2014-11-12 08:02:35 Title Structural Analysis of

>> 愛媛大学 - Ehime University
Title
Author(s)
Citation
Issue Date
URL
Structural Analysis of Growth Hormone (GH) in Microminipig
(MMP)( 審査結果の要旨 )
Shedage Kishor Ashok
. vol., no., p.-
2014-03-17
http://iyokan.lib.ehime-u.ac.jp/dspace/handle/iyokan/3976
Rights
Note
受理:2014-1-22,審査終了:2014-2-19
This document is downloaded at: 2015-02-01 02:54:49
IYOKAN - Institutional Repository : the EHIME area http://iyokan.lib.ehime-u.ac.jp/dspace/
(第5号様式)
学位論文審査の結果の要旨
氏
Shedage Kishor Ashok
名
主査 森田 勇人
副査 阿部 俊之助
審
査
委
員
副査 受田 浩之
副査 深田 和宏
副査 秋山 浩一
論
文
名
Structural Analysis of Growth Hormone (GH) in Microminipig (MMP) (超小型ブタの成長ホル
モンに関する構造科学的研究)
本学位論文において、申請者は、農業組合法人富士農場サービスで、通常のミニブタより新たに作出
された超小型ブタ(マイクロミニピッグ;MMP)が持つ生理学的特長、特に超小型化の要因を遺伝子構
造に基づき解明することを目的とし、成長ホルモン(GH)遺伝子およびその周辺構造における MMP 特異
的変異の検出ならびに、遺伝子組換え技術により大量発現させたブタ GH の MMP への投与効果の評価を
行った。
具体的には、通常ブタ、通常ミニブタ、MMP のそれぞれ複数個体より単離したゲノムを鋳型として GH
遺伝子およびその上流域を含む約3kbp の領域を PCR 法で増幅し、その塩基配列を direct sequencing
法により詳細に比較検討した。また、申請者の所属する研究室で新たに開発した、封入体タンパク質を
天然状態へ効率的に巻き戻す反応手法を用いて、大腸菌内で封入体として発現させた遺伝子組換えブタ
GH を天然状態へと巻き戻すとともに、得られたブタ GH を MMP へ投与することによる成長促進効果を体
重増加率ならびに、体脂肪率の2つの観点から解析し、以下の成果をあげた。
1)当研究室で開発した、封入体蛋白質の高効率巻き戻し反応技術は、大腸菌内で発現させたブタ
GH に対しても有効であり、高い精製度の標品を高い収率で得ることにに成功した。
2)1)により得られたブタ GH の投与により、体重の増加率は未投与個体より優位に高く、体脂肪
率は GH 投与に伴い、大きく減少することがわかった。このことから、GH の分泌量もしくは、GH
受容体の血中 GH に対する感度が MMP では低いことが個体の小型化の一因であると結論した。
3)MMP の GH 遺伝子のエクソン領域において、シグナルペプチドに2つのアミノ酸変異を伴う変異
が存在することがわかった。この変異がもたらす生理学的影響については、現在解析中である。
4)MMP の GH 遺伝子の TATA Box 領域に MMP に特異的変異が存在することを見出した。この変異は、
GH の遺伝子発現プロファイルが、MMP では、通常の肉豚やミニブタと比較して大きく異なってい
る可能性を示唆しており。MMP の小型化の主たる要因の一つであると結論した。
以上のように、申請者は、MMP の小型化に関する GH の寄与を蛋白質・遺伝子発現の2つの観点から
解析し、重要な知見を得た。
本論文の公開審査会は、平成 26 年 2 月
れに関連する質疑応答が行われた。
いて審査が行われた。
1 日に愛媛大学農学部において開催され、論文発表とこ
引き続き行われた学位論文審査委員会において本論文の内容につ
その結果、本学位論文は、動物の発生および成長過程における器官分化・形成
に関する有用な知見を示しており、バイオテクノロジーによる食糧増産などへの応用展開の基礎として
の価値のみならず、動物生理学、分子生物学、細胞生物学、発生学などの、さまざまな学問分野・領域
にまたがる、境界領域分野に属する
研究であることから、5人の審査委員全員が一致して博士(学術)の学位を授与するに値すると判
定した。