2.十分な睡眠が必要なわけ 断眠・不眠 / 睡眠不足の影響 イライラ 認知機能の低下 記憶障害 判断能力低下 幻覚、大あくび ADHD様症状 心拍変動↑ 心疾患リスク↑ 筋肉の反応低下 ふるえ、筋肉痛 免疫機能低下 2型糖尿病の リスク↑ 成長阻害 肥満のリスク↑ 体温低下 睡眠時間が短いと種々の疾病が増加 <5 時間 5~6 時間 7~8 時間 >8 時間 7 時間 (基準) オ ッ ズ 比 肥満 糖尿病 高血圧 高コレステ ロール血症 心筋梗塞 脳卒中 Altman, et al. Sleep Medicine 2012; 13: 1261–1270. の図を改変 十分な睡眠を必要とする6つの理由 学習と記憶: 睡眠は記憶の定着を助ける 学習のあとに眠らないと、眠った場合に比べて試験の成績が悪い 代謝と体重:炭水化物の円滑な代謝には、十分な睡眠が必要 慢性的な睡眠不足に陥ると、炭水化物の代謝に影響するともに 食欲を調節するホルモンレベルも変化し、体重が増加 身体の安全: 睡眠が足りていると、眠くならず、注意を保てる 睡眠が不足すると、日中の眠気が強くなり、産業事故や医療ミス、 交通事故がふえる 気分: 快適な気分を保つために睡眠は重要 眠ってないとイライラし、気が短くなり、集中力は低下、不機嫌になる 心血管系: 十分に眠ることにより、心血管機能が維持される 睡眠障害は高血圧やストレスホルモンの上昇、不整脈などと結びつく 他の疾病: 十分な睡眠は、免疫能の維持や、がんの防御に重要 睡眠が足りないと免疫能が阻害され、キラー細胞の機能も低下 http://www.health.harvard.edu/press_releases/importance_of_sleep_and_health 睡眠時間と学業成績 (ミネソタ大学における検討) GPA GPA 4.0 4.0 3.5 3.5 3.0 3.0 2.5 2.5 R2=0.085 2.0 R2=0.039 2.0 0 1 2 3 4 5 6 睡眠時間が5時間未満の日が 週のうち何日あるか 4 5 6 7 8 9 毎日の平均的な睡眠時間 http://www.psych.umn.edu/sentience/files/Lowry_2010.pdf 10 睡眠時間 vs 不眠を訴える頻度、BMI、死亡率 不 眠 ( 回 / 月 ) 不眠 睡眠薬 男性 睡 眠 薬 服 用 回 数 不 眠 ( 回 / 月 ) BMI (kg/m2 ) BMI (kg/m2 ) 相対 死亡率 相対 死亡率 割合 (%) 割合 (%) 3 4 5 6 7 8 9 10~ 不眠 女性 睡眠薬 睡 眠 薬 服 用 回 数 3 4 5 6 7 8 9 10~ Kripke et al. Arch Gen Psychiatry. 2002; 59: 131-136. 糖尿病患者における睡眠時間と肥満の関係 睡眠時間 BMI平均値 肥満者の頻度 <4.5時間 25.3±4.4 44% 4.5~5.4 24.8±4.5 43% 5.5~6.4 23.9±3.8 32% 6.5~7.4 23.6±3.6 28% 7.5~8.4 23.4±3.4 27% ≧8.5時間 23.4±3.5 27% 肥満のリスク (95%信頼限界) 1.78 ( 1.26 - 2.52 ) 1.80 ( 1.45 - 2.24 ) 1.14 ( 0.95 - 1.35 ) 1.00 ( 基準値 ) 1.09 ( 0.90 - 1.31 ) 1.24 ( 0.97 - 1.58 ) Ohkuma, et al. Diabetes Care 2013; 36: 611-7. 睡眠不足は食欲と満腹感に影響 眠らせなかった群 脳 局 所 の 活 動 普通に眠らせた群 前部 全頭葉 前部 帯状回 眼窩部 島皮質 自覚的な空腹感 実験室 到着時 MRI 撮像前 扁桃体 線条体 扁桃体 腹測部 睡眠不足に陥ると、食欲や 満腹感を評価する諸領域の 活動が低下、欲求や渇望を もたらす部位の活動が亢進 食べ物に対する 欲求の程度 低カロリー 高カロリー 食品 食品 高 カ ロ リ ー 食 品 へ の 欲 求 自覚的な眠気の程度 Greer, et al. Nature Communications http://www.nature.com/ncomms/2013/130806/ncomms3259/full/ncomms3259.html#references 睡眠時間と精神疲労 100 80 60 40 20 - + - + - + - + - + - + - + < 5時 間 6 5~ 7 精神疲労:低 (K10≦21) 6~ 8 7~ 9 8~ 新たに発生 6 < 5時 間 5~ 7 6~ 8 7~ 9 8~ 10 9~ 1年間の追跡 精神疲労:高 (K10>21) 10 時 間 70 60 50 40 30 20 10 0 9~ ≧ 10 時 間 0 ≧ 10 精 神 疲 労 が 認 め ら れ る 割 合 (%) ずっと見られる Glozier, et al. SLEEP 2010; 33: 1139-1145. 十分に眠っている人は前立腺がんリスクが低い 大崎国保コホート研究 前他 立の 腺要 が因 んの 罹影 患響 リを ス除 クい た 後 の 全罹患者を含む分析 3年以内の罹患者を除く 2.5 2.5 2.0 2.0 1.5 1.5 基準 1.0 1.0 0.5 0.5 0.0 0.0 ≦6 7~8 睡眠時間 ≧9 hr 基準 ≦6 7~8 ≧9 hr 睡眠時間 Kakizaki, et al. Br J Cancer. 2008; 99: 176-8. http://www.pbhealth.med.tohoku.ac.jp/node/325 睡眠時間と血圧の関係 睡眠時間 <6時間 血圧平均値 132.2/75.2 6~<7時間 130.5/75.0 7~<8時間 128.4/74.3 8~<9時間 130.5/73.9 ≧9時間 133.0/73.0 高血圧のリスク (95%信頼限界) 1.66 (1.35 - 2.04) 1.19 (1.02 - 1.39) 1.00 ( 基準値 ) 1.19 (1.04 - 1.37) 1.30 (1.04 - 1.62) Gottlieb, et al. Sleep 2006; 29: 1009-1014. 睡眠時間と心血管事故の関係 心 血 管 事 故 を 起 こ さ ず に い る 割 合 ( % ) 100 80 60 40 睡眠中に血圧が上昇する人は 心血管事故を起こしやすい。 その中でも睡眠時間が短いと、 事故発症リスクがさらに高まる。 睡眠中に血圧は上昇せず <7.5時間 >7.5時間 睡眠中に血圧が上昇 <7.5時間 >7.5時間 20 0 24 48 72 96 120 (月) Eguchi, et al. Arch Intern Med. 2008;168(20):2225-2231.
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