低酸素特異的安定化タ ンパク質を母体と した低酸素核医学イ メージング

28Q−amO8
低酸素特異的安定化タンパク質を母体とした低酸素核医学イメージング剤の開発
28Q−am1¶
に関する基礎的検討1担癌マウスにおける体内挙動の評価
○畠中 瑛介玉,原武 衛工.小野 正博主.中山 守雄}(工長崎大院医歯薬)
○工藤 喬1,上田 真史2,桝谷 真貴玉.小酋 宏明王久下 裕司1杉矯 卓i
清野 泰4,近藤 科江3.平岡 眞寛3,佐治 英郎1(f京大院薬,2景大病院RI.§京大院
医,4福井大高エネ研)
【臼的】置形腫瘍における低酸素顕域では、低酸素応答を促す転写因子である
Hypoxia Induc圭ble Factor−1(HIF一エ)が発現しており、悪性度に関わる様々な因子
を誘導している。したがって腫瘍の低酸素部位をイメージングできれば、腫瘍の
悪性度、治療法の予測などに有屠な情報を与えると考えられる。演者らはこれま
で膜透過性を窟する配列(PT王))、カスパーゼ基質配列(CasS)、酸累依存的に分解を
受ける配列(ODD〉と放射性リガンドと結合する紀列(SAV)を有する融合タンパク
質(PTD−CasS・ODD−SAVIPCOS)を開発し、12与1標識ビオチン誘轡体を用いてin
vi七mにおいて酸素依存的分解について評価してきた。そこで、今圃この融合タン
パク質のマウス体内挙動について検討した。
【方法】PCOSをマウス血漿中37℃でインキュベートした際の安定性を検討した。
1125王1(3・iodobenzoy1)nor媛ot無amine(1エ25王]IBB〉もしくは1王2511BBと結合させた
PCOS(PCOS・[125111BB)を担癌マウスに投与後、各組織における放麟能分布につい
て経時的に測定した。投与量の最適化を行うため、様々な濃度のPCOSの動態に
ついて検討した。
【結果】血漿インキュベート24時間後でもPCOSは80%以上が未変化体として
存在していた。[12硝王BBは腫瘍には集積せず体内から速やかにクリアランスされ
たが、PCOS{i25111BBは腫瘍への集積を示した。また、その腫瘍集積率はタンパ
ク質PCOSの投与量に依存し、0.5μg/マウスおよび30μgノマウス投与群では、腫
瘍/壷液比はそれぞれ、24時閲後でL5、5、1、48時闘後で4、8、12、8となった。
〔結論〕本融合タンパク質は腫瘍への集積性を示したことから、低酸素腫瘍イメ
ージング剤としての有用姓が示唆された。
28Q−amO9
腫瘍低酸素イメージングを目的としたタンパク質放射性薬剤の細胞内移行性向上
を巨指した膜透過ペプチドの検討
○小西 宏明1,桝谷 真貴玉,上田 真史2工藤 喬1,近藤 科江3,久下 裕司圭,
平岡 眞寛3,佐治 英郎1(1京大院薬,2票大病院RL3京大院医)
新規1V一メチルグルカミン型樹脂を用いる礁Ge/鋸Gaジェネレータの瀾発
【目的】PET(Positron emiss宝on tomogra鋤y)による画像診断は,短半減期放射性核
種を使用するため,サイク鳳トロン施設の併設を必用とする。我々は・サイクロ
トロンを使わない68G&の製法である68Ge/6胎aジェネレータシステムの構築を行っ
ており,序Metねyiglucamine基(MG)を有する樹脂が,Gc及びGaに望まれる吸脱
着挙動を示すことを見出している。本研究では,親水的な多孔性高分子母体にMG
を導入し,Ge及びGaの吸脱着挙動への母体構造の効果を検討した。
【方法〕Glycidyl me出acrylate(GMA)及び取hylene glycol dimethacτylate(EG)に
Me血y1∫so−butyl ketone(MIBK,多孔化剤)を混合し,懸濁重合法により高分子母体
(PGMA−EG,粒子径0,25∼0、50mm)を合成した。PGMA−EGにMGを付加させ
PGMA−EG−MGへ誘導した。樹脂の比表面積はN2ガス吸着法,非放射姓Geはフェ
ニルフルオ購ン法で測定した。68Geの吸脱着率は63Gaの放射活性から算出した。
【結果及び考察】重合反応時のG瓢A,EG及びMBKの混合比を変化させ,種々
のPGMA−EGを合成した。得られたPGMA−EGの比表面積は15∼100m2/gであり,
EGおよびMIBκ混合割合の増加に伴って増大した。PGMA−EG−MGのGeに対す
