幾何学序論1 K.Ichihara 像と逆像 像とは 像と包含関係 逆像とは 逆像と包含関係 幾何学序論1 像と逆像と包含関係 合成写像 合成写像とは 写像の合成と結合律 練習問題 市原一裕 2015 年 5 月 25 日(月)2 限 1 / 10 小テスト 幾何学序論1 K.Ichihara 像と逆像 1. 値域と終域が等しくないような写像の例 を挙げなさい. 像とは 像と包含関係 逆像とは 逆像と包含関係 像と逆像と包含関係 合成写像 2. f (x) = x で定義される関数 f : Z → R と, g(x) = [x]([ ] はガウス記号)で定義され る関数 g : Z → R が,写像として等しい ことを示しなさい. 合成写像とは 写像の合成と結合律 練習問題 3. 包含写像 iZ : Z → Q に対して,制限写像 iZ |N の定義域と値域を求めなさい. 2 / 10 像の定義 写像 f : X → Y を考える. 定義 2.2.1【像(image)】 幾何学序論1 K.Ichihara 像と逆像 像とは 像と包含関係 X の要素 x に対して, f (x) ∈ Y で決まる Y の要素を f による x の像という. 逆像とは 逆像と包含関係 像と逆像と包含関係 合成写像 合成写像とは X の部分集合 A に対して, {f (a) ∈ Y | a ∈ A} で決まる Y の部分集合を f による A の像といい,f (A) とかく. 写像の合成と結合律 練習問題 注意 f による定義域 X の像を(単に)f の像といい, f (X) とかく.これはつまり f の値域のこと. 注意 2.2.1 f (A) は Y の要素ではなくて部分集合であることに注意! ! 3 / 10 像と包含関係 幾何学序論1 K.Ichihara 像と逆像 像とは 像と包含関係 逆像とは 定理 2.2.1 A,B を集合とし,f : A → B を写像とする. A の部分集合 A1 ,A2 に対して,次が成り立つ. 逆像と包含関係 像と逆像と包含関係 合成写像 合成写像とは 写像の合成と結合律 練習問題 1. A1 ⊂ A2 ⇒ f (A1 ) ⊂ f (A2 ) 2. f (A1 ∪ A2 ) = f (A1 ) ∪ f (A2 ) 3. f (A1 ∩ A2 ) ⊂ f (A1 ) ∩ f (A2 ) 4. f (A1 − A2 ) ⊃ f (A1 ) − f (A2 ) 4 / 10 逆像とは 写像 f : X → Y を考える. 定義 2.2.2【逆像(inverse image)】 幾何学序論1 K.Ichihara 像と逆像 像とは 像と包含関係 Y の要素 y に対して, {x ∈ X | y = f (x) ∈ Y } で決まる X の部分集合を f による y の逆像という.記号では f −1 (y) であらわす. 逆像とは 逆像と包含関係 像と逆像と包含関係 合成写像 合成写像とは 写像の合成と結合律 Y の部分集合 B に対して, {x ∈ X | f (x) ∈ B} で決まる X の部分集合を f による B の逆像という.記号では f −1 (B) であらわす. 練習問題 注意 2.2.2 f −1 とかいても,逆写像ではない.f −1 (x) でひとつの記号. そして,f −1 (x) は X のひとつの要素ではなくて部分集合 であることに注意! ! また B の逆像を考える時,B は f の像 f (X) に入っていな くても良い.例えば,y ∈ / f (X) のとき,f −1 (y) = ∅ となる. 5 / 10 逆像と包含関係 幾何学序論1 K.Ichihara 像と逆像 像とは 像と包含関係 逆像とは 定理 2.2.2 A,B を集合とし,f : A → B を写像とする. B の部分集合 B1 ,B2 に対して,次が成り立つ. 逆像と包含関係 像と逆像と包含関係 合成写像 合成写像とは 写像の合成と結合律 練習問題 1. B1 ⊂ B2 ⇒ f −1 (B1 ) ⊂ f −1 (B2 ) 2. f −1 (B1 ∪ B2 ) = f −1 (B1 ) ∪ f −1 (B2 ) 3. f −1 (B1 ∩ B2 ) = f −1 (B1 ) ∩ f −1 (B2 ) 4. f −1 (B1 − B2 ) = f −1 (B1 ) − f −1 (B2 ) 6 / 10 像と逆像と包含関係 幾何学序論1 K.Ichihara 像と逆像 像とは 像と包含関係 逆像とは 逆像と包含関係 像と逆像と包含関係 定理 2.2.3 合成写像 合成写像とは f : X → Y を写像とし,A ⊂ X ,B ⊂ Y とするとき,次が 成り立つ. 写像の合成と結合律 練習問題 1. f −1 (f (A)) ⊃ A 2. f (f −1 (B)) ⊂ B 7 / 10 合成写像とは 幾何学序論1 K.Ichihara 像と逆像 像とは 像と包含関係 逆像とは 逆像と包含関係 像と逆像と包含関係 合成写像 定義 2.3.1【合成写像(composition map)】 f : X → Y と g : Y → Z という 2 つの写像に対し, f と g の合成写像 g ◦ f : X → Z を, g ◦ f (x) := g(f (x)) と定義する. 合成写像とは 写像の合成と結合律 練習問題 8 / 10 写像の合成と結合律 幾何学序論1 K.Ichihara 像と逆像 像とは 像と包含関係 逆像とは 定理 2.3.1 逆像と包含関係 像と逆像と包含関係 f : X → Y ,g : Y → Z ,h : Z → W とするとき, 合成写像 合成写像とは 写像の合成と結合律 (h ◦ g) ◦ f = h ◦ (g ◦ f ) 練習問題 注意 2.3.1 この定理から,(h ◦ g) ◦ f および h ◦ (g ◦ f ) のことを, h ◦ g ◦ f と書いても大丈夫ということ. 9 / 10 練習問題 幾何学序論1 練習問題 2.3.1 f : R → R,f (x) = x2 + 2 とするとき,次の集合の像と逆像を求 めなさい. A1 = [0, 1] , A2 = (2, 3] , A3 = (4, 5) K.Ichihara 像と逆像 像とは 像と包含関係 逆像とは 逆像と包含関係 像と逆像と包含関係 合成写像 合成写像とは 練習問題 2.3.3 写像 f : X → Y とし,B1 と B2 を Y の部分集合とする.このと き,次を証明しなさい. 写像の合成と結合律 練習問題 f −1 (B1 ∩ B2 ) ⊃ f −1 (B1 ) ∩ f −1 (B2 ) 練習問題 2.3.4 f : R → R,f (x) = 2x + 3 と,g : R → R,g(x) = x2 + x + 1 に ついて,次に答えなさい. ▶ g ◦ f ,f ◦ g ,f ◦ f ,g ◦ g を式であらわしなさい. ▶ f ◦ f ◦ · · · ◦ f (n 個の合成)を式であらわしなさい 10 / 10
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