2015年4月 NPPV初級編 - 医療法人 徳洲会 大垣徳洲会病院

発行日 2015.4.20
みなさんこんにちは。大垣徳洲会病院
医療情報誌Medical partnersです。
臨床工学科が発行する
NPPVとは?
NPPV(non-invasive positive pressure ventilation )
非侵襲的陽圧換気とは、人工気道(気管チューブ、気管切開
チューブ)を留置せず、マスク、ヘルメットを用いて口鼻を覆い、上
気道から陽圧換気を行う方法です。
一般的な人工呼吸と違い挿管・切開といった侵襲要素が少ないこ
とから非侵襲的陽圧換気と呼ばれています。
Medical partners
適応と禁忌
侵襲的換気と比較して気道が確保出来ないため適応と禁忌をよく理解しておく必要があります。
NPPVの適応
・48-72時間以内に呼吸状態の改善が期待できる
・意識清明かつ協力的でNPPVに同調できる
・循環動態が安定している
・気道分泌物が、コントロール可能
・禁忌でない
NPPV施行が困難な症例
・心停止、呼吸停止
・血行動態が不安定
・虚血性心疾患や不整脈がある
・非協力的や不穏状態がある場合
・顔面外傷・顔面の手術施行直後、顔面熱傷
・気道が開通していない
・誤嚥の可能性が高い
・上部消化管出血
・重度の低酸素血
・重度の脳症
メリット・デメリット
挿管と比較した場合のメリット・デメリットです。
デメリット
メリット
導入・中断・離脱が容易で簡便
気管挿管や気管切開をしなくてもよい
会話・食事が可能
感染(人工呼吸器関連肺炎:VAP)のリスクを軽減
鎮静剤を軽減できる
在宅での呼吸管理が可能
NPPVの使用中
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気道が確保されない
自発呼吸がある患者さまにのみ使用可能、かつ
協力が不可欠
不快感・リークの増大のため高気道内圧がかけ
られない
マスクの顔面圧迫による皮膚障害が形成され
易い(前頭部・鼻根部の褥瘡の形成)
気管と食道に同時に送気してしまうことによる
呑気・誤嚥
挿管中
在宅呼吸療法、在宅酸素療法
適応症例
NPPVでは挿管換気以上に適応症例
を選びます。
症例に応じた使い分けが重要となっ
てきます。NPPVで対応できないと感
じたらすぐに侵襲喚起に切り替える
必要があります。
急性呼吸不全
推奨度A
COPD急性増悪
・心原性肺水腫
・免疫不全に伴う急性呼吸不全
・肺結核後遺症の急性増悪
推奨度B
・人工呼吸離脱に際しての支援方法
・胸郭損傷
推奨度C
・喘息
・ARDS/ALI、重症肺炎
・間質性肺炎
慢性呼吸不全
推奨度A
・肥満性低換気症候群
推奨度B
・神経・筋疾患
・小児
推奨度C
・COPD(慢性期)
・慢性心不全におけるチェーン・ストークス
呼吸
・拘束性換気障害
慢性呼吸不全患者のうち、低酸素血症に加
えて慢性的に二酸化炭素の蓄積を伴ったⅡ
型呼吸不全には、継続的な補助換気(人工
呼吸療法)が必要となる場合があります。
1998年に在宅におけるNPPVが健康保険
適用になったため、患者さんにやさしい人工
呼吸療法として、NPPV療法は注目されて
います。
在宅におけるNPPV療法を受ける患者数は
年々増えており、対象となる主な疾患は、
1位 COPD(慢性閉塞性肺疾患)
2位 肺結核後遺症
3位 神経筋疾患
となっています。
慢性呼吸不全に対するNPPV療法の治療効
果は、昼間のPaCO2、予後、呼吸困難感、
朝方 の頭痛、倦怠感などが改善することが
報告されています。
問い合わせ先
2015年4月号
臨床工学科 内線 2038
制作・編集担当 中野 路子
坂口 耕一郎