基盤研セミナー HIV感染症におけるfollicular helper CD4 T細胞の役割 ~HIVワクチン開発にむけて~ 日時: 2014年7月14日(月) 14:00-16:00 場所: 医薬基盤研究所 大会議室 演者: FTE Research fellow Immunology Laboratory, Vaccine Research Center(VRC)/NIAID/NIH 山本拓也 先生 HIV-1 が後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因ウイルスとして同定さ れてから30年以上経過した現在でも、HIV感染症は重大な新興、再興 感染症の一つである。 HIV感染予防の鍵となるのは、ワクチンによりいかにして有効なHIVに 対する抗体を誘導出来るか、またそれに関わるT細胞性免疫、特にHIV 特異的CD4 T細胞を誘導出来るかという事である 近年、HIV慢性期感染者より非常に多種のHIV株を中和可能な抗HIV 中和抗体(BNAbs)の分離報告が多数なされている。これら中和抗体は 特徴としてB細胞受容体遺伝子に非常に多くの変異を有しており、これ ら変異は主にHIV慢性持続感染による異常なレベルでの胚中心 (Germinal Center; GC)反応、体細胞超変異(somatic hypermutation)により導入されたと考えられる。一般にマウス、ヒトに おいて、このGC反応にはfollicular helper CD4 T細胞(TFH細胞)が 大きな役割をなしている事が明らかにされているが、依然として、これら TFH細胞とBNAbs誘導機構に関する報告は無い。 本セミナーでは、NIAID との共同で新たに確立したサルAIDSモデル であるSHIV-AD8感染モデルを用いた最新の研究結果をもとに、TFH細 胞とBNAbs誘導の関係性、およびそれに基づくワクチン開発の可能性 について紹介する。 連絡先: アジュバント開発プロジェクト 石井 健 (TEL 072-641-8043)
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