Bu l l .o fYa ma g a t aUn i v . ,Na tSc i . ,Vo l . 1 8 ,No .1 ,Fe b .2 0 1 4 山形県の河川における淡水生プラナリアの分布 庄司 潔,内藤紀積,岡野将之,佐々木健吾,中内祐二* ( Re c e i v e dAu g u s t5 ,2 0 1 3 ) 要 旨 本研究では山形県の河川における淡水生プラナリアの分布とその生息環境 の調査を行った。調査は、茨山形盆地、芋蔵王山麓、鰯白鷹丘陵周辺の最上川 中流域河川系、允鳥海山南麓の月光川、日向川河川系、印庄内平野南部・真 耶山系西部の三瀬川、五十川、温海川、庄内小国川、鼠ケ関川河川系、およ び咽山形県西置賜郡小国町周辺の荒川上流域河川系、の6調査区について行 い、プラナリアの生息が認められた地点の標高と水温等の環境条件の記録を 行った。これらの調査区ではナミウズムシ(Duge s i aj aponi ca)、カズメウズ ムシ(Se i dl i aaur i cul at a)、ミヤマウズムシ(Phagocat avi vi da)、イズミオ オウズムシ(Bde l l ocephal abr unnea)の4種のウズムシ類の生息が確認され た。生息が確認された地点の標高と水温の範囲はそれぞれ、ナミウズムシは 標高 1 5―7 3 6 m;水温 7 . 4―2 2 . 5 ℃、カズメウズムシは標高 1 2 0―1 , 4 4 0 m;水温 5 . 7―1 8 . 7 ℃、ミヤマウズムシは標高 4 2 6―1 , 1 1 0 m;水温 8 . 3―1 4 . 2 ℃、イズミオ オウズムシは標高 8 4― 4 6 5 m;水温 1 1 . 2― 2 5 . 6 ℃ であった。多数の地点でプラ ナリアの生息が確認された山形市周辺の3地域についてプラナリアの垂直分 布パターンを川勝(1 9 6 5 ;1 9 6 7 )の表記法に従って表記したところ、ナミウ ズムシ(J)、 カズメウズムシ(A)、 ミヤマウズムシ(V)、イズミオオウ ズムシ(B)と表した場合、山形盆地:J B、蔵王山麓:J BJ J VJ VAVAA、 白鷹丘陵:J AJ BAVJ AVJ AAとなった。 * 山形大学理学部生物学科 〒 9 9 0― 8 6 5 0 山形市小白川町1―4―1 2 (電話:0 2 3― 6 2 8― 4 6 2 2 ; Fa x:0 2 3― 6 2 8― 4 6 2 5 ; Ema i l :yuni @s c i . kj . ya ma ga t a u. a c . j p) 1 庄司 潔、内藤紀積、岡野将之、佐々木健吾、中内祐二 1 はじめに 扁形動物門渦虫綱三岐腸目に属する淡水生ウズムシ類は一般に“プラナリ ア”として知られ、その再生能力の高さから古くから再生現象の研究材料と して注目をされている。プラナリアは物理的傷害への抵抗性が極めて高い反 面、体の構造上、体壁表面と体全体に張り巡らされた腸管表面を介して広い 範囲で生育環境水に接することから水環境の影響を受け易く、生育に適さな い水環境に曝されると短時間の内に死滅する。このため、プラナリアは一般 に清流に住む動物とされ、河川の水質調査における「きれいな水」の指標生 物として用いられている。 山形県内には河川法に定められる一級河川3水系(最上川、赤川、荒川) および二級河川 1 7水系(月光川、日向川、三瀬川、五十川、温海川、庄内小 国川、鼠ケ関川など)を始め多くの水系が県内全域に渡り存在する。最上川、 赤川、荒川水系の水質はいずれも良好であり、国土交通省水管理・国土保全 局河川環境課より発表された「平成 23年全国一級河川の水質現況」(2 0 1 2 ) によると、これら3水系の生物化学的酸素要求量(BOD)7 5 %値はいずれも 1 . 0mg/ℓ以下で、新しい水質評価基準において“豊かな生態系”の項目で も「生物の生息・生育・繁殖環境として非常に良好」として最上位のAラン クに分類されている。この様に良好な水環境に恵まれた山形県内の河川には プラナリアが広く分布しており、先行研究により最上川水系においてはナミ s i aj aponi ca)、カズメウズムシ(Sei dl i aaur i cul at a)、ミヤ ウズムシ(Duge gocat avi vi da)、 イ ズ ミ オ オ ウ ズ ム シ(Bdel l ocephal a マ ウ ズ ム シ(Pha br unnea) の4種が生息することが報告されている(大津、2003)。しかし、 東北地方におけるプラナリアの生息状況に関しては数多くの報告がなされて いる(手代木ら、1 9 7 8 a 、1 9 7 8 b; Kawaka t s u、 1 9 6 5 、1 9 6 7 ;川勝ら、1 9 8 5 ) のに対し、山形県内において、最上川水系以外の河川におけるプラナリアの 生息状況に関する情報は乏しいのが現状である。 本報告では山形県内におけるプラナリアの生息状況の詳細な記録を目的と し、1 9 9 3年以降、継続して実施したプラナリアの分布調査の結果を基に、山 形県および近隣地域における淡水生プラナリアの分布状況を記載する。 2 調査方法 プラナリア類は腹部繊毛を用いた移動および河川の水流による流下により 分布域を広げていると考えられることから、調査域を決めるに当たり県内を 流れる主な河川の水系分布状態を考慮し、それぞれ独立した河川系を含む以 下の6つの調査区域を設定した(図1)。 ①山 形 盆 地 エ リ ア:最上川上流水系 ②蔵 王 山 麓 エ リ ア:奥羽脊梁山地(面白山から神室岳の山形県側)から 蔵王火山群 2 山形県の河川における淡水生プラナリアの分布 ③白 鷹 丘 陵 エ リ ア:白鷹火山の北側山地帯 ④鳥海山南麓エリア:庄内平野北部の月光川および日向川水系 ⑤摩 耶 山 系 エ リ ア:摩耶山系およびその西側の河川群(五十川、温海川、 庄内小国川、鼠ケ関川)水系 ⑥荒川上流域エリア:山形県小国町の荒川上流域水系 5 , 0 0 0地形図を基に各調 それぞれの区域において、国土地理院発行の1/ 2 査区内を流れる河川系を構成する河川を抽出し、河川を網羅する様に調査地 点を設定した。各地点において、河川内の転石や落ち葉、プラスチックゴミ や人工構造物の下部平面等、プラナリア類の活動に適した物体裏面を探索し、 捕獲されたプラナリアの有無と種、標高、水温を記録した。 山形県におけるプラナリア分布図の作成には、国土地理院の We bサイト 「電子国土ポータル」(ht t p: / / po r t a l . c ybe r j a pa n. j p/ )で公開されている Web システム「電子国土 We b. NEXT」 (ht t p: / / po r t a l . c ybe r j a pa n. j p/ s i t e / ma pus e 4 / i nde x. ht ml )を用い、ナミウズムシ、カズメウズムシ、ミヤマウズムシ、イ ズミオオウズムシのそれぞれについて、捕獲地点を地図上に表記した。 