめに
エクリラ®(アクリジニウム臭化物)は、ムスカリン受容体 M3 サブタイプに対し高い親和性を
有する拮抗薬で慢性閉塞性肺疾患(以下 COPD)の症状を抑制する持続的気管支拡張薬としてス
ペイン Almirall, S.A.社が創製した長時間作用性抗コリン薬です。
エクリラ®は、吸入投与により有効成分のアクリジニウム臭化物が肺に直接到達し、気道平滑筋の
ムスカリン受容体 M3 サブタイプに競合的に結合することで、気道収縮を抑制し、呼吸機能を改善
します。肺から吸収された後は、非酵素的または血漿中のエステラーゼにより、薬理学的に不活
性な代謝物に速やかに加水分解されます。
また、本剤はジェヌエア®と呼ばれる新規の定量式ドライパウダー吸入器を使用しています。
ジェヌエア®は、操作が簡単で、音と信号の色により正しく吸入できたことを確認できる吸入器で
す。
本剤は、欧米においては 2012 年 7 月に承認され、本邦においては、杏林製薬株式会社により臨床
開発が進められました。
その結果、COPD に対する有効性と安全性が確認されたことから、2015 年 3 月に「慢性閉塞性肺
疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解」を効能・効果として、
エクリラ®400g ジェヌエア®30 吸入用及び 60 吸入用が承認されました。
製品外観
目
次
1.効能・効果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2.用法・用量 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
3.禁忌 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
4.効能・効果に関連する使用上の注意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
5.使用上の注意
[1]慎重投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
[2]重要な基本的注意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
[3]副作用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
(1)重大な副作用(類薬)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
(2)その他の副作用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
[4]高齢者への投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
[5]妊婦、産婦、授乳婦等への投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
[6]小児等への投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
[7]過量投与 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
[8]適用上の注意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
[9]その他の注意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
1.【効能・効果】
慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解
2.【用法・用量】
通常、成人には1回1吸入(アクリジニウム臭化物として400μg)を1日2回吸入投与する。
1
3.【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
1.閉塞隅角緑内障の患者
[抗コリン作用により、眼圧が上昇し症状が悪化するおそれがある。]
2.前立腺肥大等による排尿障害がある患者
[抗コリン作用により、尿閉を誘発するおそれがある。]
3.本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
[解説]
1. 本剤の有する抗コリン作用により瞳孔括約筋が弛緩し、散瞳が起こることにより、さらに隅
角の閉塞が進むことで眼圧を上昇させ、閉塞隅角緑内障患者の症状を悪化させるおそれがあ
ります。
閉塞隅角緑内障の患者には投与を行わないでください。
2. 前立腺肥大等による排尿障害を有する患者に本剤を投与した場合、抗コリン作用により膀胱
平滑筋(排尿筋)の収縮が抑制され排尿障害が悪化することで、尿閉等を起こすおそれがあ
ります。
排尿障害を有する患者には投与を行わないでください。
3. 医薬品の一般的な注意事項として記載しました。本剤の成分(アクリジニウム臭化物、乳糖
水和物)に対して過敏症の既往歴のある患者は、アナフィラキシー等の重篤な過敏症を起こ
すおそれがあります。
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者には投与を行わないでください。
4.[効能・効果に関連する使用上の注意]
本剤は慢性閉塞性肺疾患の症状の長期管理に用いること。
