【2015年3月12日】 睡眠の日に向け

Press Release
一般社団法人ボディクロック研究会
2015年3月12日(木)
【親と子の睡眠に関する調査】
小・中・高の子どもの6割以上が夜型生活
~夜型生活による体内時計の乱れが子供の学力、体力低下に影響~
一般社団法人ボディクロック研究会(東京都港区、理事長 内村直尚)は、3月18日(水)の睡眠の日
に向け、全国の母親936名を対象に、親と子の睡眠に関するオンライン調査結果を発表しました。調査
の結果、小中高の子どもの61.3%が夜型の生活を送っていることが明らかになりました。(グラフ1参照)ま
た、夜型、朝型の生活リズムと勉強、運動・スポーツの意欲、得手・不得手の意識との間に相関関係が
見られました。(グラフ2、3参照)
夜型の生活を送る子どもは、61.3%

【グラフ 1】
朝型か夜型かでいえば朝型である(N=936)
親
23.6%
32.2%
31.0%
13.2%
61.3%
子
12.0%
0%

26.7%
20%
とてもあてはまる
37.8%
40%
ややあてはまる
23.5%
60%
あまりあてはまらない
80%
100%
まったくあてはまらない
全体の61.3%の子どもが夜型の生活を送っていることが明らかになった。朝型の子どもは、全体の
38.7%のみであった。

子どもに比べ、親の生活の夜型化は進んでいないものの、全体の44.2%の親が夜型の生活を送っ
ていることが明らかになった。朝型の親は、全体の55.8%であった。

夜型の親における夜型の子どもの割合は76.4%、朝型の親における夜型の子どもの割合は50.6%で
あった。

夜型の子どもは、朝型の子どもに比べ、勉強への意欲が18.6ポイント減
【グラフ 2】
勉強は得意な方だ
勉強をするのは好き
0%
朝型の子
(N=362)
夜型の子
(N=574)
50%
19.3%
100%
39.5%
35.1%
6.1%
-18.6 ポイント
8.0%
32.2%
47.2%
12.5%
0%
朝型の子
(N=362)
夜型の子
(N=574)
50%
16.0%
100%
42.5%
33.7%
7.7%
-18.4 ポイント
9.8%
30.3%
47.4%
12.5%
とてもあてはまる
ややあてはまる
とてもあてはまる
ややあてはまる
あまりあてはまらない
まったくあてはまらない
あまりあてはまらない
まったくあてはまらない

“勉強をするのは好き”と答えた子どもの割合は、朝型の子において58.8%、夜型の子において
40.2%と、朝型の子どもと夜型の子どもでは、勉強に対する意欲に18.6ポイントの差があった。

“勉強は得意な方だ”と答えた子どもの割合は、朝型の子において58.5%、夜型の子において40.1%
と、朝型の子どもと夜型の子どもでは、勉強の得手不得手に関しても18.4ポイントの差があった。
夜型の子どもは、朝型の子どもに比べ、運動・スポーツへの意欲も10.2ポイント減

【グラフ 3】
運動・スポーツは得意な方だ
運動・スポーツをするのは好き
0%
朝型の子
(N=362)
夜型の子
(N=574)

50%
35.1%
37.8%
20.7% 6.4%
-10.2 ポイント
25.1%
37.6%
0%
100%
28.4%
8.9%
朝型の子
(N=362)
夜型の子
(N=574)
50%
24.3%
32.6%
100%
32.6%
10.5%
-12.1 ポイント
17.8%
27.0%
39.2%
16.0%
とてもあてはまる
ややあてはまる
とてもあてはまる
ややあてはまる
あまりあてはまらない
まったくあてはまらない
あまりあてはまらない
まったくあてはまらない
“運動・スポーツをするのは好き”と答えた子どもの割合は、朝型の子において72.9%、夜型の子
において62.7%と、朝型の子どもと夜型の子どもでは、運動・スポーツに対する意欲に10.2ポイン
トの差があった。