3 調査結果 山形盆地エリアで 10地点(表1)、蔵王山麓エリアで 40地点(表2)、白 鷹丘陵エリアで 10地点(表3)、摩耶山系エリアで 22地点(表4) 、鳥海山 南麓エリアで5地点(表5) 、荒川上流水系エリアで2地点(表6)の計 8 9 地点で、ナミウズムシ、カズメウズムシ、 ミヤマウズムシ、 イズミオオウ ズムシの4種のプラナリアの分布が確認された。この結果を基に山形県およ びその周辺地域における淡水生プラナリアの分布状況を、ナミウズムシ(図 2)、カズメウズムシ(図3)、ミヤマウズムシ(図4)、イズミオオウズムシ (図5)についてそれぞれ示した。 茨 各調査区域におけるプラナリアの分布状況 i)山形盆地エリア ナミウズムシおよびイズミオオウズムシがそれぞれ8地点で分布が確認 された(表1)。ナミウズムシは馬見ヶ崎川および村山高瀬川、村山野川水 系など、盆地全域に渡る広い範囲で分布が認められた(図2)のに対し、 イズミオオウズムシは村山野川支川の他、馬見ヶ崎川および村山高瀬川流 域の限られた範囲でのみ確認された(図5)。山形市双月の馬見ヶ崎川を始 め6地点(表1:Y0 1 、Y02 、Y03 、Y04 、Y05 、Y08 )で、ナミウズムシ とイズミオオウズムシの共在が認められた。両種の分布が確認された地点 7 0 m;1 1 . 0―2 5 . 6 ℃、イズミ の標高と水温はそれぞれ、ナミウズムシが 8 5―1 オオウズムシが 8 4―1 7 0m;1 1 . 2―2 5 . 6 ℃であった。 3 庄司 潔、内藤紀積、岡野将之、佐々木健吾、中内祐二 ⅱ)蔵王山麓エリア 4 0地点でプラナリア類の分布が確認された(表2)。確認された種と地 点数はそれぞれ、ナミウズムシが 19地点、カズメウズムシが 20地点、ミ ヤマウズムシが9地点、イズミオオウズムシが1地点であった。宮城県刈 田郡七ヶ宿町の横川水系3地点(表2:Z3 5 、Z3 6 、Z3 7 )を含む6地点で カズメウズムシとミヤマウズムシの共在が認められ、山形市関沢の村山高 瀬川の2地点(表2:Z0 9 、Z1 0 )でナミウズムシとミヤマウズムシ、山形 市関沢の滑川の1地点(表2:Z1 3 )でナミウズムシとカズメウズムシの 共在が確認された。 0 0 m の山腹部分に分布が認められ ナミウズムシは山麓の標高約 2 0 0― 8 , 5 0 0 m(図3、6)、ミヤマウ (図2、6)、カズメウズムシは標高約 4 0 0―1 , 1 0 0 m(図4、図6)に分布が認められた。イズミオオ ズムシは標高 4 0 0―1 ウズムシの認められた山形市釈迦堂の馬見ヶ崎川の1地点(表2:Z0 7 ) は標高 21 0 m と標高が低く、山形盆地と蔵王山麓の調査区の境界付近に位 置する(図5)。 それぞれの種の分布が確認された地点の標高と水温は、ナミウズムシが 3 6 m;7 . 5―2 2 . 5 ℃、カズメウズムシが 45 0―1 , 4 4 0 m;5 . 7―1 4 . 0 ℃、ミヤマ 2 3 0―7 , 1 1 0 m;8 . 5―1 4 . 2 ℃、およびイズミオオウズムシが 2 1 0 m; ウズムシが 4 2 6―1 2 0 . 2 ℃であった。 ⅲ)白鷹丘陵エリア 白鷹丘陵は白鷹山(標高 99 4 m) 、西黒森山(標高 84 7 m)および東黒森 山(標高 7 6 6 m)に囲まれた丘陵地を中心に豊富な湧水と沼が点在する。こ のエリアでは 10地点でプラナリア類が確認された(表3)。東村山郡山辺 町の沢上川とその周辺の湧水4地点でナミウズムシが、山辺町畑谷から嶽 原にかけてカズメウズムシが6地点、ミヤマウズムシが2地点、イズミオ オウズムシが2地点で観察された。垂直分布と生息水温範囲はそれぞれ、 1 0 m;水温 1 0 . 8―1 8 . 7 ℃、カズメウズムシが標高 ナミウズムシが標高 3 9 5―6 6 0 m;水温 8 . 9― 1 8 . 7 ℃、ミヤマウズムシが標高 4 7 5― 5 7 0 m;水温 3 9 0― 6 6 5 m(水温未計測)であった。 1 0 . 2 ℃、イズミオオウズムシが標高 4 5 5―4 ⅳ)真耶山系エリア 2 2地点でプラナリア類が確認された(表4) 。三瀬川、五十川、温海川、庄 内小国川、鼠ケ関川の水系全てでナミウズムシの広い分布が確認され(図 2) 、鶴岡市滝沢の赤川上流の1地点でカズメウズムシが確認された(図 7 0 m; 3) 。垂直分布と生息水温範囲はそれぞれ、ナミウズムシが標高 4 5―3 水温 1 2 . 0―1 6 . 5 ℃、カズメウズムシが標高 1 2 0 m;水温 1 4 . 3 ℃であった。 4 山形県の河川における淡水生プラナリアの分布 ⅴ)鳥海山南麓エリア 5地点でナミウズムシが確認された(表5)。月光川、日向川の水系全て でナミウズムシが確認され、その垂直分布と生息水温範囲は標高15 ― 45 0m;水温 9 . 7 ―1 3 . 7 ℃であった。 ⅵ)荒川上流域エリア 2地点でナミウズムシが確認された(表6)。西置賜郡小国町沼沢の桜川 および同小国町東滝の横川でナミウズムシが確認され、その垂直分布と生 0 5 m;水温 9 . 7―1 3 . 7 ℃であった。 息水温範囲は標高 3 0 0―4 芋 プラナリアの垂直分布 各調査区域においてプラナリアが確認された地点の標高を図6に示す。 3 6 m、カズメウズムシは標高 1 2 0―1 , 4 4 0 m の範囲 ナミウズムシは標高 1 5―7 で分布が認められたが、標高 12 0 m の鶴岡市滝沢の青龍寺川の地点(表4: M0 2 )の標高は例外的で、その他の地点は 37 0 m 以上であった(図6A、E)。 , 1 1 0 m、イズミオオウズムシは 8 4―4 6 5 m の範囲で分 ミヤマウズムシは 4 2 6―1 布が認められた。川勝(19 6 5 )の表記法に従い、ナミウズムシ(J)、 カズ メウズムシ(A)、 ミヤマウズムシ(V)、イズミオオウズムシ(B)と表し た場合、4種の垂直分布の傾向は J BJ BAJ BAVJ AVAVAと表された。ま た、調査区域別に垂直分布状況を検討した場合、多数の地点でプラナリアの 生息が確認された山形盆地エリア、蔵王山麓エリア、白鷹丘陵エリアの3区 域における垂直分布パターンは、山形盆地エリア:J B、蔵王山麓エリア:J BJ J VJ VAVAA、白鷹丘陵エリア:J AJ BAVJ AVJ AAとなった。 4 考 察 茨 淡水生プラナリア4種の分布状況 ⅰ)ナミウズムシ 本種は山形県内において広く分布しており、本調査では計 6 0地点で確認 された(図2)。本種が確認されなかった河川は蔵王山系の酢川上流部にお いて温泉水が流入する、あるいは市街地において生活排水が流入するなど ―7 3 6 m、採集時の水温は 7 . 5― の特徴が認められた。垂直分布範囲は標高 1 5 2 5 . 6 ℃と、本種の高い環境適応性を示している。山形県内の河川において、 異なる河川系に生息する本種の個体群間で形態的特徴の差異が認められる 場合があり、今回の調査においても他個体群に比して平均体長が極めて大 きい個体群の存在が確認された。