本剤は慢性閉塞性肺疾患の増悪時における急性期治療を目的として使用する薬剤ではない。
[解説]
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の安定期の管理薬は長時間作用性気管支拡張薬が推奨されています。
本剤は、長時間作用性気管支拡張薬であることから、慢性閉塞性肺疾患の症状の長期管理に用い、
増悪時における急性期治療を目的として使用しないでください。
増悪時には抗菌薬、短時間作用性気管支拡張薬、ステロイド薬の全身投与などによる治療を行っ
てください。
-引用文献-
COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン
(日本呼吸器学会 COPD ガイドライン第 4 版作成委員会
2
編)
第4版
5.【使用上の注意】
[1] 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1) 心不全、心房細動、期外収縮の患者、又はそれらの既往歴のある患者
[心不全、心房細動、期外収縮が発現することがある。]
(2) 前立腺肥大のある患者
[抗コリン作用により排尿障害が発現することがある。]
[解説]
(1) 本剤の抗コリン作用により、心拍数増加、心拍出量の増加をもたらし、心臓に過負荷をかけ
るおそれがあります。外国において抗コリン作用による重篤な心房細動、洞不全症候群等の
発現が認められています。また、国内の臨床試験においても非重篤の心房細動、心室性期外
収縮等が認められていることから、心不全、心房細動、期外収縮の患者又はそれらの既往歴
のある患者に対しては、慎重に投与してください。
(2) 本剤の抗コリン作用により膀胱平滑筋(排尿筋)の収縮が抑制され、前立腺肥大患者に排尿
障害を誘発するおそれがあることから、前立腺肥大のある患者に対しては慎重に投与してく
ださい。
[2] 重要な基本的注意
(1) 吸入薬の場合、薬剤の吸入により気管支痙攣が誘発され生命を脅かすおそれがある。気
管支痙攣が認められた場合は、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(2) 本剤は急性増悪の治療を目的としておらず、慢性閉塞性肺疾患に基づく症状を安定させ
るためには、本剤を継続して投与する必要がある。ただし、用法・用量どおり正しく使
用しても効果が認められない場合には、本剤が適当ではないと考えられるので、漫然と
投与を継続せず中止すること。
[解説]
(1) 吸入剤使用時の気管支に対する刺激等により気管支痙攣が誘発されるおそれがあります。気
管支痙攣が発現した場合には、本剤の投与を中止するとともに短時間作用性β2 刺激剤を投与
する等、適切な処置を行ってください。
(2) 慢性閉塞性肺疾患の症状を安定させるため、本剤を用法・用量どおりに継続して吸入するよ
う患者への説明を行ってください。用法・用量どおり継続して治療を行っても、改善が認め
られない場合は、本剤を中止し、他の治療法に切り替えてください。また、本剤は慢性閉塞
性肺疾患の安定期に用いる薬剤であり、急性増悪時に用いる薬剤ではありません。急性増悪
時には抗菌薬、短時間作用性気管支拡張薬、ステロイド薬の全身投与などによる治療を行っ
てください。
3
[3] 副作用
国内で実施された臨床試験において、442例中40例(9.0%)に副作用(臨床検査値異常を含
む)が認められた。主な副作用は、不整脈4例(0.9%)、めまい4例(0.9%)、血中クレアチン
ホスホキナーゼ増加3例(0.7%)、尿中ブドウ糖陽性3例(0.7%)等であった。
外国で実施された臨床試験において、2,700例中260例(9.6%)に副作用が認められた。主
な副作用は、口内乾燥28例(1.0%)、頭痛26例(1.0%)、咳嗽18例(0.7%)等であった。(承
認時)
[解説]
慢性閉塞性肺疾患患者を対象とした国内臨床試験で発現した副作用の集計結果より主な副作用の
発現例数と発現率を掲載しました。
また、外国で実施された臨床試験において発現した主な副作用の発現例数及び発現率を掲載しま
した。
慢性閉塞性肺疾患患者を対象とした国内臨床試験における副作用の発現例数と発現率の詳細は次
ページのとおりです。
4
安全性評価対象症例数
442 例
発現被験者数(%)
40 例(9.0)
副作用発現件数
48 件
副作用の種類
心臓障害
発現件数
(発現率)
5例
*
発現件数
副作用の種類
(発現率)
12 例* (2.7)
臨床検査
(1.1)
心房細動
1 (0.2)
血中クレアチンホスホキナーゼ増加
3 (0.7)
右脚ブロック
1 (0.2)
血中乳酸脱水素酵素増加
1 (0.2)
洞性頻脈
1 (0.2)
血中カリウム増加
2 (0.5)
上室性期外収縮
1 (0.2)
血中尿酸増加
1 (0.2)
心室性期外収縮
1 (0.2)
尿中ブドウ糖陽性
3 (0.7)
*
心電図異常T波
1 (0.2)
好酸球百分率増加
1 (0.2)
耳および迷路障害
2例
(0.5)
耳鳴
1 (0.2)
回転性めまい
1 (0.2)
突発難聴
1 (0.2)
胃腸障害
筋骨格系および結合組織障害
6 例* (1.4)
2 例* (0.5)
筋力低下
1 (0.2)
関節リウマチ
1 (0.2)
4 例* (0.9)
神経系障害
腹部膨満
1 (0.2)
便秘
2 (0.5)
浮動性めまい
2 (0.5)
口内乾燥
1 (0.2)
体位性めまい
1 (0.2)
胃食道逆流性疾患
1 (0.2)
