レスポンス 2015

レスポンス 2015
レスポンス 2015 について
レスポンスとは、学生のみなさんに記入していただいた「授業評価アンケート」の結果に
ついて教員が「返答」(レスポンス)を行うものです。レスポンス 2015 の対象期間は
「2013 年 後期科目」と「2014 年 前期科目」です。
秋月信二
レスポンス 2014 (2014 年度前期講義アンケートに対するコメント)
従来より、毎回のように、監査のフレームワークを板書することにより、当日の講義で
扱う項目が監査の体系の中でどのような位置を占めているかがわかるように心掛けてきた
ところであるが、その点を一層徹底させるよう努めたい。受講生からはレジュメと少なく
ない自習(修)用資料を歓迎する声がある一方、少し資料が多いとの意見もあったことに
鑑み、わかりやすいレジュメと精選された資料の提示を心掛けたいと思っている。
単位制の趣旨に則り、教育の質の向上を図るため、2014 年度前期の講義においては、
前年度に引き続き、体系書(鳥羽至英著『財務諸表監査の理論と制度』:本書は、一橋大
学、早稲田大学、慶応義塾大学においても教科書として採用されている監査に関する基本
書である)を教科書として指定し、あらかじめ指定した箇所を読んだうえで出席するよう
指示したのであるが、まったく読んできていない受講生が相当程度いたと推測される(試
験答案から判断)。「教科書の扱い方」については、シラバスの「授業の方法」の項にお
いて、わざわざ学生諸君と向き合って教室でじかに教えるのであるから、それにふさわし
い授業の方法、すなわち「教科書を教える」のではなく「教科書で教える」(「教科書の
磁場の圏内でのみ語る(=教科書の内容〔のみ〕を逐一解説する)ということをせず、で
きるだけ教科書的に教えない(=最新の情報を織り交ぜながら、教科書よりも発展的な内
容を展開する)」)という姿勢で臨むこと、また、講義の際に配布するレジュメ・資料そ
してなによりもこの教科書(〈テキストブック〉)の該当箇所をもとに、各自のノーミソ
・テープに刻印するとともに、講義時ないし講義後に、自ら工夫・考案して整理・再構成
したものが、自分自身にとっての〈テキスト〉そのものに他ならない旨を記載するととも
に、開講時に強調したところであるが、周知されていなかったようで、授業評価の「授業
1回当たり事前準備・事後展開学修に費やした平均時間を問う」項目において、
「0時間」
が2名もおり、「1時間未満」が 14 名いたことが判明した。学修(「学習」ではなく「学
び修める」=「学修」という点に注意!)は文字通り強制されてなしうるものではなく、
自らの責任で行うものであるとの考えのもとに自主性を重んじて接してきたが、上記のよ
うな学生が存在するという点は次年度に向けた反省点であり、次年度は、このことについ
て十分留意してほしい旨、強調し周知に努める所存である。
監査論は、積み上げの学問という性格上、一回の講義ごとに完結する「読み切り」講義
方式には向かない。そのため、「講義内容は、毎時間の講義の理解の積み重ねを経てはじ
めて身につくものであるから、途中で息切れせず連続して出席できることが必要である」
旨、従来より、シラバスに明記してきたところである。今後とも、本科目の性格を理解し
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たうえで、また講義内容の良否は、講義担当者である教員と受講生との双方にかかってい
ることを自覚し、「休まず、遅れず、私語をせず、もうひとつオマケにスマホもせず」を
モットーに前向きの姿勢で講義に臨んでいただきたい旨、受講生に対して強調していく所
存である。
ともあれ、講義内容の善し悪しは、ひとり講義担当者の姿勢・努力(教材の内容・量・
工夫・使い方、講義の構成・進め方、熱意等)にのみ帰せられるものではなく、受講する
学生自身の講義への姿勢・努力(科目への興味、予習復習・読書量などの学習意欲度、講
義外での文献調べや教員への質問など疑問への解決努力度、出席状況、受講態度等)によ
るところ大であり、講義内容の如何は、講義担当者と受講する学生、この双方の講義に対
する姿勢、いい意味での緊張感の有無・程度に依存している。この一点に尽きる、これが
率直な感想です。
井原基
「比較経営論特講」について
2013 年度は、本講義を初めて英語で担当した。アンケートや受講生からの直接の感想
によれば、「勉強になった」という意見はあったものの、色々と厳しい意見もあり、今後
再び英語で講義を行う際に改善を要する点にいくつか気づいた。