この差異が遺伝的な要因に基づくかどう 5 庄司 潔、内藤紀積、岡野将之、佐々木健吾、中内祐二 かについて、今後は生息地域間における遺伝的分化程度の解析や、核型分 析による倍数性の検討が必要である。 ⅱ)カズメウズムシ 蔵王山麓エリア、白鷹丘陵エリア、真耶山系エリアの高標高の地域で多 数の分布が認められた(図3)。各水系上流部で特に多く確認され、確認さ , 4 4 0m、生息水温範囲 れた地点は 2 7地点であった。垂直分布範囲は 1 2 0―1 8 . 7 ℃ であった。カズメウズムシは極めて核型の変異に富むことが は5 . 7― 1 報告されており(Ka wa ka t s ue ta l . ,1 9 9 1 ;Tes hi r o gie ta l . ,1 9 9 1 ;西谷、 1 9 9 8 ) 、また、蔵王山麓熊野岳周辺の隔離された河川系に生息するカズメウ ズムシ個体群間において、頭部形態や眼点分布パターンおよび地域集団間 における眼点数と体長の相関係数に差異が認められることから、この差異 の遺伝的な背景について、蔵王山麓以外の白鷹丘陵、摩耶山系においても、 カズメウズムシ個体群の核型分析などによる解析が必要である。 ⅲ)ミヤマウズムシ 蔵王山麓および白鷹丘陵を主として 11地点で確認された。本種は河川 , 1 1 0 m、水温範囲は 上流部域に分布し(図4)、垂直分布範囲は標高 4 2 6―1 4 . 2 ℃ であった。本種と同様に冷水生のカズメウズムシは狭低温生を 8 . 5― 1 示すことが知られている(川勝ら、19 7 1 )が、山形県においては本種の方 がより生息水温範囲が低い傾向があった。 ⅳ)イズミオオウズムシ 山形盆地と白鷹丘陵において分布が確認された(図5)。生息が確認され た地点は、山形盆地の乱川、菰石川、馬見ヶ崎川水系の 1 1地点であった。 6 5 m、採集時の水温範囲は 1 1 . 2―2 5 . 6 ℃であった。 垂直分布範囲は標高 8 4―4 山形県周辺における本種の分布の特徴として、馬見ヶ崎川水系の山形市小 白川「笹堰」の様な市街地を流れる人工水路や東根市荷口の農業用水路等 において頻繁に生息が確認され、本種の環境に対する適応性の高さが示唆 される。 また、本種が確認された地点数は 1 1地点と少ないものの、各地点で確認 された個体数は極めて多く、本種の繁殖力の高さが示唆される。山形県と 隣接した福島県のイズミオオウズムシは他地域(弘前、田代平、松本)の ものと比較して染色体数は同一(2 n= 28 )であるが、1 8 Sr RNA遺伝子の 塩基配列が1塩基異なるとの報告があり(石田、2 0 0 0 ;Kuz ne de l o ve ta l . , 2 0 0 0 ) 、山形県の本種がいずれのタイプに属するのかについては興味が持 たれる。 6 山形県の河川における淡水生プラナリアの分布 芋 各調査区域におけるプラナリアの垂直分布 生息が確認されたプラナリア4種の垂直分布は川勝(19 7 3 、1 9 7 7 )の分類 に当てはめると J BJ BAJ BAVJ AVAVAとなり、カズメウズムシがミヤマ ウズムシよりもより広い標高範囲に分布する、特徴的な分布パターンが示さ れた。この中で、蔵王山麓におけるカズメウズムシの広い標高範囲に渡る分 布が上記の山形県全域の傾向に影響を与えている。また、調査区域別に垂直 分布状況を検討した結果、山形盆地エリア、蔵王山麓エリア、白鷹丘陵エリ アにおけるプラナリアの垂直分布は、それぞれ J B、J BJ J VJ VAVAA、J AJ BAVJ AVJ AAという結果となり(図6)、蔵王山麓エリアにおいては川勝 (1 9 7 3 、1 9 7 7 )の分類に従うと、カズメウズムシの生息域の標高がミヤマウズ ムシの生息域の標高より高い「関東・東北型」の傾向が認められた。しかし、 白鷹丘陵エリアおよび摩耶山系エリアにおいてはカズメウズムシがミヤマウ ズムシよりも標高の低い地点で観察された。 摩耶山系においては、カズメウズムシが標高 1 2 0 m という低標高地点で確 認されたが、ミヤマウズムシとイズミオオウズムシが確認されなかった(図 6 E) 。しかし、調査区域に隣接した新潟県におけるプラナリアの分布状況 については村山(19 7 7 )の報告があり、この周辺では比較的低い標高部でナ ミウズムシ、カズメウズムシ、およびミヤマウズムシの生息が確認されてい ることから、摩耶山系地域においてもミヤマウズムシの生息の可能性は高い と考えられる。 鰯 今後の課題 本稿では山形県内6区域におけるプラナリアの分布について報告した。し かし、鳥海山南麓エリアと荒川上流域エリアを始め十分な調査が実施できな かった区域があり、今回の調査で設定した調査区域以外の地域を含めて、今 後とも調査の継続が必要である。また、淡水生プラナリアは環境指標動物と して有用であり、生息地の水温、pHを始めその他の生息環境に影響を与える 要因についても、追加調査を行って行く予定である。一方、現在地理的に隔 離されている6地域間における各種プラナリア集団間の遺伝的分化程度の検 討は遺伝学的に興味深い問題であり、今後検討していきたいと考えている。 5 謝 辞 数々の有益な助言を頂戴した弘前大学生命理工学部の石田幸子博士と小林 一也博士に心よりお礼を申し上げます。また、プラナリアの生息調査に協力 をいただいた、山形大学理学部生物学科卒業生の相樂尚志、佐々木僚、岩﨑 哲宏、蔡潤の各氏に感謝の意を表します。 7 庄司 潔、内藤紀積、岡野将之、佐々木健吾、中内祐二 6 参考文献 [石田,20 0 0 ]石田幸子,利尻島に生息するプラナリア(平成 10年度利尻島 9 ,2 0 0 0 . 調査研究事業報告),利尻研究,1 9 ,4 5―4 [ Ka wa k a t s u ,1 9 6 5 ]Ka wa k a t s u ,M. ,Ont h ee c o l o g ya n dd i s t r i b u t i o no ff r e s h wa t e r a p a n e s ei s l a n d , wi t hs p e c i a lr e f e r e n c et ot h e i rv e r t i c a l p l a n a r i a n si nt h eJ 5 . d i s t r i b u t i o n ,Hy d r o b i o l o g i a2 6 ( 3 ) ( 4 ) ,3 4 9 4 0 8 ,1 9 6 [ Ka wa k a t s u ,1 9 6 7 ]Ka wa k a t s u ,M. ,Ont h ee c o l o g ya n dd i s t r i b u t i o no ff r e s h wa t e r n e s ei s l a n d ,wi t hs p e c i a lr e f e r e n c et ot h e i rv e r t i c a ld i s t r i b u t i o n p l a n a r i a n si nt h eJ a pa ’ sCo l l e g e ,5 ,1 1 7 1 7 7 ,1 9 6 7 . ( Re v i s e dEd i t i o n ) ,Bu l l .Fu j iWo me n [川勝ら,19 7 1 ]川勝正治,村山均,新村文男,善光寺平及びその近接山岳地 域の淡水産プラナリアの生態調査報告,藤女子大学・藤女子短期大学紀要, 0 ,1 9 7 1 . 