る平衡吸着量は0,07∼0,42mmol/gであったことから,PGMA−EG−MGのGe吸着能
が確認された。比表面穫の最も大きなPGMA毛Gから誘導したPGMA−EG−MGへ
のGeの吸着は,30分以内にほぽ平衡に到達した。さらに,同じPGMA−EG−MGを
カラムに充填し68Geを吸着させた後,0.1M Trisodium Cltrate溶液を通液すると,
速やかな6SGaの脱着が観察された。その際,カラムからの6SGcの脱離は殆ど認め
られなかった。これらの結梨は,樹脂の母体構造はGe及びGaの迅速な吸脱着挙
動に影響を与える因子の一つであることを示していると考えられた。
28Q−am惟2
新規合成手法に基づくll℃1ラクロプライドの迅速合成
○中矢 雄太1,河嶋 秀和2,木村 寛之1,戸松 賢治1久下 裕司圭中酉
博昭3,
小関 英一3,佐治 英郎1(i京大院薬,2京大院医,3島藻製作所基盤緋)
擦的】PET用ドパミンD2受容体イメージング薬であるIUClラクロプライドの合成には、一般的
[目的]腫瘍の低酸素領域では、Hypox土a Inducible Factor−1(HIF−1)が発現
しており、それによって腫瘍の悪性度を高める様々な霞子が誘導される。演者ら
はこれまでに、腫瘍に存在する低酸素領域のイメージングを背う目的で、HIF縫分
子内の低酸素依存的分解に関与するペプチド(0碧D)を母体とし、ストレプトアビジ
ンの一部を組み込んだ融含タンパク質の開発に戒功している。本研究では、当該
タンパク質の紐胞内移行性を高めるための膜透過ペプチドの選択と、低酸素状態
の種々のがん細胞での安定化の評価を行った。
/方法]膜透過ペプチドとしてTAT由来のPぎotein Transductio壼Domain1(PTD1)
とポリリジン(K9)を主体とする胃D3の2種類を選択し、それぞれをEGFPと融舎
させ、漉ね細胞での細胞膜透過能をFACSで比較した。膜透過ペプチドを組み込ん
だ融合タンパク質の通常酸素条件下における分解をウェスタンブロットにより評
衝した。さらに、ビオチン誘導体である[エ25玉]1BBを用いて融合タンパク質を標識
し、通常酸素および低酸素条件下の挽La細胞(子宮頸がん)、蔦i罎細胞(肝がん)、
脳3A細胞(乳がん)での取り込みを比較した。
[結果・考察蟄TD1{GFPに髭べ、PTD3−EG狸は7倍高い取り込みを示したことから、
RTP3の有用性が示された。次にウェスタンブ瓢ットにより、碧TD3を組み込んだ融
含タンパク質が通常酸累条件下で分解されることが確認できた。さらに[主251]BB
にピClメチルトリフレートによる0一メチル化反応が用いられているが、本法では標識効率が銀
トリフレートの滲性に依存するため、収量が不安定になるという欠,轄がある。そこで、我々は、
反応系の制御に優れたマイクロリアクターを用いることで、[11C挿ウ化メチルから直接11℃]ラク
ロプライドを効率的に、かっ短時問で合成することを計画した。
1方法】マイクロリアクターには、Y字型チャネル構造のチップ(200μm(W)x20μm(D)x250
mm(L),tαal vo!um¢:1μ1)を用いた。原料としてデスメチルラク皿プライド(2mg/800Fllとll1C]
ヨウ化メチルの各DMSO溶液を用意し、これを2つの注入qからそれぞれ導入し、反応させ
た。チップの出口より採取した反応液をHPLCにて分析し、11℃1ラクロプライドの収率を算出し
た。原料の泣入速度、反応温度と収率との関係を検討した。
1結果・考察1室温におけるマイクロリアクターでの収率は20secで1L7士4,3%、60secで
14.狂2.3%であり、短時問での高収率、かつ良好な再現性を認めた。一方、60。Cにおける収
率1=柔、20secで2G.3土2.0%であり、カβ?且1こよる
45
収率のさらなる上昇を認めた。以上の結果は
マイクロリアクターを用いた効率的なll℃]ラク
ロプライド合成を示すものであり、本システムを
応用することで、今後放身サ性プローブを簡便
20i
に供給できる可能性が示された。 20
で標識した融合タンパク質は、通常酸素条件下よりも低酸素条件化においてHeLa
細胞で3.2倍、懸1細胞で2、2倍、園3A紐胞で2.3倍高い取り込みを示した。以