まず、講義ノート自体に少し古い部分があり、現実の変化や自身の研究の進展を踏まえ
て講義内容を十分にブラッシュアップすることができなかった。日本語で講義を行ってい
る例年であれば、こうした点は、口頭の「雑談」としていくらでも補うことができるので、
大した問題とはならない。ところが今回は英語で講義を行うことに労力が取られ、新しい
話題を口頭で十分に織り込むことができなかった。その結果、講義内容を面白くないと感
じる受講生がいたようである。
次に、文字やデータをたくさん入れこむという日本的なプレゼンテーションのスタイル
でパワーポイント資料を作成したが、これを英語で行うと違和感があった。出席していた
海外留学経験のある学生からは、アメリカの大学ではパワーポイントに文字を詰め込むの
は良くないとされている、と指摘されたし、講義前に行っていた英語研修でも担当講師か
ら同様の指摘を受けていたが、時間不足で十分な対応ができていなかった。授業終了後、
自身の海外留学や国際会議への出席を通じて、英語での発表スタイルではパワーポイント
資料にいたずらに字を詰め込まず、オーラルの情報、ジェスチャーやアイコンタクトが豊
富なことに改めて気付き、他方ではしばしば報告者が十分な証拠やデータを示さずに議論
を展開しているようにも感じられ「これで良いのか」という疑問も持ったが、これが良く
も悪くも「英語での発表スタイル」というものであると受け止めた。
さらに、予想された点として「英語の発音が下手」という感想を持った学生はいたよう
である。ただ「自分も人のことは言えない」と言う学生もいた。言い回しのバリエーショ
ンが単調であったことも、講義の単調さにつながり良くなかったが、こうしたことは講師
自身が意識的に国際学会への出席等で場数を踏み、スキルアップしていくほかないと感じ
ている。
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最後に良かった点として、受講学生が少人数であったため、講義の最終回で学生にプレ
ゼンテーションをさせ、質疑応答したが、これは割と活発に行われ、良い勉強機会となっ
たようである。
とにかく、慣れない英語講義を初めて半年間担当し、試行錯誤続きであった。今後再び
行う機会があれば、今回の経験を踏まえ、改善していきたい。
内田奈芳美
コアゼミについてのご意見をいただきました。自由な議論を経験できたことに対しての評
価はいただけたのですが、発言機会の偏りについて、「もう少しいろんな人が発言できる
ようにしてほしかった」とのご意見をいただきました。授業の中では自由に発言してもら
うスタイルをとりましたが、それでも慣れていないと積極的に発言しにくいかと思います。
どうしても自分の意見を主張することが苦手な場合もありますので、もう少し発言に抵抗
のない方法をとりたいと思います。みなさんも、意見を求められたときに躊躇することな
く発言する準備(勉強や、情報収集、気持ちの準備など)をすすめていくことが重要かと
思いますので、自分なりの意見を構築していくプロセスだと思って参加してもらえると良
いかと思います。
田口博之
[講義スタイル]
政策実務を担当していました関係で、私の講義は、経済理論と実際を結びつける
ことが特徴になっております。
講義はパワーポイントを使って行い、その教材は Web Class に事前にアップして
予習・復習ができるようにしております。
経済理論の部分のスライドは、もともと専門用語が英語のものが多いので英語で
つくり、日本の政策の実際を解説する部分のスライドは、日本語でつくりました。
試験は、選択式20問を日本語で作成しました。
[生徒のコメント]
生徒のコメントをまとめますと、以下の3点です。
①英語のスライドは、評価する意見もあったが、理解できない・負担であるとい
う意見が多い。
②講義の進行のスピードどが早すぎて理解できない。
③印刷代がかかるのでレジメを配布してほしい。
[上記に対するコメント・改善点]
- 英語のスライド問題については、やはりこの機会に生徒に覚えてほしいキーワ
ードをカタカナではなく本来の英語で示したいと考えていますので方針は変えな
いことにして、添付の生徒のコメントにもありますように黒板にその都度日本語
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にして丁寧に解説するように心がけたいと思います。
-
講義の進行スピードは、今回の試験を通じて生徒の理解度が大体把握できま
したので、すこし内容を精査して、重要な点に特化するように心がけたいと思い
ます。予習・復習の時間が少ないことも問題とされていますので、緊張感を高め