第9号Ⅱ部,5 1―9 [川勝,1 9 7 3]川勝正治,動物と自然,3, (5)9, ( 6)1 1, ( 7)8, ( 8) 7,1 9 7 3 . [川勝,19 7 7 ]川勝正治,遺伝,3 1,1 3,1 9 7 7 . [川勝ら,1 9 8 5 ]川勝正治,山下孝幸,戸田英雄,青木舜,伊豆半島,駿 河・遠州地方及び赤石山脈南部の淡水産プラナリアの生態調査報告,藤女子 4 8,1 9 8 5 . 大学・藤女子短期大学紀要,第 2 3号Ⅱ部,1 3 9―1 [ Ka wa k a t s ue ta l . ,1 9 9 1 ]Ka wa k a t s u ,M. ,Ya ma d a ,T. ,Mu r a y a ma ,H.a n dNa o a k i ,Y. , r i b u t i o no fPo l y c e l i s( S e i d l i a )a u r i c u l a t ai nJ a p a n ,Hy d r o b i o l o g i a , Ge o g r a p h i c a ld i s t 2 2 7 ,3 5 5 3 6 3 ,1 9 9 1 . 国土交通省水管理・国土保全局河川環境課,平成 23年全国一級河川の水質 現況,2 0 1 2 . d e l o ve ta l . ,2 0 0 0 ]Ku z n e d e l o v ,K. D. ,I s h i d a ,S.a n dNi s h i t a n i ,S. , [ Ku z ne b e l l a r i a n s ,s t u d i e db yc o mpa r i s o n so fp a r t i a l1 8 S Ge n e t i cd i v e r g e n c eo fJ a p a n e s et ur c o e l i d a e( Pl a t y h e l mi n t h e s : r RNA g e n es e q u e n c e sI .Onr e p r e s e n t a t i v e so fDe n d r o Tr i c l a d i d a :Pa l u d i c o l a) ,Zo o l .Sc i . ,1 7 ( 4 ) ,4 9 1 4 9 6 ,2 0 0 0 . [村山,1 9 7 7 ]村山均,新潟県の淡水産プラナリア類,新潟の自然 第3集, 2 4 9―2 5 4,1 9 7 7 . 8 山形県の河川における淡水生プラナリアの分布 [西谷,1 9 9 8 ]西谷信一郎,淡水棲プラナリアの核型と染色体進化,プラナリ 1 ,1 9 9 8 . アの形態分化(手代木渉・渡辺憲二編著)共立出版,2 9―4 [大津,2 0 0 3 ]大津高,最上川の動物相,東北芸術工科大学東北文化研究セン ター研究報告書 最上川文化研究,第1号,1 0 5―1 2 4 ,2 0 0 3 . [ Te s h i r o g ie ta l . ,1 9 9 1 ]Te s h i r o g i ,W. ,Ni i mu r a ,F .a n dI s h i d a ,S. , o l y mor p h i s mi nt h ef r e s h wa t e rp l a n a r i a nPo l y c e l i s Fu r t h e rs u r v e yo fc h r o mo s o ma lp a u r i c u l a t a ,Hy d r o b i o l o g i a ,2 2 7 ,1 4 7 1 5 6 ,1 9 9 1 . [手代木ら,19 7 8 a]手代木渉,今野良裕,川勝正治,会津盆地及び磐梯朝日 国立公園西部の淡水産プラナリアの生態調査報告,Sc i . Re p. Hi r o s a kiUni v. , 1 ,1 9 7 8 . 2 5 ,1 3―2 [手代木ら,19 7 8 b]手代木渉,今野良裕,藤井信,川勝正治,秋田県及び青 森県西南部海岸地域の淡水産プラナリアの生態調査報告,Sc i . Re p. Hi r o s a ki 8 ,1 9 7 8 . Uni v.2 5 ,4 0―5 9 庄司 潔、内藤紀積、岡野将之、佐々木健吾、中内祐二 図1:山形県における調査区域と河川分布図 山形県内における地形と河川の分布状況を考慮し、最上川水系の3区域 (山形盆地エリア、蔵王山麓エリア、白鷹丘陵エリア)および最上川水系以外 の河川系を含む3区域(摩耶山系エリア、鳥海山南麓エリア、荒川上流域エ リア)の計6調査区域について調査を実施した。背景地図等データは国土地 理院電子国土 We bシステムから提供を受けた。 10 山形県の河川における淡水生プラナリアの分布 図2:各調査区域におけるナミウズムシの分布 憶 水平分布図。臆 憶に色別標高図を重ねた図。全調査区の計 6 0地点で ナミウズムシが確認された。背景地図等データは国土地理院電子国土 We b システムから提供を受けた。 11 庄司 潔、内藤紀積、岡野将之、佐々木健吾、中内祐二 図3:各調査区域におけるカズメウズムシの分布 憶 水平分布図。臆 憶に色別標高図を重ねた図。計 2 7地点でカズメウズ ムシの分布が確認され、特に、蔵王山麓エリアの高標高地点および白鷹丘陵 エリアにおいて多くのカズメウズムシが確認された。背景地図等データは国 土地理院電子国土 We bシステムから提供を受けた。 12 山形県の河川における淡水生プラナリアの分布 図4:各調査区域におけるミヤマウズムシの分布 憶 水平分布図。臆 憶に色別標高図を重ねた図。蔵王山麓エリアの高標高 地点および白鷹丘陵エリアの 1 1地点においてミヤマウズムシが確認された。 背景地図等データは国土地理院電子国土 We bシステムから提供を受けた。 13 庄司 潔、内藤紀積、岡野将之、佐々木健吾、中内祐二 図5:各調査区域におけるイズミオオウズムシの分布 憶 水平分布図。臆 憶に色別標高図を重ねた図。山形盆地エリアと蔵王山 麓エリアの低標高地点の 1 1地点でイズミオオウズムシが確認された。背景 地図等データは国土地理院電子国土 We bシステムから提供を受けた。 14 山形県の河川における淡水生プラナリアの分布 図6:各調査区域におけるプラナリアの垂直分布 憶 全区域、臆 山形盆地エリア、桶 蔵王山麓エリア、牡 白鷹丘陵エリア、 乙 摩耶山系エリア、俺 鳥海山南麓エリアおよび荒川上流域エリア。略号は それぞれ、J:ナミウズムシ;A:カズメウズムシ;V:ミヤマウズムシ; B:イズミオオウズムシを示す。 