幾何学序論2 K.Ichihara Rn の連続写像 幾何学序論2 ε-近傍 Rn の同相写像 練習問題 第4章 ユークリッド幾何学と位相幾何学 4.4 Rn の連続写像 市原一裕 2014 年 10 月 20 日(月)2,4限 1 / 10 小テスト 幾何学序論2 K.Ichihara Rn の連続写像 ε-近傍 1. n 次元ユークリッド空間の定義をかきな さい. Rn の同相写像 練習問題 2. R3 上の原点を中心とした点対称移動は等 長写像になることを示しなさい. 3. F ((x, y, z)) = (x, y) で定義される写像 F : R3 → R2 は等長写像でないことを示 しなさい. 2 / 10 Rn の連続写像 幾何学序論2 K.Ichihara Rn の連続写像 ε-近傍 定義 4.4.1【連続写像(continuous map)】 Rn の同相写像 練習問題 X ⊂ Rn ,Y ⊂ Rm とし,f : X → Y とし,a ∈ X とする. このとき,f が a において連続である とは,次が成り立つ こと. f が a において連続 ⇔ ∀ε > 0, ∃δ > 0 s.t. d(n) (x, a) < δ (ただし,x ∈ X) ⇒ d(m) (f (x), f (a)) < ε さらに,∀a ∈ X において f が連続であるとき,f は X 上 で連続,または,単に,f は連続写像であるという. 3 / 10 注意 幾何学序論2 K.Ichihara Rn の連続写像 ε-近傍 Rn の同相写像 注意 4.4.1 練習問題 n = m = 1 のときは,1次元のときの定義と全く一致. 注意 4.4.2 高校のときのように,lim を使って定義する方法もある.そ のためには「数列」のかわりに「点列」を考える必要があ る.詳しくは,次の章で. 4 / 10 ε-近傍 幾何学序論2 K.Ichihara 定義 4.4.2【ε-近傍(ε-neighborhood)】 ε > 0 に対して,x ∈ Rn の(Rn における)ε-近傍とは,次 の集合のこと. Rn の連続写像 ε-近傍 Rn の同相写像 練習問題 N (x, ε; Rn ) = {y ∈ Rn | d(n) (x, y) < ε} 5 / 10 ε-近傍 幾何学序論2 K.Ichihara 定義 4.4.2【ε-近傍(ε-neighborhood)】 ε > 0 に対して,x ∈ Rn の(Rn における)ε-近傍とは,次 の集合のこと. Rn の連続写像 ε-近傍 Rn の同相写像 練習問題 N (x, ε; Rn ) = {y ∈ Rn | d(n) (x, y) < ε} 注意 4.4.3 境界は含まれないので,より正確に「ε-開近傍」といった り,また3次元のときのイメージで「ε-開球(ε open ball)」 というときもある. 注意 4.4.4 N (x, ε; Rn ) のセミコロンの後(Rn )は,前後関係から明ら かにわかるときは省略してもよい(するかもしれない). 5 / 10 連続写像の定義の言い換え 幾何学序論2 K.Ichihara Rn の連続写像 定義 4.4.3【連続写像の定義の言い換え】 f : Rn → Rm とし,a ∈ Rn とする.このとき, ε-近傍 Rn の同相写像 練習問題 f が a において連続 ⇔ ∀ε > 0, ∃δ > 0 s.t. x ∈ N (a, δ) ⇒ f (x) ∈ N (f (a), ε) さらに,∀a ∈ Rn において f が連続であるとき, f は Rn 上で連続,または,f は連続写像であるという. 注意 4.4.5 定義域と値域が Rn と Rm の部分集合になる場合は,次の 節で考える. 6 / 10 Rn の同相写像 幾何学序論2 K.Ichihara Rn の連続写像 ε-近傍 定義 4.4.4【同相写像(homeomorphism)】 写像 f : Rn → Rn が,同相写像であるとは,f が全単射で 連続写像,かつ,f の逆写像 f −1 も連続写像となること. Rn の同相写像 練習問題 7 / 10 Rn の同相写像 幾何学序論2 K.Ichihara Rn の連続写像 ε-近傍 定義 4.4.4【同相写像(homeomorphism)】 写像 f : Rn → Rn が,同相写像であるとは,f が全単射で 連続写像,かつ,f の逆写像 f −1 も連続写像となること. Rn の同相写像 練習問題 問題 境界を含む円板(閉円板){(x, y) ∈ R2 | x2 + y 2 ≤ 1} と 境界を含まない円板(開円板){(x, y) ∈ R2 | x2 + y 2 < 1} は,平面 R2 の同相写像で移り合うだろうか? 7 / 10 開集合と閉集合 幾何学序論2 K.Ichihara Rn の連続写像 ε-近傍 Rn の同相写像 練習問題 定義 4.4.5【開集合(open set) ・閉集合(closed set)】 U ⊂ Rn が開集合であるとは,任意の a ∈ U に対して, ある ε > 0 が存在して,N (a, ε) ⊂ U が成り立つこと. F ⊂ Rn が閉集合であるとは,R − F が開集合であること. 8 / 10 連続関数と開集合・閉集合 幾何学序論2 K.Ichihara Rn の連続写像 ε-近傍 Rn の同相写像 練習問題 定理 4.4.1【連続関数と開集合・閉集合】 関数 f : Rn → Rm に対して,f が Rn 上の連続関数 ⇔ 終域 Rm の任意の開集合 V に対して,f による V の逆 像 f −1 (V ) が Rn の開集合. ⇔ 終域 Rm の任意の閉集合 W に対して,f による W の逆 像 f −1 (W ) が Rn の閉集合. 9 / 10 練習問題 練習問題 4.4.1 f ((x, y)) = x で定義される写像 f : R2 → R が点 (1, 2) において 連続写像であることを示しなさい. 練習問題 4.4.2 幾何学序論2 K.Ichihara Rn の連続写像 ε-近傍 Rn の同相写像 練習問題 f ((x, y)) = (2x, 2y) で定義される写像 f : R2 → R2 が原点 (0, 0) において連続写像であることを示しなさい. 練習問題 4.4.3 R2 の x 軸に沿った平行移動は同相写像になることを示しなさい. 練習問題 4.4.4 {(x, y, z) ∈ R3 | x2 + y 2 + z 2 < 1} は R3 内の開集合であることを 示しなさい. 練習問題 4.4.5 {(x1 , x2 , · · · , xn ) ∈ Rn | xn ≤ 0 } は Rn 内の閉集合であることを 示しなさい. 10 / 10
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