頭痛
1 (0.2)
口内炎
1 (0.2)
感覚鈍麻
1 (0.2)
感染症および寄生虫症
5例
*
1 例* (0.2)
精神障害
(1.1)
毛包炎
1 (0.2)
睡眠障害
口腔カンジダ症
1 (0.2)
歯周炎
1 (0.2)
慢性閉塞性肺疾患
1 (0.2)
肺炎
1 (0.2)
発声障害
2 (0.5)
気道感染
1 (0.2)
呼吸困難
1 (0.2)
口腔咽頭不快感
2 (0.5)
口腔咽頭痛
1 (0.2)
1 (0.2)
呼吸器、胸郭および縦隔障害
7 例* (1.6)
2 例*
(0.5)
そう痒症
1
(0.2)
発疹
1
(0.2)
皮膚および皮下組織障害
*:器官別分類(網掛け部分)は発現例数
(MedDRA/J
5
Ver.15.1)
(1)重大な副作用(類薬)
心房細動(頻度不明)
類薬(抗コリン系薬剤)において心房細動が報告されているので、異常が認められた場合には
投与を中止し、適切な処置を行うこと。
[解説]
類薬の添付文書の記載に合わせて記載しました。
外国において本剤による重篤な心房細動が、国内の臨床試験において非重篤の心房細動が認めら
れています。
本剤の抗コリン作用により心房細動が発現又は悪化するおそれがありますので、異常が認められ
た場合には投与を中止し、適切な処置を行ってください。
(2)その他の副作用
頻度不明※
0.5%以上
呼吸器
発声障害、口腔咽頭不快感、咳嗽※
臨床検査
尿中ブドウ糖陽性、CK(CPK)増加、
鼻咽頭炎、副鼻腔炎、鼻炎
血中カリウム増加
循環器
不整脈
消化器
便秘、口内乾燥※
下痢、歯痛、嘔吐
皮膚
その他
発疹、そう痒症
めまい、頭痛
※
霧視、転倒、尿閉、過敏症、血管浮
腫
※:外国で認められた副作用。
[解説]
慢性閉塞性肺疾患患者を対象とした国内臨床試験で発現した副作用の集計結果より主な非重篤副
作用を掲載しました。また、外国で実施された慢性閉塞性肺疾患患者を対象とした臨床試験にお
ける主な非重篤副作用を掲載しました。
頻度不明の副作用は、外国添付文書に記載された副作用です。
6
[4]高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与する
こと。
[解説]
高齢者は、一般的に生理機能が低下し副作用の発現頻度や副作用の症状が重症化する可能性があ
ることから、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
[5]妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1) 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断
される場合にのみ投与すること。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験(ラット)で胎児に移行す
ることが認められている。]
(2) 授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせ
ること。
[動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが認められている。]
[解説]
(1) 妊婦を対象とした臨床試験は実施しておらず安全性は確立されておりません。動物における
実験では、妊娠ラットに対する静脈内投与(1mg/kg)で胎盤移行が認められています。妊婦又は
妊娠している可能性のある婦人には、患者(母体)に対する有益性と胎児への危険性を充分考慮
し、投与してください。
(2) 授乳婦を対象とした臨床試験は実施しておらず安全性は確立されておりません。動物におけ
る実験では、授乳ラットに対する静脈内投与(1mg/kg)で乳汁移行が認められています。授乳婦
にやむを得ず投与する場合は、授乳を中止させてください。
[6] 小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
(使用経験がない)
[解説]
小児等(低出生体重児、新生児、乳児、幼児)に対する臨床試験は実施しておらず安全性は確立
されておりません。
7
[7]過量投与
徴候・症状:本剤を過量投与した場合、抗コリン作用性の徴候及び症状(口内乾燥、動悸等)
が発現するおそれがある。
処置:対症療法を行うとともに、必要に応じて患者をモニターすること。
[解説]
本剤を過量投与した場合、抗コリン作用性の徴候及び症状が発現する可能性があります。過量投
与による症状が認められた場合には、対症療法を行うとともに必要に応じて患者の状態を確認し
適切な処置を行ってください。
[8] 適用上の注意
(1) 本剤は口腔内からの吸入投与にのみ使用すること。
(2) 本剤の投与にあたって、吸入器の操作方法、吸入方法等の正しい使用方法を患者に十分
に説明すること。(【取扱い上の注意】の項参照)
[解説]
(1) 本剤は口腔内からの吸入によりアクリジニウム臭化物が肺内に到達することで、臨床効果を発
揮します。
(2) 吸入器を使用するにあたり、事前に正しい使用方法を指導してください。
[9] その他の注意
本剤と他の抗コリン作用性気管支拡張剤との併用に関する臨床試験成績はなく、有効性及び
安全性は確立していないことから、併用は推奨されない。
[解説]
本剤と他の抗コリン作用性気管支拡張剤との併用に関する臨床試験は実施しておらず、有効性、
安全性は確立していません。
8