15 庄司 潔、内藤紀積、岡野将之、佐々木健吾、中内祐二 表1 山形盆地における調査地点の基礎情報と観察されたウズムシ類 記号 採集地点 水 系 流入先 座 標 標高 水温 J A V 最 上 川 須 川 3 8 ° 1 5 ' 6 . 3 5 " N, 1 4 0 ° 2 1 ' 1 2 . 0 6 " E 1 7 0 Y0 2 山形市小白川 馬見ヶ崎川 最 上 川 須 川 3 8 ° 1 5 ' 0 . 5 " N, 1 4 0 ° 2 1 ' 2 3 . 6 5 " E 1 7 0 - + + Y0 3 山形市小白川 笹堰 最 上 川 1 5 8 - + + Y0 4 山形市風間 菰石川支川 最 上 川 村山高瀬川 3 8 ° 1 8 ' 0 . 0 5 " N, 1 4 0 ° 2 1 ' 5 2 . 0 8 " E 1 2 8 - + + Y0 5 山形 寺西 長清水 最 上 川 村山高瀬川 3 8 ° 1 7 ' 4 3 . 0 1 " N, 1 4 0 ° 2 1 ' 4 8 . 4 9 " E 1 1 5 1 5 . 8 + + Y0 6 東根市羽入小見 村山野川支川 最 上 川 村山野川 3 8 ° 2 4 ' 2 4 . 3 7 " N, 1 4 0 ° 2 1 ' 4 . 2 9 " E 8 4 1 1 . 2 + Y0 7 東根市羽入荷口 村山野川支川① 最 上 川 村山野川 3 8 ° 2 4 ' 2 0 . 4 5 " N, 1 4 0 ° 2 0 ' 4 9 . 3 9 " E 8 4 - + Y0 8 東根市羽入荷口 村山野川支川② 最 上 川 村山野川 3 8 ° 2 4 ' 3 . 1 2 " N, 1 4 0 ° 2 0 ' 4 0 . 2 " E 8 5 1 6 . 9 + Y0 9 東根市本丸東 湧水 Y1 0 寒河江市中郷 剛清水 - 3 8 ° 1 4 ' 5 2 . 4 7 " N, 1 4 0 ° 2 0 ' 5 8 . 3 1 " E 2 5 . 6 + B Y0 1 山形市双月 馬見ヶ崎川 - - 3 8 ° 2 6 ' 3 2 . 4 3 " N, 1 4 0 ° 2 4 ' 1 1 . 6 3 " E 1 2 5 1 1 . 0 + - - 3 8 ° 2 2 ' 2 . 1 7 " N, 1 4 0 ° 1 3 ' 3 4 . 3 1 " E 1 4 5 1 2 . 7 + + + J:ナミウズムシ、A:カズメウズムシ、V:ミヤマウズムシ、B:イズミオオウズムシ 表2 蔵王山麓における調査地点の基礎情報と観察されたウズムシ類 記号 採集地点 水 系 流入先 座 標 Z0 1 東根市 猪野沢川 最 上 川 乱 Z0 2 天童市田麦野 押切川 最 上 川 乱 Z0 3 山形市山寺 紅葉川支川 最 上 川 紅 葉 Z0 4 山形市山寺 紅葉川 最 上 川 立 谷 川 3 8 ° 1 9 ' 5 6 . 4 6 " N, 1 4 0 ° 2 9 ' 3 8 . 6 9 " E Z0 5 山形市高沢 村山高瀬川支川 最 上 川 村山高瀬川 3 8 ° 1 6 ' 2 . 7 6 " N, 1 4 0 ° 2 6 ' 4 7 . 2 " E Z0 6 山形釈迦堂 滑川 最 上 Z0 7 山形市釈迦堂 馬見ヶ崎川 最 Z0 8 山形市滑川 滑川 最 Z0 9 山形市関沢 村山高瀬川上流 Z1 0 山形市関沢 高瀬川 標高 水温 J A V 川 3 8 ° 2 2 ' 2 1 . 6 8 " N, 1 4 0 ° 2 9 ' 2 2 . 5 4 " E 4 0 0 川 3 8 ° 2 1 ' 1 4 . 9 8 " N, 1 4 0 ° 2 8 ' 5 4 . 2 8 " E 4 5 0 1 0 . 6 川 3 8 ° 2 0 ' 0 . 8 2 " N, 1 4 0 ° 2 9 ' 4 1 . 2 7 " E 4 5 0 2 0 . 9 + 4 3 0 1 8 . 0 + 6 4 0 1 3 . 7 川 馬見ヶ崎川 3 8 ° 1 4 ' 3 6 . 6 5 " N, 1 4 0 ° 2 3 ' 2 5 . 2 3 " 2 5 0 2 2 . 5 + 上 川 須 2 1 0 2 0 . 2 上 川 馬見ヶ崎川 3 8 ° 1 4 ' 2 9 . 9 7 " N, 1 4 0 ° 2 4 ' 5 . 3 4 " E 2 8 0 2 0 . 0 + 最 上 川 馬見ヶ崎川 3 8 ° 1 3 ' 5 4 . 0 8 " N, 1 4 0 ° 2 6 ' 5 6 . 4 7 " E 5 9 0 1 2 . 4 + + 最 上 川 村山高瀬川 3 8 ° 1 3 ' 5 4 . 0 8 " N, 1 4 0 ° 2 6 ' 5 6 . 4 7 " E 5 9 0 9 . 0 + + Z1 1 山形市新山 月夜沢川 最 上 川 滑 4 0 0 - Z1 2 山形市関沢 月夜沢川支川 最 上 川 月夜沢川 3 8 ° 1 3 ' 3 6 . 8 2 " N, 1 4 0 ° 2 7 ' 1 7 . 2 9 " E 6 3 0 Z1 3 山形市関沢 滑川 最 上 川 馬見ヶ崎川 3 8 ° 1 3 ' 3 4 . 9 3 " N, 1 4 0 ° 2 6 ' 3 1 . 0 9 " E 5 0 0 1 4 . 0 + Z1 4 山形市岩波 龍山川 最 上 川 須 川 3 8 ° 1 3 ' 1 2 . 3 4 " N, 1 4 0 ° 2 1 ' 5 . 0 3 " E 2 3 0 1 3 . 6 + Z1 5 山形市八森 龍山川 最 上 川 須 川 3 8 ° 1 2 ' 5 1 . 7 8 " N, 1 4 0 ° 2 2 ' 2 2 . 6 6 " E 4 1 8 1 3 . 6 + Z1 6 山形市上宝沢 馬見ヶ崎川① 最 上 川 須 川 3 8 ° 1 2 ' 3 2 . 6 8 " N, 1 4 0 ° 2 5 ' 3 2 . 6 2 " E 4 3 0 1 5 . 0 + Z1 7 山形市上宝沢 馬見ヶ崎川② 最 上 川 須 川 3 8 ° 1 1 ' 5 6 . 3 8 " N, 1 4 0 ° 2 5 ' 5 8 . 7 6 " E 5 0 0 - Z1 8 山形市蔵王温泉 不動沢西① 最 上 川 馬見ヶ崎川 3 8 ° 1 1 ' 3 9 . 2 7 " N, 1 4 0 ° 2 4 ' 4 4 . 8 " E 7 4 0 8 . 6 + Z1 9 山形市蔵王温泉 不動沢西② 最 上 川 馬見ヶ崎川 3 8 ° 1 1 ' 3 2 . 9 5 " N, 1 4 0 ° 2 4 ' 3 6 . 6 1 " E 8 1 0 7 . 3 + Z2 0 山形市蔵王温泉 不動沢① 最 上 川 馬見ヶ崎川 3 8 ° 1 1 ' 2 0 . 8 6 " N, 1 4 0 ° 2 5 ' 2 3 . 8 5 " E 7 3 6 7 . 5 + Z2 1 山形市上宝沢 葉の木沢 最 上 川 馬見ヶ崎川 3 8 ° 1 1 ' 1 9 . 2 2 " N, 1 4 0 ° 2 6 ' 3 6 . 3 4 " E 6 2 0 5 . 