移植前抗CD4モノクローナ ル抗体療法によるドナー

Title
Author(s)
ラット同種心移植における、移植前抗CD4モノクローナ
ル抗体療法によるドナー特異的免疫不応答性の誘導
藤本, 宜正
Citation
Issue Date
Text Version none
URL
http://hdl.handle.net/11094/37718
DOI
Rights
Osaka University
< 62 >
もと
まさ
のぷ
且
F晶・.
氏名
藤
本
博士の専攻分野
の名称
博
士(医
学位記番号
第
10023
学位授与年月日
平成
学位授与の要件
学位規則第 4 条第 2 項該当
学位論文名
ラット同種心移植における,移植前抗 CD4 モノク口ーナル抗体療
4
年
2
正
学)
月
τE玉
1
4
日
法によるドナー特異的免疫不応答性の誘導
論文審査委員
(主査)
教授
(副査)
教授
奥山明彦
教授森
漬岡利之
武貞
論文内容の要旨
〔目的〕
CD4+T 細胞は免疫反応活性化の過程において中心的役割を担う乙とが知られている。本研究はマ
ウス抗ラット CD4 モノクロ一ナノレ抗体 OX-38 の m VIYO 投与による免疫抑制効果の解析を目的とし,
(ll0X-38投与後のリンパ球サブセットの変動と液性抗体産生抑制効果,
(2) ラット同種移植心の生着
延長効果とドナー特異的免疫不応答性誘導について検討した。
〔方法と成績〕
1
. AC1 ラットに 0.5 --10mg/kg の OX-38 を腹腔内 1 回投与し, 48時間後にfI u
o
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r (FACS)を用いて,末梢血リンパ球サブセットを解析した。
ノレ抗体は o X-3
5(CD4),
FACS 用モノクロ一ナ
0X-3
8(CD4), 0X-8 (CD8), 0X-1
9(CD5)を使用した 0 ,
OX-38投与量と CD4+ 細胞の減少率は正の相関を示し,
5mg/ 旬以上の投与で 80--955ぢの末梢血
中 CD4+ 細胞の depletion が得られた。腹腔内投与から 2 週間後に初回と同量の OX-38 を再投与
し,その 2 週間後に OX-38 に対するラット抗マウスグロプリン抗体価を ELISA 法 iとより測定し
た。 OX-38 投与量依存性に抗体価は減少し,
5mg/ 旬以上の投与により抗体産生は完全に抑制さ
れた。
2
. レシピエントに ACI ラット (RTl
ay (BN) ラット
a) ,ドナーに
Lewis ラット
(RT
1
1)または Brown- Norwュ
(RTl ) を用いて,移植心を腹部大血管に吻合する腹腔内異所性心移植モデソレ
n
を作成した。レシピエント ACI ラットは,無処置群をコントロールとし,同種心移植前 OX-38 投
-452-
与群を以下の 2 群とした。凶)長期投与群:初回 5 m
g/kg ,以後 1 mg/kg を週 2 回, 3
.
.
.
.
.
.
.
.
.4 週間,尾静
脈から注射し,移植当日を最終投与日とした。 (B) 短期投与群:移植 3 日前に 5 mg/kg ,以後移植当
日まで 3 日間連日 1 mg/kg を静、注した。投与群の末梢血リンパ球サブセットを FACS 解析した結果,
長期投与群,短期投与群ともに 85.........955ぢの CD4+ 細胞の depletion が認められた。また,両群とも
抗 OX-38抗体産生はみられなかった。無処置群の移植心は 14 日以内に拒絶されたが,一投与群では
Lewis ラット心,
3
. 一方,
BN ラット心ともに 150 日以上の長期生着を示した。
レシピエントに Lewis ラット,
ドナーに ACI ラットを用いた組み合せでミは,
Lewis ラット
は移植前 OX-38 投与による CD4+ 細胞の depletion に抵抗性を示し,抗 OX-38 抗体の産生が認め
られた。 OX-38 投与群における腹腔内移植心は,無処置群に比べて有意の生着延長を示すものの,
すべて 14 日以内に拒絶され,長期生着は得られなかった。
4
. 腹腔内 Lewis ラット心が長期生着している ACI ラットの末梢血中 CD4+ 細胞は OX-38 投与終
了後約 3 カ月で投与前値の 50.........60% まで回復し
一定となった。乙の ACI ラットの免疫応答能を
調べるため,大腿動静脈に二次移植心を吻合する鼠径部二次心移植実験を行った。二次移植前の
OX-38 投与は行わなかった。腹腔内移植心と同系の Lewis ラットからの二次移植心は長期生着を
認めたが, t
h
i
r
dparty の BN ラットからの二次移植心は拒絶され,乙の ACI ラットにはドナー特
異的免疫不応答性が誘導されたと考えられた。
〔総括〕
ラット同種心移植モデルにおいて抗 CD4 モノクロ一ナノレ抗体 OX-38 の免疫抑制効果は ACI ラッ
トと Lewis ラットの間で差がみられた。また,移植前 OX-38 投与の移植心生着延長効果は,
中の CD4+ 細胞の depletion および OX- 38'乙対する抗体産生反応の抑制の程度に相関した。
末梢血
ACI ラ
ットでは移植前 OX-38 投与により, MHC ミスマッチのドナーからの移植心に対するドナー特異的免
疫不応答性が誘導された。
論文審査の結果の要旨
本研究は,ラット同種心移植モデルを用いて,マウス抗ラット CD4 モノクローナル抗体 OX-38 の
免疫抑制効果を検討したもので,
ACI ラットでは OX-38 の移植前投与により,
MHC ミスマッチの
ドナーからの移植心の長期生着とドナー特異的免疫不応答性が誘導された。一方. Lewis ラットでは
移植心は 2 週間以内に拒絶され,乙れらのラットの末梢血中リンパ球サブセットと抗 OX- 38 抗体価
の解析から,
OX-38 の移植心生着延長効果は,末梢血中 CD4+ 細胞の depletion および抗 OX-38 抗
体産生の抑制の程度に相関する乙とが明らかにされた。以上,本論文は学位論文に値すると考えられ
る。
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