“運動・スポーツをするは得意な方だ”と答えた子どもの割合は、朝型の子において 56.9%、夜型
の子において 44.8%と、朝型の子どもと夜型の子どもでは、運動・スポーツの得手不得手に関し
ても 12.1 ポイントの差があった。
ボディクロック(=体内時計)の乱れによる、子どもの学力、体力の低下が明らかに
ボディクロック研究会 理事長を努める、久留米大学 神経精神医学講座 主任教授 内村 直尚
は、「今回の調査結果は、生活の夜型化が子どもに及ぼす影響を如実に表しています。夜型の生活を
送ることにより、ボディクロック(=体内時計)が乱れ、勉強や運動・スポーツにおいて子どもが本来の力
を発揮出来なくなっています。今回の調査で、中学 3 年生以上で夜型の生活を送っている子どもは、
平日と休日の起床時間のズレが 2 時間以上あることが明らかになりました。(グラフ 7 参照)平日と休日
の起床時間の 2 時間以上のズレは体内時計の乱れを引き起こすため、注意が必要です。親の生活習
慣が子どもに影響を与えることは明らかですが、今回の調査結果が示すように、社会全体の夜型化、ス
マートフォンや携帯電話でのメールやゲームによるに夜更かしなど、子どもを取り巻く様々な環境によっ
て、子どもの生活の夜型化が進んでいると考えられます。日本の将来を担う子ども達を、体内時計の乱
れから守り、その子の持つ能力を最大限発揮出来るよう、社会全体での取り組みが必要です。」と述べ
ています。
調査結果詳細は以下のとおり。

朝型の子どもと夜型の子どもでは、平日の睡眠時間に50分の差
【グラフ 4】
朝型の子どもと夜型の子どもの睡眠時間比較(N=924)
睡眠時間
(平日)
8:29
(差:-50 分)
睡眠時間
(休日)
(差:-15 分)
朝型

7:39
9:29
9:14
夜型
夜型の子どもは朝型の子どもに比べ、平日の睡眠時間が50分短く、休日の睡眠時間が15分短
い。

小→中→高の順に夜型は深刻化、高校3年生の79.8%が夜型
【グラフ 5】
朝型か夜型かでいえば朝型である(各N=52)
0%
20%
40%
25.0
小学1~2年
14.4
小学3~4年
20.2
小学5~6年
8.7
26.0
中学1年
9.6
26.0
中学2年
21.2
中学3年 2.9
8.7
13.5
高校1年
9.6
22.1
高校2年
8.7
11.5
高校3年
とてもあてはまる

60%
80%
100%
49.0
24.0
43.3
27.9
ややあてはまる
32.7
33.7
18.3
21.2
26.0
29.8
44.2
38.5
46.2
38.5
39.4
40.4
42.3
76.0%
77.9%
27.9
37.5
あまりあてはまらない
1.9
9.6
79.8%
まったくあてはまらない
学年別に見ると、高校3年生で夜型の割合が最も高く79.8%。次いで、高校1年生で77.9%、中学3
年生で76.0%となった。

学年が上がるに連れ、睡眠時間は短くなる傾向。
高校3年生の平日の睡眠時間が最も短く、6時間48分。
【グラフ 6】
学年別子どもの睡眠時間(N=924)
9:29
小学1~2年
9:14
小学3~4年
8:49
小学5~6年
7:54
中学1年
高校1年
7:00
高校2年
7:03
9:16
8:53
8:39
6:48
高校3年
睡眠時間
(平日)
9:35
9:01
7:30
中学3年
9:47
9:07
7:39
中学2年
9:56
8:29
睡眠時間
(休日)

高校3年生の平日の睡眠時間は、他の学年と比べ最も短く、6時間48分であった。

中学3年生以上の夜型の子どもにおいて、平日と休日の起床時間に2時間以上のズレ
【グラフ 7】
高3
高2
高1
中3
中2
中1 小5~6 小3~4 小1~2
平日と休日の起床時間のズレ(N=924)
全体
朝型
夜型
全体
朝型
夜型
全体
朝型
夜型
全体
朝型
夜型
全体
朝型
夜型
全体
朝型
夜型
全体
朝型
夜型
全体
朝型
夜型
全体
朝型
夜型
0:47
0:44
0:57
0:57
0:51
1:05
1:10
0:52
1:26
1:30
1:05
1:41
1:38
1:19
1:49
1:51
1:21
2:00
2:05
1:42
2:17
1:57
1:43
2:03
2:02
1:45
2:05