7 + Z2 2 山形市蔵王温泉 不動沢② 最 上 川 馬見ヶ崎川 3 8 ° 1 0 ' 5 2 . 6 9 " N, 1 4 0 ° 2 5 ' 1 2 . 6 " E 1 , 0 1 0 1 0 . 0 + Z2 3 山形市蔵王温泉 不動滝上 最 上 川 須 川 3 8 ° 1 0 ' 1 8 . 4 6 " N, 1 4 0 ° 2 5 ' 9 . 5 9 " E 1 , 2 1 0 1 0 . 4 + Z2 4 上山市蔵王 蔵王川 最 上 川 須 川 3 8 ° 7 ' 5 0 . 8 8 " N, 1 4 0 ° 2 1 ' 1 6 . 2 3 " E 4 8 0 Z2 5 上山市蔵王 蔵王高原水路 最 上 川 須 川 3 8 ° 7 ' 2 9 . 9 9 " N, 1 4 0 ° 2 5 ' 0 . 2 1 " E Z2 6 上山市泥部 生居川 最 上 川 須 川 3 8 ° 7 ' 1 8 . 5 3 " N, 1 4 0 ° 2 0 ' 3 9 . 5 7 " E 3 6 0 1 7 . 4 + Z2 7 上山市金山 金山川 最 上 川 須 Z2 8 宮城県柴田郡川崎町 前川 名 取 川 碁 Z2 9 宮城県柴田郡川崎町前川 濁川 阿武隈川 松 川 3 8 ° 1 4 ' 3 4 . 0 3 " N, 1 4 0 ° 2 2 ' 4 3 . 6 7 " E 川 3 8 ° 1 3 ' 3 6 . 3 5 " N, 1 4 4 0 ° 2 5 ' 3 1 . 8 4 " E 石 1 , 3 4 0 + + + + + 9 . 0 + + + + 1 6 . 4 + 9 . 5 + 川 3 8 ° 4 ' 1 5 . 3 9 " N, 1 4 0 ° 1 7 ' 3 7 . 6 9 " E 3 7 0 1 4 . 3 + 川 3 8 ° 9 ' 5 5 . 9 4 " N, 1 4 0 ° 3 2 ' 2 6 . 2 5 " E 4 2 6 1 4 . 2 川 3 8 ° 8 ' 5 0 . 2 3 " N, 1 4 0 ° 2 8 ' 5 7 . 1 7 " E 9 5 0 - + + Z3 0 宮城県柴田郡川崎町前川 左エ門沢 阿 武 隈 川 濁 川 3 8 ° 8 ' 4 9 . 4 6 " N, 1 4 0 ° 2 8 ' 8 . 7 3 " E 1 , 1 1 0 1 2 . 1 + Z3 1 宮城県刈田郡蔵王町 澄川 阿武隈川 松 川 3 8 ° 7 ' 1 7 . 5 3 " N, 1 4 0 ° 2 8 ' 3 1 . 9 8 " E 1 , 2 8 0 1 0 . 1 + Z3 2 宮城県刈田郡蔵王町 股窪沢① 阿武隈川 澄 川 3 8 ° 7 ' 1 7 . 5 3 " N, 1 4 0 ° 2 8 ' 3 1 . 9 " E 1 , 3 5 0 1 0 . 4 + Z3 3 宮城県刈田郡蔵王町 股窪沢② 阿武隈川 澄 川 3 8 ° 7 ' 1 . 1 8 " N, 1 4 0 ° 2 8 ' 4 3 . 8 6 " E 1 , 3 5 0 7 . 8 + Z3 4 宮城県刈田郡蔵王町 澄川源頭 阿武隈川 澄 川 3 8 ° 6 ' 4 6 . 7 5 " N, 1 4 0 ° 2 7 ' 4 4 . 4 6 " E 1 , 4 4 0 6 . 8 + Z3 5 宮城県刈田郡七ヶ宿町 空沢 阿武隈川 横 川 3 8 ° 4 ' 2 . 8 4 " N, 1 4 0 ° 2 6 ' 5 4 . 7 8 " E 8 8 0 1 0 . 0 + + Z3 6 宮城県刈田郡七ヶ宿町 出戸天神沢 阿 武 隈 川 横 川 3 8 ° 3 ' 5 8 . 1 6 " N, 1 4 0 ° 2 7 ' 2 1 . 8 1 " E 8 9 0 9 . 7 + + Z3 7 宮城県刈田郡七ヶ宿町 大若沢 阿武隈川 横 川 3 8 ° 3 ' 3 9 . 1 8 " N, 1 4 0 ° 2 7 ' 3 1 . 5 5 " E 8 3 0 8 . 5 + + Z3 8 宮城県刈田郡七ヶ宿町 鉛沢 阿武隈川 横 川 3 8 ° 3 ' 0 . 7 1 " N, 1 4 0 ° 2 8 ' 2 8 . 7 " E 7 0 0 9 . 8 + 7 1 0 9 . 6 + Z3 9 宮城県刈田郡七ヶ宿町 ケッチャグラ沢 阿 武 隈 川 横 Z4 0 宮城県白石市福岡八宮 垂清川 白 石 川 児 川 3 8 ° 2 ' 5 6 . 3 8 " N, 1 4 0 ° 2 8 ' 5 9 . 9 1 " E 捨 川 3 8 ° 4 ' 2 8 . 9 4 " N, 1 4 0 ° 3 0 ' 6 . 8 8 " E 1 , 0 0 0 B 8 . 4 + 6 . 9 + + J:ナミウズムシ、A:カズメウズムシ、V:ミヤマウズムシ、B:イズミオオウズムシ 16 山形県の河川における淡水生プラナリアの分布 表3 白鷹丘陵における調査地点の基礎情報と観察されたウズムシ類 記号 採集地点 S0 1 東村山郡山辺町 玉虫沼 水 系 最 上 流入先 川 須 座 標 川 3 8 ° 1 6 ' 4 0 . 1 3 " N, 1 4 0 ° 1 2 ' 5 3 . 6 5 " E 標高 J A 4 6 0 水温 1 0 . 8 + + + S0 2 東村山郡山辺町簗沢 湧水① - 3 8 ° 1 5 ' 4 8 . 9 3 " N, 1 4 0 ° 1 2 ' 5 . 5 9 " E 3 9 0 1 1 . 2 S0 3 東村山郡山辺町簗沢 湧水② - 3 8 ° 1 5 ' 3 6 . 4 2 " N, 1 4 0 ° 1 1 ' 5 5 . 7 2 " E 3 9 5 1 1 . 9 + 川 3 8 ° 1 5 ' 1 7 . 9 7 " N, 1 4 0 ° 1 0 ' 5 6 . 1 3 " E S0 4 東村山郡山辺町畑谷 沢上川① 4 5 5 - S0 5 東村山郡山辺町畑谷 湧水① 最 - 3 8 ° 1 5 ' 1 6 . 9 8 " N, 1 4 0 ° 1 0 ' 4 8 . 3 2 4 7 5 1 0 . 2 S0 6 東村山郡山辺町畑谷 湧水② - 3 8 ° 1 5 ' 1 3 . 6 5 " N, 1 4 0 ° 1 0 ' 5 8 . 3 3 " E 4 6 5 S0 7 東村山郡山辺町畑谷 沢上川② - 3 8 ° 1 4 ' 3 4 . 1 7 " N, 1 4 0 ° 1 0 ' 4 1 . 2 2 " E 5 5 0 S0 8 東村山郡山辺町畑谷 南沢川 - S0 9 東村山郡山辺町畑谷 湧水③ - 3 8 ° 1 4 ' 7 . 3 8 " N, 1 4 0 ° 1 0 ' 4 5 . 5 8 " E 6 1 0 - 3 8 ° 1 3 ' 5 5 . 1 6 " N, 1 4 0 ° 1 0 ' 3 9 . 2 4 " E 6 6 0 S1 0 東村山郡山辺町嶽原 水路 上 川 送 橋 須 川 3 8 ° 1 4 ' 3 3 " N, 1 4 0 ° 1 2 ' 2 5 . 4 " E 5 7 0 V B + + + - + 1 8 . 