るため、聴講の人数にもよりますが、講義中に生徒に質問する時間を設けたいと
思います。
-
レジメの配布は、Web Class にアップしている趣旨から、やはり自分でダウロ
ードさせようと思います(教科書を買わせるよりは、はるかに安いと思いますの
で)。
田平恵
1.プレゼミ
演習方式であるにもかかわらず、学期を通して学生の欠席・遅刻が多く、最後まで改善
されなかったことが非常に残念であった。学生側も、このような状況によって議論の進行
に支障があったと感じていることが調査結果から読み取れた。学生の自主的かつ意欲的な
行動を促すための工夫に重点を置いて対応を考えていきたい。
2.法学
教科書を1章ずつ進める形で行ったが、1章分の内容・分量が異なることもあり、回に
よってペースが早いと感じた学生がいたため、次回担当時はペース配分に留意したい。ま
た、調査結果からは、学生の事前準備・事後展開学修を促す工夫が必要であると感じた。
次回担当時は、課題設定やディスカッションを取り入れるなどの方法も取り入れたい。
3.経済法(昼)
講義の内容について、経済法の中核である独占禁止法を取り上げて講義を行ったが、下請
法や景表法関連についてのニーズもあった。また、練習問題にとりかかる時間をもっと作
ってほしいとのニーズもあった。多様なニーズに可能な限りでこたえつつ、経済法特講と
のつながり・差別化も意識しながら、とりあげる内容やペースに配慮していきたい。また、
調査結果からは、学生の事前準備・事後展開学修を促す工夫が必要であると感じたため、
課題設定を取り入れるなどの方法も取り入れたい。
4.経済法(夜)
講義の内容、ペース、板書、スタイルなどについて「良い点」「改善すべき点」の両方に
それぞれ多様な意見があった。できるだけ受講生の満足を得られるような形で進められれ
ばと思うため、来期は適宜意見集約をするなどして、受講生のニーズにこたえていきたい。
また、調査結果からは、学生の事前準備・事後展開学修を促す工夫が必要であると感じた
ため、課題設定を取り入れるなどの方法も取り入れたい。
5.演習
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調査結果からは、すべての項目が平均以上のポイントになっており、現在のスタイル・テ
ーマに一定の効果があると認識したが、さらなる改善・飛躍を目指していきたい。調査項
目のなかでは、学生の事前準備・事後展開学修を促す工夫については改善の余地があると
思われるので、学生のニーズも踏まえて方策を探っていきたい。
土川信男
今回も、出席をとってほしいという要望が複数ありましたが、前回のレスポンス2014
にも書いたとおり、私としては、講義科目については、大学から強制力が発動されるまで
は、現在のまま続けたいと思います。
レジュメについて、内容はほとんど変えてありませんが、体裁を作り直しました。
余談が多いという意見がありましたが、私としては、余談にも意味があると思って話し
ています。
間野肇
平成27年度からカリキュラムが新しくなることに伴って、今まで担当していない内容の
科目を講義する予定である。今まで担当してきた科目の教え方にとらわれずに内容に即し
た教え方を心がけたい。科目の主たる内容を可能な限り明確に示すという講義の方針は変
えないつもりである。
水村典弘
【基本科目(経営学)全般】について:質問項目(1 ~ 13)の値は概ね平均
的で、特段の意見や指摘はありません。しかし、項目(13)「事前準備・事後展開学
修に費やした時間の平均」については、1 時間未満の値(38.35%)と 1 ~ 2 時間未満の
値(37.28%)が最も高く、0 時間(8.60%)・2 ~ 4 時間(8.24%)・4 時間以上
(7.53%)と続きます。このことについては、科目担当者として憂慮すべき問題であ
ると考えています。次いで、授業の改善に資するためのコメントに記載された<良い
点>と<改善すべき点>に関しては、基本科目担当者会議の場で詳細に検討し、良い
点は次年度以降も継続し、改善すべき点については次年度の基本科目の講義設計及ぶ
運用の段階で実行に移します。特に複数のコメントが集中した現行の 4 人体制の是非
については、今後に検討すべき課題として先の会議で議論し結論を出したいと考えて
います。【個別パート(株式会社)】については、<良い点>と<改善すべき点>に
様々な意見が記されてあり、とても興味深く拝見いたしました。皆さんが知っている
かどうかは別として、昔も今も、学生の学修時間の確保に向けて学部・教員サイドだ