中学 3 年生以上の夜型の子どもでは、平日と休日の起床時間に 2 時間以上のズレがあった。

高校 1 年生の夜型の子どものズレが最も大きく、2 時間 17 分であった。

各学年(朝型・夜型)の平日、休日の起床時間、就寝時間は、表1を参照。
【表 1】各学年の平日、休日の平均起床時間、平均就寝時間および平均睡眠時間(N=924)
小学1~2年生
小学3~4年生
小学5~6年生
中学1年生
中学2年生
中学3年生
高校1年生
高校2年生
高校3年生
全体
朝型
夜型
全体
朝型
夜型
全体
朝型
夜型
全体
朝型
夜型
全体
朝型
夜型
全体
朝型
夜型
全体
朝型
夜型
全体
朝型
夜型
全体
朝型
夜型
起床
(平日)
6:39
6:32
6:56
6:42
6:35
6:52
6:41
6:32
6:50
起床
(平日)
6:31
6:24
6:34
6:41
6:24
6:50
6:48
6:33
6:53
起床
(平日)
6:34
6:09
6:41
6:35
6:12
6:46
6:38
6:24
6:42
就寝
(平日)
21:10
20:58
21:44
21:28
21:16
21:46
21:52
21:33
22:10
就寝
(平日)
22:37
22:20
22:55
23:02
22:43
23:12
23:18
22:38
23:30
就寝
(平日)
23:34
22:59
23:44
23:32
23:12
23:41
23:50
22:56
0:04
睡眠時間
(平日)
9:29
9:34
9:12
9:14
9:19
9:06
8:49
8:59
8:40
睡眠時間
(平日)
7:54
8:04
7:39
7:39
7:41
7:38
7:30
7:55
7:23
睡眠時間
(平日)
7:00
7:10
6:57
7:03
7:00
7:05
6:48
7:28
6:38
起床
(休日)
7:26
7:16
7:53
7:39
7:26
7:57
7:51
7:24
8:16
起床
(休日)
8:01
7:29
8:15
8:19
7:43
8:39
8:39
7:54
8:53
起床
(休日)
8:39
7:51
8:58
8:32
7:55
8:49
8:40
8:09
8:47
就寝
(休日)
21:30
21:19
22:03
21:52
21:38
22:13
22:16
21:54
22:35
就寝
(休日)
22:54
22:31
23:07
23:18
22:38
23:30
23:23
22:37
23:27
就寝
(休日)
23:46
23:13
23:55
23:53
23:25
0:06
0:11
23:13
0:25
睡眠時間
(休日)
9:56
9:57
9:50
9:47
9:48
9:44
9:35
9:30
9:41
睡眠時間
(休日)
9:07
8:58
9:08
9:01
9:05
9:09
9:16
9:17
9:26
睡眠時間
(休日)
8:53
8:38
9:03
8:39
8:30
8:43
8:29
8:56
8:22
ボディクロック研究会では、ボディクロックの重要性の啓発のため、『3 次元睡眠診断(3DSS)』、『パフ
ォーマンス向上のためのボディクロックルール』の普及を始めとする、様々な活動や情報発信を継続的
に行って参ります。
<調査概要>
 調査対象者:全国の小学生、中学生、高校生の母親 936 名
(内訳)小学 1-2 年生の母親 104 名、小学生 3-4 年生の母親 104 名、小学生 5-6 年生の母親
104 名、中学 1 年生の母親 104 名、中学 2 年の母親 104 名、中学 3 年生の母親 104 名、高校 1
年生の母親 104 名、高校 2 年生の母親 104 名、高校 3 年生の母親 104 名。
 調査手法:オンライン調査
 調査時期:2014 年 12 月
 監修:ボディクロック研究会 理事長、久留米大学 神経精神医学講座 主任教授 内村 直尚
【ボディクロック研究会について】
ボディクロック(体内時計)の改善により日本の睡眠衛生を向上させ、日本全体の活力やパフォーマンス
を向上させることを目的に、睡眠に関連した専門家が集まり発足した研究会です。ボディクロックと睡
眠、勉強、仕事、美容、食事、運動の関係を探り、パフォーマンスを最大化するために、ボディクロック研
究会では様々な研究や情報発信を行ってまいります。近年、親の生活習慣の乱れにより、日本の将来
の成長を担う子どもの睡眠が脅かされています。ボディクロック研究会では、専門家の深い見識に基づく
情報発信を行い、睡眠教育を推進することで、子どもの睡眠を守り、日本の将来の成長につなげたいと
考えています。
【パフォーマンス向上のためのボディクロックルール】
①“勉強や仕事開始の 3 時間前に起床する”ことでボディクロックを朝型に
②“起床時に朝日を浴びる”ことでボディクロックをリセット
③“朝食を毎日食べる”ことでボディクロックをスタート
④“10 分程度の昼寝を午後 3 時までに取る”ことでボディクロックの微調整
⑤“平日・休日の起床時間を一定にする”ことでボディクロックのズレ防止
【本件に関する報道関係の方のお問い合わせ】
一般社団法人ボディクロック研究会 広報事務局
担当: 岩谷、藤崎 Tel: 03-5561-2920/Fax: 03-5561-2912
Email: [email protected]