7 + + - + 1 0 . 9 + 8 . 9 + + J:ナミウズムシ、A:カズメウズムシ、V:ミヤマウズムシ、B:イズミオオウズムシ 表4 摩耶山系における調査地点の基礎情報と観察されたウズムシ類 記号 採集地点 水 系 M0 1 鶴岡市三瀬 三瀬川 三 瀬 M0 2 鶴岡市 滝沢 赤 M0 3 鶴岡市熊出 一ノ又沢 赤 M0 4 鶴岡市熊出 赤川上流 赤 M0 5 鶴岡市五十川 払川 五 十 M0 6 鶴岡市山五十川 沢内川 五 M0 7 鶴岡市山五十川 温俣川 五 M0 8 鶴岡市東俣 荒沢川 流入先 川 三 瀬 座 標 川 3 8 ° 4 0 ' 4 4 . 7 9 N, 1 3 9 ° 4 2 ' 2 3 . 3 7 " E 標高 水温 J 1 9 0 1 3 . 8 + 川 青龍時川 3 8 ° 4 0 ' 1 7 . 3 6 " N, 1 3 9 ° 4 8 ' 3 5 . 6 1 " E 1 2 0 1 4 . 3 + 川 水 無 川 3 8 ° 3 8 ' 1 3 . 3 7 " N, 1 3 9 ° 4 8 ' 5 9 . 0 1 " E 1 5 0 川 3 8 ° 3 7 ' 2 1 . 0 4 " N, 1 3 9 ° 4 9 ' 5 . 7 9 " E 2 2 0 川 五 十 川 3 8 ° 3 9 ' 2 4 . 4 5 " N, 1 3 9 ° 3 7 ' 4 7 . 4 4 " E 4 5 十 川 五 十 川 3 8 ° 3 9 ' 2 4 . 0 9 " N, 1 3 9 ° 3 9 ' 3 3 . 5 5 " E 6 0 - + 十 川 五 十 川 3 8 ° 3 8 ' 3 5 . 1 3 " N, 1 3 9 ° 3 9 ' 1 6 . 2 8 " E 8 0 - + 五 十 川 五 十 川 3 8 ° 3 8 ' 1 9 . 4 2 " N, 1 3 9 ° 4 1 ' 1 . 5 7 " E 1 0 0 - + M0 9 鶴岡市戸沢 大早田川 五 十 川 五 十 川 3 8 ° 3 8 ' 1 8 . 3 9 " N, 1 3 9 ° 4 0 ' 4 2 . 6 4 " E 1 0 0 - + M1 0 鶴岡市 芦ノ沢川 五 十 川 温 俣 川 3 8 ° 3 7 ' 1 6 . 6 9 " N, 1 3 9 ° 3 8 ' 3 7 . 1 5 " E 1 6 0 M1 1 鶴岡市菅野代 五十川上流① 五 十 川 五 十 川 3 8 ° 3 6 ' 5 6 . 5 9 " N, 1 3 9 ° 4 3 ' 3 0 . 8 9 " E 2 5 5 M1 2 鶴岡市菅野代 五十川上流② 五 十 川 五 十 川 3 8 ° 3 6 ' 4 4 . 2 4 " N, 1 3 9 ° 4 4 ' 7 . 6 7 " E 2 8 0 M1 3 鶴岡市一霞 茅ノ沢川 温 海 川 温 海 川 3 8 ° 3 6 ' 4 3 . 6 6 " N, 1 3 9 ° 3 8 ' 4 2 . 2 3 " E 1 6 5 - + M1 4 鶴岡市温海川 温海川上流① 温 海 川 温 海 川 3 8 ° 3 5 ' 4 7 . 5 " N, 1 3 9 ° 4 2 ' 3 5 . 1 5 " E 1 9 5 - + M1 5 鶴岡市温海川 温海川上流② 温 海 川 温 海 川 3 8 ° 3 5 ' 2 9 . 7 5 " N, 1 3 9 ° 4 2 ' 4 0 . 4 8 " E 1 8 5 - + M1 6 鶴岡市温海川 温海川上流③ 温 海 川 温 海 川 3 8 ° 3 5 ' 2 3 . 6 9 " N, 1 3 9 ° 4 1 ' 2 7 . 9 1 1 5 0 - + M1 7 鶴岡市温海川 南俣川① 温 海 川 温 海 川 3 8 ° 3 5 ' 1 5 . 0 5 " N, 1 3 9 ° 4 2 ' 6 . 8 4 " E 1 7 5 - + M1 8 鶴岡市温海川 南俣川② 温 海 川 温 海 川 3 8 ° 3 4 ' 5 7 . 7 8 " N, 1 3 9 ° 4 2 ' 2 9 . 5 5 " E 1 9 5 - + M1 9 鶴岡市温海川 南俣川③ 温 海 川 温 海 川 3 8 ° 3 4 ' 4 1 . 7 9 " N, 1 3 9 ° 4 2 ' 4 5 . 4 8 " E 2 3 0 1 4 . 8 + M2 0 鶴岡市木野俣 木野俣川① 庄内小国川 庄内小国川 3 8 ° 3 4 ' 4 . 2 3 " N, 1 3 9 ° 4 1 ' 4 3 . 2 2 " E 2 8 0 1 3 . 5 + M2 1 鶴岡市木野俣 木野俣川② 庄内小国川 庄内小国川 3 8 ° 3 4 ' 2 . 3 4 " N, 1 3 9 ° 4 2 ' 8 . 1 9 " E 1 8 0 M2 2 鶴岡市関川 小糸沢川 鼠ケ関川 鼠ケ関川 3 8 ° 3 1 ' 2 1 . 8 3 " N, 1 3 9 ° 4 1 ' 6 . 2 9 " E 3 7 0 川 赤 - + - + A V B + 1 5 . 3 + 1 6 . 5 + - + 1 3 . 9 + - + 1 2 . 0 + J:ナミウズムシ、A:カズメウズムシ、V:ミヤマウズムシ、B:イズミオオウズムシ 表5 鳥海山南麓調査地点の基礎情報と観察されたウズムシ類 記号 採集地点 水 系 流入先 座 標 C0 1 飽海郡遊佐町野沢 南ノコマイ 月 光 川 月 光 川 3 9 ° 3 ' 3 0 . 4 7 " N, 1 3 9 ° 5 9 ' 3 0 . 6 1 " E C0 2 飽海郡遊佐町野沢 地抜川 月 光 川 高 瀬 C0 3 飽海郡遊佐町杉沢 月光川 月 光 川 月 光 C0 4 酒田市泥沢 日向川 日 向 川 日 C0 5 酒田市下青沢 荒瀬川 日 向 川 日 標高 水温 J 4 5 0 9 . 7 + 川 3 9 ° 2 ' 3 . 1 2 " N, 1 3 9 ° 5 5 ' 4 1 . 3 4 " E 1 5 1 3 . 7 + 川 3 9 ° 1 ' 2 1 . 3 5 " N, 1 3 9 ° 5 8 ' 2 9 . 4 3 " E 1 2 0 1 1 . 9 + 向 川 3 8 ° 5 9 ' 2 4 . 6 6 " N, 1 4 0 ° 0 ' 3 2 . 4 1 " E 1 4 0 1 3 + 向 川 3 8 ° 5 7 ' 1 6 . 8 6 " N, 1 3 9 ° 5 9 ' 3 5 . 5 5 " E 1 0 0 1 2 + A V B J:ナミウズムシ、A:カズメウズムシ、V:ミヤマウズムシ、B:イズミオオウズムシ 表6 荒川上流調査地点の基礎情報と観察されたウズムシ類 記号 採集地点 水 系 流入先 A0 1 西置賜郡小国町沼沢 桜川 荒 川 明 A0 2 西置賜郡小国町東滝 横川 荒 川 荒 沢 座 標 標高 水温 J 川 3 8 ° 1 ' 1 4 " N, 1 3 9 ° 5 3 ' 1 1 . 4 8 " E 3 0 0 9 . 7 + 川 3 7 ° 5 5 ' 2 1 . 9 " N, 1 3 9 ° 4 6 ' 5 4 . 0 5 " E 4 0 5 1 3 . 