けでなく学生自身も努力することが求められています。また本学部では、学生に勉強
を自然にさせる仕掛けを施すことが各教員に求められています。そのため、本パート
(基本科目:株式会社)においても、①予習の範囲と深さを事前に明示する、②予習
の内容について次週の小テストで理解度を確認する、③小テストの結果を期末の成績
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評価に反映させる、という単純な PDCA サイクル(#1)を徹底しました。しかし必ずしも
有効に機能していたとは考えられませんので、次年度以降に引き継ぎたく思います。
次いで、本パートでは、アクティブ・ラーニングの手法を導入し、いわゆるグループ
ワークも徹底しました。与えられた課題に対してチームのメンバーが知恵を出し合っ
てスライド資料を作り上げていくというプロセス重視の手法です。ただ、講義ガイダ
ンスの際に各教室で口頭説明し、また4教室で強調したにもかかわらず、予習(事前
準備学修)と復習(事後展開学修)が不十分な学生も多く見られました。いずれにつ
きましても、今年度の反省点として上記委員会で検討いたします。
(#1)PDCA サイクルとは:Plan-Do-Check-Act の頭文字 PDCA。経営学の領域では基本中
の基本の考え方として広く認知されています。
柳沢哲哉
基本科目経済学は私の担当箇所(歴史と制度)について、何人かから「分かり
にくかった」との感想がありました。私の教え方の問題もありますが、理論的な
部分を厳密にやろうとするとどうしても難しくなってしまいます。28 年度からに
なりますが、テキストの内容自体を再検討することになっています。1 年生にふ
さわしいものに変えていくつもりです。
経済学史(夜間)はまずまずの評価だったと思います。「テキストを買わせた
のだから、全範囲をやるべきだ」との意見もありましたが、特講と合わせて4単
位分の内容で作成したので、全範囲はできません。特講でも同じものを使います
ので、後半はそちらでやります。
経済学入門(基盤科目)は、パワーポイントのシート量が多すぎたと反省して
いますが、まあまあの評価をもらえました。評価点もさることながら、自由回答
欄に肯定的な感想を書いてくれた人が多かったのが励みになりました。「前回の
講義の要点を復習として話すのがよかった」との感想が4,5件ありました。
「分かりやすかった」との声がある一方、「レベルをもう少しあげるべき」との
声もありました。相反する感想でもあるので解決は難しいのですが、次回からは
長年の課題である予習・復習をやってもらうよう工夫して、ほんの少しレベルを
を上げます。WebClass の活用などを検討しています。」
結城剛志
経済原論については概ね好意的な評価を頂きました。Web class 利用、授業の進め方に
ついて好意的なコメントがある一方で、ペースが速すぎる、難しい、課題が重い、教科書
とのリンクが分からない、等々の指摘もありました。授業評価の項目別では、「授業につ
いて」の受講時期、「あなた自身について」の予習復習時間の項目の平均点が低かったよ
うです。
課題については意識的に増やしています。課題の量を増やしたにもかかわらず、予習復
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習時間が低調であったということが問題です。
受講時期について適切でないと感じている学生が多かったことに「難易度が高すぎる」、
というメッセージを読み取ることができます。
経済原論は抽象的・概念的な議論を展開しますので十分な予習復習を行い、高校までの
学習で培った思考パターンを切り替えていかなければ理解できません。課題の趣旨がみな
さんに伝わっていなかった節がありますので今後留意するようにします。
経済原論特講については大変残念な評価を頂きました。経済原論と同様に、「授業につ
いて」の受講時期、「あなた自身について」の予習復習時間の項目の平均点が低い、とい
う特徴があります。
コメントの改善要望では、授業ペースが速い、難しい、もっと速く進めて欲しい、とい
う相反する要望がありました。みなさんの理解度を考慮しますと今以上にペースを速くす
るのは現実的ではないと感じています。もっと内容を充実させつつ、理解度も高めるため
には、自習時間を増やしてもらうのが一番よいでしょう。課題や小テストを増やし、自習
のインセンティヴを高めるようにします。
性格的なところはなかなか直せないのですが、努力します。
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