>> 愛媛大学 - Ehime University Title Author(s) Citation Issue Date URL Structural Analysis of Growth Hormone (GH) in Microminipig (MMP)( 審査結果の要旨 ) Shedage Kishor Ashok . vol., no., p.- 2014-03-17 http://iyokan.lib.ehime-u.ac.jp/dspace/handle/iyokan/3976 Rights Note 受理:2014-1-22,審査終了:2014-2-19 This document is downloaded at: 2015-02-01 02:54:49 IYOKAN - Institutional Repository : the EHIME area http://iyokan.lib.ehime-u.ac.jp/dspace/ (第5号様式) 学位論文審査の結果の要旨 氏 Shedage Kishor Ashok 名 主査 森田 勇人 副査 阿部 俊之助 審 査 委 員 副査 受田 浩之 副査 深田 和宏 副査 秋山 浩一 論 文 名 Structural Analysis of Growth Hormone (GH) in Microminipig (MMP) (超小型ブタの成長ホル モンに関する構造科学的研究) 本学位論文において、申請者は、農業組合法人富士農場サービスで、通常のミニブタより新たに作出 された超小型ブタ(マイクロミニピッグ;MMP)が持つ生理学的特長、特に超小型化の要因を遺伝子構 造に基づき解明することを目的とし、成長ホルモン(GH)遺伝子およびその周辺構造における MMP 特異 的変異の検出ならびに、遺伝子組換え技術により大量発現させたブタ GH の MMP への投与効果の評価を 行った。 具体的には、通常ブタ、通常ミニブタ、MMP のそれぞれ複数個体より単離したゲノムを鋳型として GH 遺伝子およびその上流域を含む約3kbp の領域を PCR 法で増幅し、その塩基配列を direct sequencing 法により詳細に比較検討した。また、申請者の所属する研究室で新たに開発した、封入体タンパク質を 天然状態へ効率的に巻き戻す反応手法を用いて、大腸菌内で封入体として発現させた遺伝子組換えブタ GH を天然状態へと巻き戻すとともに、得られたブタ GH を MMP へ投与することによる成長促進効果を体 重増加率ならびに、体脂肪率の2つの観点から解析し、以下の成果をあげた。 1)当研究室で開発した、封入体蛋白質の高効率巻き戻し反応技術は、大腸菌内で発現させたブタ GH に対しても有効であり、高い精製度の標品を高い収率で得ることにに成功した。 2)1)により得られたブタ GH の投与により、体重の増加率は未投与個体より優位に高く、体脂肪 率は GH 投与に伴い、大きく減少することがわかった。このことから、GH の分泌量もしくは、GH 受容体の血中 GH に対する感度が MMP では低いことが個体の小型化の一因であると結論した。 3)MMP の GH 遺伝子のエクソン領域において、シグナルペプチドに2つのアミノ酸変異を伴う変異 が存在することがわかった。この変異がもたらす生理学的影響については、現在解析中である。 4)MMP の GH 遺伝子の TATA Box 領域に MMP に特異的変異が存在することを見出した。この変異は、 GH の遺伝子発現プロファイルが、MMP では、通常の肉豚やミニブタと比較して大きく異なってい る可能性を示唆しており。MMP の小型化の主たる要因の一つであると結論した。 以上のように、申請者は、MMP の小型化に関する GH の寄与を蛋白質・遺伝子発現の2つの観点から 解析し、重要な知見を得た。 本論文の公開審査会は、平成 26 年 2 月 れに関連する質疑応答が行われた。 いて審査が行われた。 1 日に愛媛大学農学部において開催され、論文発表とこ 引き続き行われた学位論文審査委員会において本論文の内容につ その結果、本学位論文は、動物の発生および成長過程における器官分化・形成 に関する有用な知見を示しており、バイオテクノロジーによる食糧増産などへの応用展開の基礎として の価値のみならず、動物生理学、分子生物学、細胞生物学、発生学などの、さまざまな学問分野・領域 にまたがる、境界領域分野に属する 研究であることから、5人の審査委員全員が一致して博士(学術)の学位を授与するに値すると判 定した。
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