7 + A V B J:ナミウズムシ、A:カズメウズムシ、V:ミヤマウズムシ、B:イズミオオウズムシ 17 庄司 潔、内藤紀積、岡野将之、佐々木健吾、中内祐二 Bu l l .o fYa ma g a t aUn i v . ,Na tSc i . ,V o l . 1 8 ,No .1 ,Fe b .2 0 1 4 Ge o g r a p h i c a ld i s t r i b u t i o no ff r e s h wa t e rp l a n a r i a n si n Ya ma g a t aPr e f e c t u r e ,J a p a n . Ki y o s h iSh o j i ,No r i t s u miNa i t o h ,Ma s a y u k iOk a n o , * Ke n g oSa s a k ia n dYu n iNa k a u c h i ( Re c e i v e dAu g u s t5 ,2 0 1 3 ) Abs t r a c t As u r v e yo fh a b i t a ta n dd i s t r i b u t i o no ff r e s hwa t e rp l a n a r i a n swa sc o n d u c t e di n r i v e r so fYa ma g a t aPr e f e c t u r e .Ar e a so fi n v e s t i g a t i o na r ea sf o l l o ws :“Ya ma g a t a Ba s i nAr e a ”( r i v e rs y s t e mso ft h eMo g a miRi v e ri nYa ma g a t aBa s i n ) , “Za oAr e a ” ( f o o t h i l l so ft h eZa oMo u n t a i nRa n g e ) ,“Sh i r a t a k aHi l l sAr e a ”, “Mt .Ma y aAr e a ” ( t h er i v e rs y s t e msa tt h ewe s to fMa y aMo u n t a i nRa n g ei n c l u d i n gt h eGa k k oRi v e r a n dt h eNi k k oRi v e r ) , “Mt .Ch o k a iAr e a ”( t h er i v e rs y s t e msa tt h es o u t h e r na r e ao f Mt .Ch o k a ii n c l u d i n gt h eSa n z eRi v e r,t h eI r aRi v e r ,t h eAt s u miRi v e r ,t h eSh o n a i Og u n iRi v e r ,a n dt h e Ne z u g a s e k iRi v e r ) ,a n d “Ar a k a wa Up s t r e a m Ar e a ”( t h e u p s t r e a mr e g i o no ft h eAr a k a waRi v e ri nOg u n i t o wn ) .Fo u rs p e c i e so ff r e s hwa t e r p l a n a r i a n s ; Du ge s i aj a poni c a, Se i dl i aa ur i c ul a t a, Pha goc a t a vi vi da, a n d Bde l l oc e pha l abr unne a,we r ef o u n di nt h es u r v e y e da r e a s .Al t i t u d ea n d wa t e r t e mp e r a t u r ea tt h ep l a c ewh e r et h ep l a n a r i a n swe r ec a p t u r e dwe r e1 5 7 3 6m a s l ,7 . 4 2 2 . 5℃ ( D.j a poni c a) ,1 2 0 1 4 4 0m a s l ,5 . 7 1 8 . 7℃ ( S.a ur i c ul a t a) ,4 2 6 1 1 1 0m a s l , 8 . 3 1 4 . 2℃ ( P .vi vi da) ,a n d8 4 4 6 5m a s l ,1 1 . 2 2 5 . 6℃ ( B.br unne a) .Ve r t i c a l d i s t r i b u t i o np a t t e r n so fp l a n a r i a nc a nb er e p r e s e n t e dwi t hac o d ei nwh i c he a c h s p e c i e si sn a me dwi t has i n g l el e t t e r( J=D.j a poni c a,B =B.br unne a,A =P . a ur i c ul a t a,V=P .vi vi da)a n di nwh i c hc o o c c u r r i n gs p e c i e sa r eg r o u p e d ,f r o ml o w t oh i g ha l t i t u d e s( Ka wa k a t s u ,1 9 6 5 ;1 9 6 7 ) .Ac c o r d i n gt ot h i sn o t a t i o n ,d i s t r i b u t i o n p a t t e r n s i nt h ea r e a swi t hl a r g ep l a n a r i a np o p u l a t i o nwe r ea sf o l l o ws ;Ya ma g a t a Ba s i nAr e a :J B,Za oAr e a :J BJ J VJ VAVAA,Sh i r a t a k aHi l l sAr e a :J AJ BAVJ AVJ AA. * De p a r t me n to fBi o l o g y ,Fa c u l t yo fSc i e n c e ,Ya ma g a t aUn i v e r s i t y ,Ya ma g a t a ,9 9 0 8 5 6 0 ,J a p a n . ( Ph o n e :+8 12 3 6 2 8 4 6 2 2 ;Fa x :+8 1 2 3 6 2 8 4 6 2 5 ;Ema i l :y u n i @s c i . k j . y a ma g a t a u . a c . j p ) 18
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