上の結果から、本磯合タンパク質が高い膜透過能を有し、低酸葉条件下の種々の
がん細胞で安定化されることが確認できた。
濯位、mm
Y字型チツブ 流路輻200昌m.流路濤…さ2e召皿
28Q−am10
がんの悪性度診断を目的としたMTLMMPイメージング薬剤の開発:99mTc標識抗
28Q−am13
チミジンホスホリラーゼ標的イメージング剤の合成
○上端 純子1,天満 敬圭,久下 絡司!,高井 希望1,佐野 紘平工.佐治 英郎1(1京
大院薬,3北大院医〉
MT1−MMP抗体の合成と担がんラットにおける体内動態評価
○高橋 正幸主,西鴫 剣一1,久下 裕司2.関 興一3,大倉 一枝1(1北医療大薬,2京
大院薬)
旧的】顎頭血eP沁鋤o撰蹴(TP)は、th頭血eから出皿血eとα一r2娼oo画bo降1−
【目的】Membrane−type l matrix met&ilopro七einase(MTIMMP〉は、がんの
華国胞膜に発現し、分泌型MMPであるMMP−2の活性化を引き起こすなど、がん
の浸潤・転移に関与する酵素である。そこで、M1臼1−MMPを標的とした放射性薬
剤際発により、がんの悪姓度をイメージングできると響え、以下の検討を行った。
〔方法】抗MT1−MMP抗体を母体化合物とし、二官能性キレート試薬の概念に基
において高レベルで発現し、櫨剤である5ギUの活性化にも関与する。近隼、TPは、動
管新生因子である血小板由来凱管内皮糸朧増殖國子(PD毛CGF)と同一タンパク質である
こと、さらにその酵素活匪は、腫瘍の血管新生、浸湖、転移と関連があることが明らかとな
づいて[99m1日c](HYMC−an七i−MT1−MMP)(七ricine)2を設計した。舎成した
HYNIC−anti−MT1−MMPの免疫反応性をFlow cy七〇metryにより確認した後、Sn2+、
tr圭cine移在下、99mTcO4㎜と反応させることで
[99噸cl(HYMC−antiMT1−MMP)(tricine)2を得た。C691ioma移植ラットを作製し、
摘出腫瘍におけるMT1・MMPの発現を免疫染色法により確認した後、
っている。本砺究では、放射性核種を罵い、ηの発現すなわち腫瘍における血管新生を初
卿oで選択的にイメージングできる放射i生薬剤の開発を計霞した。PET用HC標識TP阻
害剤としてlllq5−ha1伊6{2{oxoimid呂zoHdinyl)me出y1錘aci1¢lqHOMU)を設言牽・合成した。
また、得られたHOMUのTPに対する阻害活駐を測定し、ll℃]KOMUのTP核医学イメ
[99m1臼cl(HYMC・an七i・MT1−MMP)(七ricine)2を尾静脈投与して体内分布を調べた。
ージング剤としての有用性を基聯ヨに検討した。
〔結果・考察】HYNIC・an七i−MT1−MMPの免疫反応性は魏MT1−MMP抗体の78%
であり、HYNIC導入が免疫反応姓に大きな影響を与えないことが示された。
〔結果】脹OMUは15{[2一(amin㏄t肚y1)amino…me嶺yl}一5−haloumc且を前馬区体とし、triphosgeneと
199m1目c](HYNIC−an七i−MTIMMP)(tricine〉2の放射化学的収率は43、7%、放射化学
的純度は95%以上であった。体内分布実験の結果、腫瘍への放射能集積は経時的
に上昇し、投与48時間後には測定した臓器中で最も高い集積(1,29%dose/g)を示
した。この時点における腫瘍血液比は1・52、腫瘍筋肉比は19.7であった。
【結論】[99畷c](HY澱G・anti−MTrMMP)(七ric圭ne)2は腫瘍への集積性を示し、本
phophateへ罵逆的に加リン酸分解を触媒する酵素であり、正常組織に比べ様々な固彫腫瘍
環化反応をさせることにより、高収率で合成することができた。また、HOMUのTPに対
する阻害活姓は代表的なTP阻害剤である6A5CUと岡等であることが示された。
6一{[2一(aminoe塩y1)amlno]methy1}一5−bmmou皿cilとluClphosg㎝eとの反応を行うことにより、
高収量で[nC]5−bmmo−6一[2一(oxoi血dazoHdinyl)methyi]ulac且を合成することに成功した。
薬剤のMT1−MMPイメージング薬剤としての有用性が示唆された。
一5一