課題解答例 5 月 2 日分 1.エンタルピーは、ギブズエネルギーを使って、 H = G + TS と書くことが出来るので、二成分系において組成変化まで考慮した微分を考 えると、 dH = dG + TdS + SdT = TdS + SdT + (Vdp − SdT + µ A dnA + µ B dnB ) = TdS +Vdp + µ A dnA + µ B dnB よって、S, p 一定の条件で微分することにより、 " ∂H % " ∂H % = µ A, $ = µB $ ' ' # ∂nA &S, p,nB # ∂nB &S, p,nA ヘルムホルツエネルギーは、ギブズエネルギーを使って、 A = U − TS = (G − pV + TS ) − TS = G − pV と書くことが出来るので、二成分系において組成変化まで考慮した微分を考 えると、 dA = dG − pdV −Vdp = (Vdp − SdT + µ A dnA + µ B dnB ) − pdV −Vdp = −SdT − pdV + µ A dnA + µ B dnB よって、T,V 一定の条件下で微分することにより、 " ∂A % " ∂A % = µ A, $ = µB $ ' ' # ∂nA &V ,T ,nB # ∂nA &V ,T ,nA が得られる。 上記を一般的に書き直すと、 " ∂H % " ∂A % = µJ , $ = µJ $ ' ' # ∂nJ &S, p,n' # ∂nJ &V ,T ,n' 2.(1) 問題誤植。正しくは、 「ここで、V、n1、n2 はそれぞれ全体積、メタノール物 質量、水物質量である」 メタノールの重量分率を w とすると、1 [g]中に含まれる水およびメタノー ルの重量[g]は、それぞれ、 水:1-w [g]、メタノール:w [g] なので、含まれる水およびメタノールの物質量[mol]は、 水:(1-w)/18.02 [mol]、メタノール:w/32.04 [mol] であるので、メタノールのモル分率 x は、 w 32.04 x= 1− w w + 18.02 32.04 で計算できる。 平均モル体積は、定義により v Vm = 1− w w + 18.02 32.04 で求められる。ただし、v[cm3/g]は比容である。 以上により、問題の表を完成させると下記のとおり。 溶液 1g 中に含まれる メタノールの物質 水の物質量 量 メタノール 重量分率 比容 / cm3·g-1 Vm /cm3·mol-1 メタノールの モル分率 0 1.002 0.05549 0 18.06 0 0.2 1.038 0.04440 0.006242 20.50 0.1233 0.4 1.079 0.03330 0.01248 23.57 0.2727 0.6 1.127 0.02220 0.01873 27.54 0.4576 0.8 1.189 0.01110 0.02497 32.97 0.6923 1 1.267 0 0.03121 40.60 1 (2) Vm を x に対してプロットすると、下図の赤丸のようになる。 直線(黒実線)と比べるとやや下に凸である。 x=0.5 における接線を引き、接線と縦軸との切片を求めると、モル分率 50% における水およびメタノールの部分モル体積は、それぞれ、 水:17.24 cm3/mol 45 メタノール:39.77 cm3/mol である。 40 Vm 35 30 25 20 15 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 メタノールモル分率, x 1.0 【接線を引いた切片が部分モル体積になる理由】 メタノールの部分モル体積 VMeOH は、定義より、 " ∂V % VMeOH = $ ' # ∂n1 &n 2 さらに、全体積 V を平均モル体積 Vm で表すと " ∂ (Vm ( n1 + n2 )) % ' VMeOH = $$ ' ∂n 1 # &n2 (1) " ∂Vm % = Vm + ( n1 + n2 ) $ ' # ∂n1 &n2 x=n1/(n1+n2)なので、 " ∂Vm % dV " ∂x % $ ' = m$ ' dx # ∂n1 &n # ∂n1 &n 2 2 =− n2 (n1 + n2 ) 2 dVm dx これを(1)に代入すると、 VMeOH = Vm − ( n1 + n2 ) n2 (n1 + n2 ) 2 dVm dx n2 dVm n1 + n2 dx dV = Vm − (1− x) m dx この式は、接線の縦軸との切片が部分モル体積になることを示している(下 図参照)。 = Vm − x Vm 1-x dVm dx 0 x 1 ,x
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